- 2023年7月20日
ブログの本題をストレートにタイトルにしていないことが多いですが、今回はど真ん中のストレートです。
言いたいことをすでに書いてしまいました。
インターエデュの書き込みは半分くらいは間違っていますが、
よく出る話題に、サピックスは講師ではなく、カリキュラムや教材が優れているというものがあります。
サピックスの教材でも優れているものもありますが、教材で選ぶ塾ではありません。
サピックスの価値としては、
環境(小テストやクラスメート)>テスト>講師>教材>カリキュラム
だと思っています。
インターエデュに書き込んでいる方と私で会話したらほとんど噛み合わないでしょう。
早くも本題から少しズレてしましましたが、良い講師は教材はあまり関係がありません。
重要でないと言えば言い過ぎですが、
クラスの生徒さんの状況を見て、その場で問題を作り、黒板に板書するなどの対応もできます。
授業を担当するとき、教え方などは塾の方針に従うケースはありますが、
どの問題を選ぶかというのは講師が決めます。
チームワークの良い教室だと、先輩講師が「この問題はやって、この問題は省いて」などのアドバイスもあるかもしれませんが、
教えている感触によって臨機応変に変えていかないといけません。
成績を上げられる講師と上げられない講師がいますが、
成績を上げられない講師というのは、説明が上手くない場合もありますが、易しい問題を選ぶ傾向がある場合もあります。
易しい問題を選ぶのは性格的な面が大きいです。
最近見たネットの書き込みで、
「元プロ野球監督の野村監督や落合監督は、相手(敵)の嫌がることを喜んでやるタイプで監督に向いていた」
とありましたが、それに近いかもしれません。
難しいことをやって、頑張る子、苦戦する子、乗り越える子を見る楽しさも講師の醍醐味の一つですが、
これを感じない講師は難しい問題を好まないかもしれません。
難しい問題を選ぶとクレームがくる恐れがあります。
易しすぎというクレームは最悪ですが、難しいというクレームもできれば避けたいです。
クレームを恐れずに鍛えるためには難しい問題を!という姿勢が必要だと思いますが、
そういう講師ばかりではありません。
スカイプ指導で、塾でどういう問題をやったか聞いてみると、
あまりにも易しい問題しかやっていないというケースが案外多いです。
私が働いていた前職でも、私が入社したころは、
上位クラスは鍛えて難関校に受からそうという雰囲気がありましたが、
下位クラスは退塾さえしなければ良いという風潮でした。
何年間かかけて、全クラス難しいことをやるカリキュラムや教材に改革しました。
他教科も生温かったですが、私が入社してから数年後に、生ぬるさにカツを入れる講師が入ってきたので、
かなり合格実績の出る良い塾に生まれ変わりました。
その弊害として、講師によっては下位クラスからかなりの退塾者が出るので、諸刃の剣かもしれませんが、
効果が出ないのに、簡単なことをやって授業料を戴いて、
パフォーマンスのないことに気がついた賢いご家庭が退塾していくという塾にはしたくないと思っていました。
スカイプ指導では、分からない問題を教えるというパターンが基本ですが、
解いていく様子を見ながら、「次はこの問題やってごらん」というように演習を入れるパターンもあります。
費用は前者の方が指導時間が短くなるためお安くなりますが、
様子を見ながら可能な限り難しい問題までやっていける後者の方が効果は大きいかもしれません。
塾ではここまでしかやっていないと言っていても、この形で進めていくと、それより遙かに上のレベルまで扱えることが多いです。
ここまで、難しいことをやることが大切というような論調でしたが、
難しすぎることを頑張ってやろうとするのは当然マイナスです。
スポーツに置き換えてみると分かることです。
私が健康のため3キロくらい走り始めたとします。
走るなら42.195キロ走らないとダメだよと言われても無理に決まっています。
次元が違いすぎます。
スポーツなら常識で誰でも分かることが、勉強になると非常識のことをする場合があります。
どのくらいがちょうど良い負荷なのかを判断することも経験が必要だと思います。
塾講師もそういう経験が豊富で分かっていますが、
集団授業だと、どのお子様にもピッタリの負荷というわけにはいきません。
家庭教師で1対1だと、そういう適切な負荷をかけられるという利点があります。
丁寧に理解できるように教えることも重要ですが、適切な負荷を与えることも同じくらい重要だと思います。
インターエデュの書き込みで、プロ家庭教師は曲者が多く、
大学生の方が人格的に優れているから、家庭教師なら大学生を雇った方が良いなんて不思議な書き込みを見ましたが、
たしかに人格不適合者はまずいですが、優しい甘い人間は成績を伸ばせられません。
優しく甘い講師でも、お子様が自発的にやる気を高め、自分自身に負荷をかければいいのですが、
それはお子様自身のポテンシャル次第です。
成績に変化をつけようということなら、ちょうど良い負荷をかけられる環境に身を置くことが大切です。
学生講師の場合、適切な負荷をかけられるのでしょうか?
絶妙の負荷をかけることは難しいですが、
「負荷のかけ過ぎ」、「負荷のない状態」
この両極端になっていないかを常に確認していくことは大切です。