- 2016年7月7日
私は、クルマのドラテク(ドライブテクニック)に少々興味があるので、
今回の冒頭は、その話題で行きます。
ブレーキ残しというテクニックがあります。
カーブーに入る前にブレーキを残しておくと、
フロントタイヤに荷重がかかり、曲がりやすくなるということです。
それをプロドライバーが語るとき、
あるドライバーはブレーキ残しは大切と言い、また別のドライバーはブレーキ残しは不要と言います。
どういうことか分かりますでしょうか?
結局は同じことを言っているのです。
ブレーキを早めに離すのはよくないからブレーキを残そうというのがブレーキ残し派です。
ブレーキは早めに離したいんだけど、そうすると曲がらなくなるから仕方なくブレーキは残すというのが不要派です。
残したいか、残したくないかの意識だけで、残していることには違いがありません。
つまり、理想とする姿はほとんど同じなんだけど、考え方によって、言葉が大きく変わるというわけです。
これを私のような素人さんが聞いたら大変です。
ブレーキを残しすぎている人が、「ブレーキ残しは大切」と聞いたら、もっと残してしまうかもしれません。
残しすぎる弊害はここでは割愛します。
逆に、たいしてブレーキを残していない人が、「ブレーキ残しは不要」なんてのを真に受けたら、ますます曲がらなくなってしまいます。
勉強の指導でもこういうことはよくあることだと思います。
- 長時間勉強↔短時間勉強
- ノートにまとめる↔ノートを使わない
- すぐに解説を見る↔解説を見ない
- 解くのが速い↔解くのが遅い
- 算数重視↔算数軽視
- 難しい問題をやる↔難しい問題は飛ばす
- 分からない問題は質問する↔分からなくても質問しない
ザッと7点書きましたが、どれも極端ではダメです。
最後の分からない問題の質問に関しても極端ではダメです。
どれもちょうど良いバランスというのがありますので、
そこを目指していかないといけません。
「5年生になったら教えるのは止めてください」
とよく塾で言われると思いますが、それを真に受けて、5年生から成績ダウンというご家庭を何件も見てきました。
塾の言い方もどうかと思いますが…
また、それと話が少し似ていますが、
「うちの塾は、家で教えなくて大丈夫」と豪語する塾があります。
それもまともに受け止めない方が良いと個人的には思っています。
では、ちょうど良いバランスはどこなのかということに繋げていきたいのですが、
それを文章にするのは難しいというか、不可能です。
個々のお子様によっても変わりますし、
例えば勉強時間1つ取っても、最高級の集中度で取り組んでいるのか、スイスイ流しているのかによっても全く違います。
よく、人間は集中力は20分しか持たないから、それ以上は無意味などと言われますが、
集中力MAXで取り組める子はそれほど多くないと思いますし、
ゲームなどでも5秒程度のリラックスで、また集中モード全開になります。
やや話が逸れましたが、
集中度に個人差があって、1問解くごとのリラックスの仕方にも個人差がありますので、
最適な勉強時間は○時間です!とは言えないものです。
バランスを探るのにあたり、極端なことを目指すのではなく、
少しずつ変えていくスタイルが効果的で、且つストレスを与えない無難な方法だと思います。
例えばタバコを辞めるとかダイエットの話でも、極端に行くと、リバウンドでかえって以前より悪化することもあります。
勉強もそれと似ているかもしれません。
「少し減らして様子を見る」
この姿勢で良いと思います。
例えば勉強時間が極端に少なくて1日30分くらいのお子様がいるとします。
理想は3時間だとしても、いきなり3時間なんておそらく無理でしょう。
そうしたら、まず「60分」、集中力を上げて、無駄なことを削るというように、
他の要素も絡めながら少し改善してみることが大切です
恐怖政治、もので釣る、褒める(煽てる)、塾講師に叱咤激励してもらう
お子様を改善するときにいろいろな方法が考えられますが、上に挙げたようなものでは持続しないような気がします。
「変える」ということはストレスがたまりますので、刺激を与えて変えるよりも、じわじわと変えていく方が良いと思います。
体調が悪いときに、必ずウィルスなどの原因があると思います。
精神的な心の病はよく分かりませんが。
それと同じように、算数が低調ならば、必ず原因があります。
どこに問題点があるか、箇条書きにして、
最大値と最小値を考えて、どれくらいのバランスで行くのが良いのかと考えていくと、解決の近道かもしれません。
気合い、根性ではなく、ストレスをかけない作戦を選んだ方が良いと思います。