- 2023年7月11日
人間は得意なことはするのは良いですが、苦手なことをするのはストレスがたまります。
有名な林修先生も得意なことに全力を注ぐと成功が待っているというようなことを言っています。
しかし受験生はそういうわけにはいきません。
得意な科目もあれば苦手な科目もあることでしょう。
得意なことを伸ばすのも大切ですが、それ以上に苦手なものに力を入れてレベルを上げていかなければなりません。
伸び代という言葉がよく使われますが、
得意科目を上乗せするよりも、苦手科目を引き上げていく方が総合点は上がります。
算数は主要教科ということもあり、苦手な受験生は、凄まじいエネルギーを使って取り組んでいます。
見ていて痛々しいほどです。
今回のブログでは、通塾生で苦手科目の克服法を考えていきます。
多くの塾は、授業で大量に問題を扱います。
スカイプ指導で大手塾に通うお子様から状況を伺うと、授業で説明されない問題もかなりあるそうです。
これは塾にもよりますし、講師次第かもしれません。
解くだけ解いて、「正解になっている人が多いからこれは省略!」ということです。
塾側の立場に立てばそれは致し方ないと言えなくもありません。
よっぽどしっかり躾けていないと、正解になっている問題は生徒は授業をあまり聴きません。
そういう生徒がたくさんいると授業がつまらないと言われてしまいます。
多くの生徒を飽きさせないためには、正解者が多い問題は解説などはしていられないということです。
大量な問題を与えられても、正解率が低いお子様は、このような理由で授業に出ても効果は低いと思います。
できない問題はしっかり説明してもらっているという印象をお持ちの保護者様もいらっしゃると思いますが、期待通りの授業になっていない可能性が大です。
苦手なんだから授業に出なければという想いで授業に出席させている保護者様のことを考えるとやるせない気持ちにもなります。
現状を打破するためには、授業で人並み以上に「理解できる」「解ける問題を増やす」の2点に尽きます。
いままで自力で取り組んできて苦手科目になってしまったのならば、自力で克服するのは難しいです。
内容はどんどん難しくなりますので、過去に苦戦していたお子様が、いきなりよく分かるようになるということは、望み薄だと思います。
ヤル気スイッチとか、体育会系の塾で気合い注入という行為は意味があるのでしょうか?
意味があるような気がするから、そういう戦略が成り立っているのかもしれませんが、実際にはそれでは解決しません。
現状打破には、やる気などの気持ちも必要ですが、技術も必要です。
技術がないところで、ヤル気スイッチを探しても、電池がないから回路がつながらないとなってしまいます。
「親が教える」、「家庭教師に依頼」、「個別指導に通う」、「塾で質問」
なんでもいいですが、マンツーマンで基礎から順々に積み上げていくところを見守ってあげなければなりません。
「できないから塾に行くんですよね」
塾講師がそういうことをたまに口にしますが、それはクレーム対策のためにある言葉です。
新しいことを教わるために塾に行っているわけで、その教わったことが身につかない場合、それを塾が解決してくれるわけではありません。
手前味噌ですが、前職では主にそういうことにも力を入れていました。
出来ない生徒を、AKB48の真似のようですが「選抜メンバー」と称して特別補講クラスを作り、基礎を徹底的に教えていました。
そのような塾はほとんどないと思います。
しかし、そういうことをやっている塾だったとしても、マンツーマンではないので効率はあまり良くはありません。
大手塾ではいわゆるきめ細かいマンツーマン指導は望むべくもありません。
それならば、苦手なものを克服するためにはマンツーマン指導の体制を敷くと割り切った方が良いと思います。
力量不足の講師ならばマンツーマン指導でも改善に向かわないと思いますが、苦手科目の成績を引き上げるためにはマンツーマン指導が1番です。
このままやっていれば、いつかは光が差し込んでくるのかなという淡い期待を持ちたくなる気持ちも分かりますが、現状維持はできても浮上は難しいです。
良い解説書→塾で質問→可能ならば親が教える→家庭教師か個別指導
手軽なものからということで、この順で現状打破を目指していくことが良いと思います。
中学受験は小学生のテストではありますが、厳しいです。
どこが厳しいかというと
- 中学受験は4教科受験
- 私立高校受験は理社がなく3教科(一部の学校を除く)
- 大学受験は文系、理系を選べる
- 資格試験は得意分野で勝負できる
得意なもので勝負というよりも、苦手なものを作らないことが必勝法則と言ってもいいくらいです。
しかし言い方を変えると、学問としては奥深くないために、ちょっとのフォローで苦手が克服できます。
徳川家康のように待っていて時が解決するようなことではありませんので、豊臣秀吉のように、解決するためにいろいろ手を打つべきだと思います。
授業の受け方、宿題の仕方などを変えることで、教材を新たに購入して取り組まなくても、V字回復する場合もあります。
そういった態勢変更も含め、志望校合格までを視野に入れたときに、この科目が足を引っ張るだろうというものがございましたら、
1学期の間になにかしら対策することをお勧めいたします。