テストの弊害について

テストには3種類ある

テストといっても、下の3つのテストがあります。

  1. 各単元の導入時の身についているかの確認テスト
  2. 出題範囲の決まっていない実力判定テスト
  3. 学校別判定テスト

それを一緒くたにすると、間違った捉え方になってしまいますので、今回は、1番の各単元の導入時の身についているかの確認テストの弊害について書いていきます。

テストのメリット

もちろん確認テストにもメリットがあります。

  • 各単元が身についているかを確認できる
  • メリハリができ、集中して勉強でき、勉強の持続力も上がる
  • 良い点数を取ると自信がつき、勉強が好きになり、楽しくなる
  • 目標を立てやすく、成長に繋がる
  • テスト慣れする
  • 勉強に対する体力がつく

メリットも多いです。

上手くテストを利用したいとは思います。

案外、1番下の体力は重要です。

テストのデメリット

テストにはデメリットもあります。

できるだけデメリットを解消していくことが大切です。

テストで高得点を取ることを目標とすると、手っ取り早く解き方を覚えて解く方が簡単に目標をクリアできます。

老若男女、簡単に結果を出せる方法が良いと考えがちです。

そこに落とし穴があり、それが最大のデメリットとなります。

最初は解き方を覚えて解いたとしても、理系脳の子は、やがて、どうしてこの解き方になるのか、この計算で何を求めているのかを理解するところまで進みます。

デメリットが自然と消えます。

文系脳の子は解き方を覚えた段階のままです。

デメリットが残ります。

小学生のとき受験勉強を頑張っても、中学生以降、数学で苦戦をする理由は、解き方を覚えただけの勉強になっているからです。

どうして解き方を覚えてはいけないのか

解き方を覚えただけの勉強とは「分数のわり算は、割る分数の分母と分子をひっくり返して、かけ算に変える」「台形の面積は、上底と下底をたして、高さをかけて2で割れば面積が求められる」というような身につけ方です。

どうしてそれで求められるか理由が分からないと、仕組みが分からないので、応用力に繋がりません。

応用力を向上させたいならば、解き方を覚えてはいけないということです。

例えば台形の問題は、同じ台形を2つくっつけて大きな平行四辺形にしてから解く問題があります。

こういう問題を見て、「これは公式に関する問題だ!」と既に身についているものを広げていくことができるか、その都度、その問題の解き方を覚えていくかでは、大きな違いがあります。

1つ1つ点で身につけずに、できるだけ線にしていくことが応用力になります

テストがないと覚える算数にならないか

テストがないと、理解しないと気持ちが悪いから理解しようとなりやすいです。

本来、人間は、どうしてそうなるか理解したいと考えているものだと思います。

ところが、理解できないものは理解することを諦めたり、理解することよりも重要なことがあると思えば、理解はしません。

テストが、理解することよりも重要なものになっていることが問題ということです。

進学塾の論理は、テストによる競争で、子供を鍛えるというものです。

あらゆる手段で煽ってきます。

そうしたら、よほどの精神力のたくましさがないと、テストよりも理解が重要!などと思っていられなくなります。

理解することは諦めても、なんとか覚えて点数を取らなければ!というプレッシャーが強くなり、理解よりも結果に目が向きます。

そして良い結果が出れば、その行動で良かったと思い込んでしまいます。

点数の怖いところです。

まとめ

理解を軽視する勉強が習慣になりますと、教わった解き方(公式)に当てはめるだけの解き方になり、いまだけ良い点数が取れても、すぐに算数が苦手となってしまいます。

大切なことは、問題を解けることでなくて、どうしてそれで解けるのかを理解しようとする姿勢です。

テストは、結果によって、クラス替えや順位や偏差値というものが刺激が強すぎて質の低い勉強になりやすいから悪ということで、理解できているかのチェックは必要です。

テストの結果に動じず、腰を据えて質の高い学習ができるならば良いですが、そうでない場合は、単元の導入段階ではテストは避けた方が良いと思います。

「塾のクラスはできるだけ上が良い」とSNSでも堂々と書く保護者もいますし、多くの人が思っていると思いますが、実はクラスにこだわらない方が、長い目で見るとプラスです。

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