- 2021年6月19日
大手塾と同等のカリキュラムで、授業のような対話式の展開で進む教材です
カリキュラムの最大の特徴は、小5対話式算数は、同分野が3話続くことです(小4対話式算数は同分野が4話続きます)。
学習しやすく、管理しやすくなるので復習もしやすくなるというメリットがあります。
各単元、導入から、1人の先生と2人の生徒(クマ)の会話で進み、約10問の例題を様々な流れで説明していきます。
大手塾と難度は大きくは変わりませんが、導入を対話式にすることにより、理解度がまるで異なります。
凄い内容の学習ではなく、普通の大手塾の学習内容を、しっかり身につけていく教材です。
比と割合の解き方が上手くなり、割合全般が戸惑うことなくスムーズに進められます
どの大手塾も、5年生の算数は、割合と比が最重要分野です。
割合と比がスムーズに身につけば、5年生の算数は上手く行ったと言っても良いです。
大手塾では、割合と比は分数から入ります。
それだと、しっかりイメージできずに、解き方を覚える算数になり、応用は利かずに、単元が変わると、また、新たに解き方を覚えるという循環になります。
それでは、この先、思いやられます。
これの解決方法は、とても簡単で、分数から入らずに整数(比)から入ればいいだけのことです。
どの単元も、できるだけ同じように解けるように、表をフル活用します。
問題によって、線分図や表や式だけだったりでは、使い分けるのは大変です。
単元名にはこだわらずに、ほぼすべて表で解きます。
問題文に分数が書いてあっても比に直して、整数でイメージしながら解いていきます。
慣れてきたら、徐々に分数も使えるようになります。
それだけのことで、割合全般で戸惑うことなくスムーズに吸収でき、5年生の算数が上手く進んでいきます。
平面図形と比の解き方が上手くなり、6年生でさらに飛躍でき、アドバンテージをつくれます
平面図形と比は、教え方が難しいです。
スタンダードな教え方をしても、なかなかできるようにはなりません。
惜しげもなく、書きますが、公式通りに求めることを基本姿勢にすると、スタンダードでは身につかなかった子も、身につきました。
平面図形と比だけの話ではありませんが、教えるノウハウがしっかりある人が執筆した解説書を使うかどうかが、子どもの勉強の負担を大きく左右します。
5年生の間に、平面図形と比の基礎(易しい問題ではなく、基本骨格となる解法で解く問題)をマスターできたら、6年生の前半にかなり難しい平面図形と比を学習でき、夏を待たずに完成という形に持って行けます。
テクニックの習得は、6年生に先送りしているので、学習時間が有効になります
サピックスは創業時から、5年生でカリキュラムが修了し、6年生前期で、また1からカリキュラムが繰り返され、夏、そして後期と6年生で3巡繰り返されます。
徐々に難しい内容を扱っていくので、5年生でカリキュラムが修了とは言え、扱っている問題は易しいです。
シンプルな問題が多く、問題を見ても、ワクワク感がないというか、はっきり言うと、つまらない問題が多いです。
ところが、5年生修了という意味で後発の四谷大塚や早稲田アカデミーは、「5年生で終了」という形だけ取り入れたため、従来6年生で扱っていたものを前倒しで5年生で扱うことになり、恐ろしく難しいことを5年生で要求しています。
当然、四谷大塚の教材を作っている教務の社員もサピックスの教材を知っていると思うのですが、サピックスより難しいことをやったら、サピックス以上に合格者が出ると思い込んでいるのか、サピックスよりも遙かに難しい教材をつくってしまいました。
そして、サピックスもそれにつられるように難しい教材に移行しました。
首都圏の大手塾で良心的な教材はグノーブルくらいで、家庭教師をやっていますと、グノーブルに通われている子が、最も着実に力をつけている印象を持ちます。
何とも悲しい実態です。
グノーブルは、改定前の旧サピックスの教材と瓜二つと言っていいくらいの教材で、面白みに欠けますが、面白い教材をつくることが目的ではなく、塾生の力をつけることが目的なので、それが正解だと思います。
対話式算数の問題は、旧サピックスの教材に似ているので(つまりグノーブルと似ています)、面白い問題を入れているわけではありませんが(旧サピックスよりは面白い問題を少し入れています)、負担が少なく、反復練習をしていけば、しっかり基礎が身につきます。
中学受験界でよく言われる「5年生後期が大変」を実感しません
大手塾では5年生の後半の算数が大変だと言われます。
理由は、4年生の内容が簡単すぎというのと、5年生で難しい領域まで扱いすぎの2点です。
6年生の前期は、5年生後期とほぼ同じ内容です。
5年生後期に頑張ったから、その分、6年生前期は簡単とはなっていないようです。
「5年生後期は大変だったけど、頑張って取り組んだ」→「でも、身につけられずに6年生前半に再度学習し直し」
このような流れが起きやすいです。
毎週、単元が変わっていき、しかも高いレベルの難問も演習しなければいけないとなると、大変にならない方がおかしいです。
基礎の土台が固まっていないうちに難問に取り組んでも効果がありませんし、扱う単元が、毎週変わると、全体像をつかんで体系立てて身につけられません。
例えば、食塩水なら「食塩水・濃さ・食塩の重さを把握する問題」「面積図で処理する問題」「複数の容器間でやりとりする問題」を学んでようやく全体像がつかめます。
これには2~3週間の学習が必要だと思います。
また、平面図形と比は重い分野ですので「慣れる」→「理解できる」→「問題が解ける」→「応用まで手が届く」というサイクルが必要ですが、これには1か月くらいはかかると考えています。
それを1週間で取り組み、翌週も復習編として出てくるとはいえ、また別の単元が登場すると、そちらに力を入れなければならなくなり、結局は1週間で完結していかないと、ざるで水をすくう学習スタイルになりそうです。
学習単元の難度は一定ではなく濃淡がありますので、「ここは重要」という単元には時間をそれ相応にかける必要があると思います。
大手塾ではどうしてそのスタイルを維持しているのかと言いますと、そのスタイルで大きな問題がないからです。
5年生で身につかなければ、6年生でやればいいという感じです。
書いてて虚しくなりますが、それが中学受験界の常識です。
つまり、5年生後半が難しいのは学習塾のせいで、カリキュラムと、難しい問題をいつやるかを、適切に決めれば、5年生後半も難しくはなりません。