- 2020年11月12日
今回のブログは主に5年生向けですが、4年生や6年生にも通じる内容になると思います。
「成績が上がると良いな」とは誰でも思っていると思いますが、そのためには、行動に移す必要があります。
言いかえますと、行動を変えなければ、成績は上がりません。
個人的には、最近は「成績を上げる」という考え方は危険がはらんでいると思い、成績ではなく「学力を上げる」ことを目指した方が良いと思っています。
考え方として、テストの点数が良かったときに、その勉強は学力も上げているかどうかと考えます。
こんな勉強では学力は上がっていないと思われる勉強ならば、高い確率で、トータルでマイナスな学習です。
職業柄、インターネットでは、中学受験の勉強の記事がやたらと表示されるのですが、「それやって、学力上がる?」と思えるような教材や勉強方法が多すぎます。
「先取り学習で、かけ算九九を歌で覚える」というのを見たときには、それでは先取り学習をやる意味がまるでないという感想しかありません。
個人的に、学力を上げない勉強のことを「勉強ごっこ」と呼んでいて、スカイプ指導でも勉強の質の低い子に、「勉強ごっこになっているんじゃない?」と言っています。
ここでは、学力を上げることを前提とした成績上昇を考えてみます。
行動を変えると書きましたので、具体的に、どういう行動があるかを挙げてみます。
- 例題の解説や問題の解説を音読する
- 対話式の教材を親子とで読む
- 朝勉強をする
- 夕食前の空腹時に算数をやる
- ソファーでリラックスして解説を読む
- 塾から帰ってきた直後に解説を読む
- 問題を解くときは、タイマーを使う
- 解ける問題は、紙を使わずに頭の中で答えを出す
- 解ける問題は解かない
- 寝る前と起きた直後に同じ問題を解く(サンドイッチ式と名付けました)
個々のお子様で、相性の良い勉強は異なると思います。
上にキリよく10個挙げましたが、それ以外の方法で相性が良いものがあるかもしれません。
相性の良い勉強を探すことがとても大切です。
行動を変えたいと思いましたら、2週間くらい相性の良い勉強を探す気持ちが必要です。
数日やって、ダメなら、また変えるということを繰り返して、数日で見つかったら御の字という感覚です。
何をやってもダメなのではなく、いろいろなものを試さないからダメなのです。
はまるものは、その瞬間に分かります。
これだというものが見つかったら、すぐにそれを本採用しますが、しばらくすると、飽きてしまう恐れがあります。
「この子はダメではなくて、人間は飽きる動物」というだけです。
逆に飽きない子の方が特殊というか、才能です。
飽きたら、また探せば良いです。
探し慣れてくると、毎回2週間もかかることはなく、すぐに次の候補を見つけられます。
マイナスの学習の候補を挙げなければ、探している間も学力が向上するという気持ちでいると良いと思います。
候補は、単純で具体的なものでないといけません。
たくさんの問題を解く!などというものは候補になりません。
「いつ」「どのシリーズの問題を」「何問」あるいは「何分」解くと決めておく必要があります。
リアルな会話や塾からの説明、SNSの情報でも「そんな単純なことならうちも試そうかな?」と感じることもあると思います。
すぐに試すと混乱する恐れもありますので、箇条書きでメモしていって、適切なタイミングで、試してみると良いと思います。
受験業界で有名な和田秀樹氏の本で「劣等生だったけど、授業ノートを丁寧に書いて、テスト前に友達にコピーを販売するようにしたら成績が上がった」という記述を見たことがあります。
さすがに、それは真似できませんが。
⑦にタイマーを載せましたが、子どもの集中力が増す可能性は高いですが、雑になりやすいです。
算数はテキパキと丁寧に解く必要がありますので、雑になる要素があるものは排除しなくてはなりません。
計算練習だけならタイマーを使っても良いですが、一行問題であったとしても時間を意識する勉強でそれを取り入れるのは、賛否両論があると思いますが、私は否です。
サピックスで「基礎トレを○分以内」という講師もいますが、そういうことをやって雑な勉強が身について立ち往生している生徒さんも何人も見てきました。
「サピからの転塾組は軽い、とにかく軽い」というのは塾関係者との会話でよく聞きます。
成績の良い他人のやっている勉強がベストなわけでなく、自分との相性が良い勉強がベストです。