- 2016年12月12日
前回のブログで、算数は好不調の波が大きいと書きました。
そして、国語も波が大きいと書きました。
イメージ的には伝わると思いますが、その理由を書いていませんでした。
今回はそのあたりを具体的に書きます。
算数は問題文にいろいろな条件があります。
その条件を正しい順序で使っていくことが大切です。
スランプ状態だと、
1つの条件(1つ目であることが多い)にこだわりすぎて、多角的に考えられません。
堂々巡りというか、考えているようで、同じことしかしていないかもしれません。
やっては跳ね返されてやっては跳ね返される。
国語の場合はとりあえず答えを書いてしまうとか、答えを選んでしまうというように、スランプでも答案をうめられますが、
算数の場合はよほどいい加減な人以外は答案をうめられません。
好調なときは、いくつかの条件から自然と正しい条件を使ったり、この条件からこれが分かるとすんなり進みますが、
不調のときは、最初に使えるわけがない条件に執着してしまいます。
これが学力と言ってしまえば元も子もありませんが、好調のときと不調なときで、どうして条件の使い方に差が出るのかは分かりません。
余裕がないから視野が狭いとしか言いようがありません。
ここで1つ問題を書きます。かなりの簡略型です。
- 商品Aは原価200円、2割5分増しの定価をつける
- 商品Bは原価240円、2割5分増しの定価をつける
- A、B合わせて200個仕入れる
- 42200円の売り上げになったところで、A、Bが同数残っていたので、1個ずつのセットを500円で売る
- 全部売れたときの利益は9760円
- 仕入れた個数は、A□個、B□個
ちなみにこの書き方は昔のというか伝説のサピックスの黒板授業と同一のものです。
いまのサピックスで黒板授業を行っている講師はとても少ないかもしれません。
この書き方の利点は条件を見つけやすいことにあります。
単元の導入にも最適ですが、スランプのときもこういう書き方をされていると考えやすくなるのではないでしょうか?
とは言え、この問題は難問です。
条件が多いということもありますし、どこから手をつけていいか分かりにくいです。
スランプのときは、42200円と9760円を交互に見るだけで、頭の中がグルグルしてしまうかもしれません。
500円のインパクトが強いので、それが何セット売れたか知りたくて、
9760円のときの売り上げを求めるのに必死になるかもしれません。
これを多角的に考えていきます。
分からないことは無理をしないという姿勢が大切です。
分かっていることは、
①原価が200円と240円
②いずれも2割5分増し
③定価はちょっと計算して250円と300円
④200個仕入れる
⑤途中で売り上げ42200円
⑥残りはAB1個ずつで500円
⑦最終的の利益は9760円
これを組み合わせます。
組み合わせられるものは1通りだけです。
①、②、③あたりだけで組み合わせても意味がないので、⑤、⑦と何かを組み合わせることを考えます。
「②と⑦」や、「③と④と⑤」を組み合わせたくなるかもしれませんが、そうではありません。
つまずいたら組み合わせ方を変えればいいだけのことです。
固執はダメです。
正しい組み合わせ方は②と⑤です。
この組み合わせは良問且つ難問です。
好調で落ち着いて考えられても難しいかもしれません。
そうしたら、42200÷(割る)1.25=33760円としますが、この33760円は使い物になりません。
33760円と同時に出てくるのは、42200-33760=8440円というここまでの利益です。(売れ残りの原価分は除外してます)
これを使います。
いまから1セットについて利益は、500-(200+240)=60円ずつ増していき、
このあと、利益は、9760-8440=1320円伸びます
1320÷(割る)60=22セット……
と続きます。
このあとはもうレールが敷かれているはずですので、電車のように進んでいくだけです。
条件が多い問題、少ない問題の分類がされた問題集はないと思いますが(ゆくゆくはつくりたいと思っています)
好調なときは、条件が多めの問題を取り組み、
不調なときは条件が少なめの問題を取り組むと良いと思います。
今回はブログ用の解説でしたが、算数教材塾・探求では、比較的、このような語りを意識した解説にしています。
どうしてそうするのか、どこがポイントなのかを伝えなくては、学力アップになりません。
後追いでなぞって無理矢理、理解するのではなく、
これを糸口にすれば解けるんだ!!
そういう感動が生まれる解説を書きたいと常に思っております。
算数テクニックのマニアックなブログでしたが、こういうブログを書くことの方が得意ですので、このようなブログもどんどん書いていきたいと思います。