対話式算数・基礎編「第5話:和差算」

小学3年生や4年生を対象とした対話式算数・基礎編です。

2022年5月にスタートしました。

自転車操業的ではありますが、日々、執筆しています。

第5話から文章題です。

和差算です。

和差算といえば、線分図です。

小4対話式算数は、2022年版より線分図の扱いを軽くして、□を使って解く解き方と併記するようにしています。

中学受験の伝統にとらわれず、線分図は、講師がかいて、生徒はそれを見て理解しイメージして納得するためのツールで、自分自身が解くためにかくものではないという方針にシフトチェンジしていますが、それを具現化しました。

線分図と□の解法を両方載せることで、見るのは線分図、解くときは□と使い分けることができると考えています。

 

ところが、この対話式算数・基礎編は、作業することでイメージを湧かしていくことが目的ですので、「□を使ったら簡単に解けました!」というのは目指していません。

実感しながら解いて、イメージを湧かして、算数の土台を作りたいと思っています。

したがいまして、線分図をかいてもらいます。

大きい方が長い、小さい方が短いというように、大小を感じながら線をかき、「長い線は短い線と同じ長さにそろえたいから、切る!」ということで、そろえることを実感し、そろえたら2で割って1本の長さを求めるというように、常に、自分で何を目的に、何をしているかを実感しながら行動することができる教材です。

 

5・1

まず、5・1は和差算をあてはめで答えを探します。

算数は計算で求めるものではなく、求めたいものがあり、そのために計算した方が楽に求められるなら、計算を利用するのです。

義務ではなく、選択です。

本編で書きましたが、計算は乗り物のようなものです。

目的地が決まっていないときは、乗り物に乗れないということです。

正直に申し上げまして、小学校の算数指導のレベルが低すぎて、算数は計算で解くものと思い込んでいる子が多いです。

計算式が必要なのは数学で、式は共通言語で、他人に過程を証明するためのもの、もしくは自分で考えた過程を記録するものです。

算数は計算式が必要だとは思いません。

よく、1辺が4㎝の正方形の面積を4×4=16㎠と書く子がいますが、本当にその式必要?といつも思ってしまいます。

「正16㎠」とだけ記録すれば十分です。

正方形ではなく、台形であっても暗算でできると思います。

不要なものを書かずに、必要なものだけ書いた方が、すっきりし、考えやすくなります。

少々話が長くなりましたが、算数ではあてはめて答えを求める問題が度々あります。

そういう問題の正解率はとても低いです。

理由は計算式では解けないからです。

いかに柔軟な正しい姿になっていないかが分かります。

文章題の第1回目の和差算の第1問目は、この教材が重視しているあてはめ問題にしました。

 

5・2

和差算を線分図で解きます。

ちょっと練習不足かなと思われましたら、どんどん問題を自作して練習してください。

線分図の大きさは、長い方は7㎝くらい、短い方は4㎝くらいが適切サイズだと思います。

2本の線の間隔は2㎝くらいです。

問題の設定にかかわらず、いつも同じサイズでかきます。

こういうことはどうでもいいことではなくて、常に適切サイズでかくことが大切です。

慣れるまでは短い方に揃えると良いと思います。

計算は暗算で良いですが、線分図に記録は残すようにしましょう。

図を描く目的の半分は、記録を残すツールにするためだと思っています。

 

5・3

5・1と5・2は和と差が書いてある、まさに和差算でしたが、今度は一般的な和差算です。

ここは和と差が分かればスムーズに進むと思います。

 

5・4

難度の高い3数の和差算です。

どれが1番短くて、どれが1番長いか確認してから線をかきます。

長さの差は、長い方に書き入れます。

短い線に合わせて、縦線をひき、それより右の長い部分を切り落とします。

そのときの合計を求めます。

この手順を守って書く練習をしましょう。

どこかを意識して練習をするか、ただ練習をするだけでは、学習効果は雲泥の差があります。

どうせやるなら、正しく意識して練習した方がいいと思います。

 

5・5

これはおまけみたいな問題です。

算数のひっかけ問題のいろいろなパターンを知るというテーマです。

 

興味がございましたら、こちらにどうぞ

この教材の目的は、小4から始まる通塾の前に、解くとき(書くとき)に何を意識すればいいかという基礎を固めるための教材です。
覚える算数になりにくい教材ですので、「うちの子、文系かな?」と思われる方に最も使って欲しいです。
ご検討の程、よろしくお願いいたします。
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