- 2016年12月14日
失速という言葉はとても辛いと思います。
その失速の不安の中で、受験勉強を進められていると思います。
よく、塾に入ってから半年後の成績が最終的な成績とほぼ同じと言われます。
これは4年生以降に入塾したらの話で、小学1~3年生のときから通塾していたら、入塾後半年ではなく、新4年生の開始半年後の4年生の夏くらいに判明するということです。
なぜ、そのように言われるかと言いますと、4年生から学習内容が本格化するからです。
3年生までは、ちょっと勉強すれば上に行けますが、4年生からはそうは行かなくなり、力のある子が上に行くからという論理です。
力がある子が最終的にそのまま上にいて、難関校を合格していくということをいっているのだと思います。
それに関しては100%その通りとは言えませんが、統計的には外れてはいません。
「難関校に合格できる」→「4年生夏に上位にいる」
「ということは、4年生夏に上位にいれば、難関校に合格できる」と考えたら怖いです。
では、失速について考えます。
- 成績上位者の失速はあり得ます。
- 成績中位者の失速はあまりないです。
2に対して1が多いということや、せっかく上位にいたのにということから1がクローズアップされると思います。
1と2について、それぞれ見ていきます。
1は、多くの人が分かっていることだと思いますが、模擬試験の正答率の低い問題を取れないと危険です。
スカイプ指導やメールのやりとりで、正答率の高い問題が間違えますと、よく出てきますが、それが本心ではいけないと思います。
「正答率の低い問題を取れていれば安心」
このように考えたいです。
正答率10%未満の問題は半分くらい出来る、正答率10%台の問題は8割くらいできるという状態が良いと思います。
正答率の高い問題がぽろぽろ間違えるという子は、6年生の4月頃から、その対策を練っていけば良いと思います。
繰り返し書きますが、大切なことは、正答率の低い問題です。
正答率の低い問題が現在できていないということは、その対策は、そのレベルの問題の練習が足りないか、瀬藤率が50%のくらいの問題を覚える算数で解いているかのどちらかです。
前者は練習あるのみです。
塾の宿題だけでは、その練習が不足する場合は,ちょっと背伸びをするレベルの教材が必要です。
後者は、問題を解く比重を下げ、「お子様が説明する」「適宜、細かいところを聞いてみる」「解き方の流れを言葉で書く」「式の少ない書物の解説(対話式算数など)をよく読む」あたりが有効だと思います。
適宜、細かいところを聞くのは、聞き手にスキルが必要だと思います。
「そんなことは気にしなくていい」という部分と、「そこはかなり大事」という部分の見極めが必要だからです。
成績分布を見ましたら、中堅はたくさんいて、その中に、学習の質が高く、潜在的な能力を持っているけど、点数の取り方が下手で、中堅にとどまっている子もいます。
成績上位者が失速すると、そういう子に抜かれます。
誰にも負けない成績を取ることを目的とせずに、誰にも負けない学習の質を目的とすると良いと思います。
2は、失速の心配よりは、成績を上げていくことを考えたいです。
結局のところは、正答率が低めの問題を正解にすることですが、1の場合は、正答率10%あたりの問題に注視しましたが、現在、偏差値50ならば正答率30%くらいの問題がポイントです。
その問題を取るためには、そういうレベルの問題を解いていけばできるようになる子もいますが、そうはなかなか行きません。
もしそれが可能ならば、みんな、そうなっています。
問題を解いて活路を見いだすよりも、「どうしてそうするのか?」ということに目を向けて、そこを考え抜く学習の方が効果的です。
つまりお子様1人の学習では難しいです。
対話式算数をもとに、親子でどうしてそうしているのかをよく考え、討論し、結論づけていく姿勢が良いと思います。
仮にその結論が間違っていても良いのです(頻度によりますが)。
「どうして?」の意識が備わるかが大切です。
問題を解くというのは実戦です。
実戦練習をやれる段階に達していないのに、たくさん実戦練習をやることは、学習の質が低く力はつきません。
多くの子が成績が伸びないというのは、学習の質が高くないからです。
地頭ではなく、学習の質の問題と意識を向けると良いと思います。