- 2021年7月12日
このようなカテゴリーのブログを度々書いていますが、いつも同じ内容ということではありません。
スカイプ指導を通じて、いままでと考え方が変わったりするからです。
教材は、算数を体系的に学んで基本骨格をつくる目的のものでしたら、良いものができたら改訂なしで行けると思いますが、学習相談の回答とか、最新入試に向けての教材は、生き物のように変わっていかないといけないと思います。
ベテラン講師にありがちですが、昔と同じスタイルでずっと行こうとは微塵も考えていません。
まず、4年生の通塾のメリットしては以下のものがよく挙げられます。
- 一人で勉強はできない
- 立ち位置がわかる
- 塾はペースメーカーになる
- 4年生からでしか入塾できない
こんなところだと思います
どれも納得の理由ですが、重要なのは4番のみです。
アクセスがとても良い塾が、4年生からでしか入れないというのならば、入るしかありません。
中学高校もそうですが、家から通いやすいというのは、とても重要だと個人的に思っています。
しかし、4番以外は、大きな問題はないと思います。
1番は、一人のときは勉強しないけど、集団になると生き生きと輝いて、率先となって学習に取り組む生徒さんはそれに当てはまりますが、そういう生徒さんは少ないです。
大抵は、家で勉強に興味がない生徒さんは、塾でもダメです。
家で勉強に興味を示さないのに、外に出たら、いきなり勉強に興味津々なんてことはありません。
家ではダメな姿が目に映り、塾に行くとどういう姿か分からないため、精神安定的に良いというレベルならばよくありそうですが、そのために塾が価値があるとは、私は思いません。
通塾を遅らせて、後で挽回すれば、それで問題が無いと思います。
2番は、仮に解き方の式だけを覚えて正解にする勉強で良い成績を取っていたら、それを立ち位置と捉えていいのでしょうか?
3番は、家でカリキュラム通りに学習をすれば良いだけのことです。
塾は毎週カリキュラムが進んでいますが、それについて行っていなければ、ペースメーカーになっていません。
それに対してデメリットは深刻です。
- 理解する学習ではなく、解き方を覚える学習になる
- 雑な勉強が否定されない
- 諦めが早くなる
大人もそうかもしれませんが、子供は点数が正義です。
サッカーなどのスポーツのW杯の予選でよく言われますが、内容よりも結果が大事というものです。
受験勉強は、結果よりも内容が大事ですが、その境地に立てるのは受験後という方が多いような気がします。
考え方を身につけなければいけないのに、解き方を身につけて「できました!」となると、応用がききません。
でも、それで点数が取れたら、その学習姿勢に問題ありとなるでしょうか?
私は家庭教師で一人一人と向き合っている立場ですので、点数で煽る学習というのはとても大きな問題があると思っています。
2番も問題です。
塾は師匠に弟子入りというものではないので、解き方の指導、書き方の指導というものはありません。
宿題でノートを提出されても「書き方が悪い!」とダメ出しされないと思います。
塾はあくまでも営利企業で、人気商売なので、耳障りの悪いことはあまり言いません、
書き方の悪さは低学年のうちは容易に改善できますが、6年生ともなると、そのスタイルで固定してしまっているようで難しいです。
書き方が悪いから解けないという生徒さんがあまりにも多いです。
塾は書き方を指導をするところではありませんが、否定されるわけではないので、肯定されたことになってしまいます。
3番も問題です。
考える前に解説を聞くという習慣ができてしまいます。
私は貧乏性でゲームはしませんが、ゲームを最初にやるときに、いきなり課金して最短距離での到達を目指すのでしょうか?
その方が時間効率が良いとは思いますが、楽しくありません。
どんな面白いゲームだろう→もう十分魅力が伝わったから、あとはハイスコア目指して課金して活躍しよう
という流れだと思います。
勉強もその流れを作らないと、面白くないし、発想力がつきません。
塾の月1回のテストで、テキストと数値だけ違う問題が解けても価値がありません。
今までの知識を使って未知の問題に取り組んで答えまで出すことに価値があり、それが中学入試で求められています。
塾で悪い習慣がつき、家で、保護者、あるいは家庭教師がそれを修正するという姿をよく見ます。
塾は昔からそうだったわけではありません。
力のある講師が、顔の見える生徒さんを教えて、悪いところは親身になって指導をするという体制でした。
ところが、力のある講師の割合が減った、効率化を目指し、授業でしか関わらなくなった、熱い指導でも行き過ぎるとクレームがくる
このような要因で、いまの多くの塾は動画授業と大きく変わらないのではないでしょうか?
昔、サピックスの小さめな校舎で働いていたときに、全体研修で、役員の先生が「ほくろのある子ですよね」というように特徴を言えば、親は覚えてくれたことを喜ぶというようなことを言っていました。
小さな校舎ならば、身体的な特徴なんて当たり前すぎて、もっと学習の内面を掴まなければいけなかったのですが、大きな校舎はそれくらいで良いということでしょう。
さすがに6年生くらいになると、学習の状況は掴めていると思いますが、4・5年生の最上位以外の生徒さんは、塾からは、身体的特徴くらいしか把握されていないのではないでしょうか?
くり返しますが、いまの塾は、動画授業の役割にしかなっていません。
動画授業はだらしなく聞いていても叱られませんので、動画授業よりも上と言えば、間違いではありませんが、たったそれだけと思われるのではないでしょうか。
通塾のデメリットを考えて通塾無しで行くとしましたら、算国だけで良いですので、保護者様が付き添ってください。
解き方の書き方、省きすぎていないか、丁寧に問題を読む姿勢、題意をつかんでいるか等です。
塾ではこのようなフォローはしていませんので、こういうフォローがご家庭でできましたら、通塾よりも良い状態で4年生の一年間を過ごせると思います。
新6年生くらいでも、上記のことができていない生徒さんが多いです。
いままで誰にも注意されていないの?と思わないわけでもないですが、効率の悪い学習をしてきたんだろうと悲しくなる気持ちの方が強いです。
塾に通うことにしてもしなくても、メリットとデメリットはありますので、デメリットは工夫してゼロにしていく姿勢は大切です。