先日、「99%が絶対正しく、1%は少数だから扇動するな」というブログに対しての意見を書きましたが、私は、これをトラブルだと考えていません。
そもそも扇動しているつもりはまったくないので、ちゃんとした議論にはならないのですが、そういう意見に対しても、きちんと意見を書くことが大切だと思っています。
いろいろな意見をぶつけ合うことで、それを保護者様が見て、どちらの方向性に進むべきかを判断しやすくなる可能性があるからです。
算数教材塾・探求のブログで、大手塾と同じようなスタンダードな無難な意見だけを書いても、まるで価値がありません。
大手塾からはなかなか発信できないような意見を書いて、それを俎上に載せていただきたいと考えています。
例えば、テレビの討論番組などを見ていますと、自分の考えが、よりシャープになっていくことがありますが、それと同じ現象です。
意見には、絶対に正しいというものはないと思っていますので、異なる意見に触れていき、視野を広げることは大切だと思います。
ブログを書く内容を考えているときに、ふと、二科四科の選択入試が頭をよぎりました。
ブログの字数が多くなりすぎましたので、そのときは、その話題には触れませんでしたが、今回書きます。
具体例があった方が良いと思いますので、洗足学園中の話にします。
塾講師時代、私の担当した生徒さんは、なぜか洗足学園と相性が良く、3次試験にもかなりの確率で合格していきました。
実質倍率が恐ろしく低いのか?と思いましたが、そうではなく、生徒さんが合格点をクリアーしたからです。
スタンダードなシンプルな教材が洗足学園の入試傾向に合っていたと思います。
いきなり、話が営業っぽくなりましたが、洗足学園に背伸びをして合格を目指したい方は、ぜひ、洗足学園と相性の良い当教材をご検討ください。
洗足学園は、首都圏の難関校では絶滅危惧種といいたくなるほど激減した二科受験できる学校です。
二科で、合格者全体の80%くらいを選び、残りの20%は、二科で選ばれなかった受験生のうち四科の合計点の高い人を選ぶという方式です。
二科四科選択の入試はだいたいこういう方式だと思います。
当時、私と、ベテランの国語講師が横に並んで進路の面談をした際、国語講師が、洗足は、四科で受験すれば2回判定されるから有利と言いました。
衆議院議員の復活当選のような言い方でした。
よく覚えてはいないのですが、二科と四科で学習するのならどっちが有利ですか?という相談についての回答だったと思います。
洗足学園1次の今年の入試データを見ると、二科受験生は34名で、四科受験生は340名のようです。
奇しくもちょうど10倍です。
HPのデータでは分かりませんが、おそらく二科受験生の合格者は5人もいないでしょう。1人か2人の可能性もありますし、0人の可能性もあります。
1人でしたら、合格可能性は3%ということになります。
宝くじではないので、そんな率を書いても本当は意味が無いですが。
合格者は97名なので、四科受験生は95人くらいだと思います。
そうです。
二科受験生が1%で、四科受験生が99%ということになるのです。
1%と見て、このことを思い出したから、二科四科選択入試のブログを書こうと思ったのです。
やはり二科受験生は不利だと思いますでしょうか?
もし、私の隣に先輩の講師がいなければ、私は、二科受験と四科受験でどちらが有利かを聞かれましたら、理社がそれなりに強い生徒さんでなければ、「二科で80%に入れる学習をすること」が有利になる作戦と言います。
2回判定されることが有利だとは思いません。
2科判定で選ばれる人になることを目指すのみです。
仮にそれが2科受験で1%しか合格者がいなかったとしてもです。
強く記憶に残っている生徒さんがいまして、とても勉強をすることが苦手な子でしたが、センスが良く、四谷女子偏差値で、国58、算52、理社30台くらいでした。
算数もセンスはありましたが、勉強が苦手だったので典型題を覚えられず、本人が算数が苦手だと思い込んでいたので、スポイルされた状態でした。
国語のベテラン講師は四科の総合偏差値が低いことでかなり心配していましたが、無事、洗足学園に合格しました。
仮に、その子が理社を辞めたいと言ってきましたら、私はどうぞどうぞと諸手を挙げて賛成したと思います。
受験後に、保護者様から、理社があれでも本当に受かるんですねと驚かれました。
つまり1%に属していようが、決められたルールの中で、基準を上回れば、成功するということです。
二科の学校だけで、受験機会が4つ以上設定することができましたら、理社が苦手ならば、二科受験でも全く問題が無いと思います。
バリエーションに富んだ学習をした方がリズムに乗りやすい、中学に行ったときのために、少しでも理社を学習しておきたいという理由での4科の学習でも良いです。
選抜機会が2回あるからとか、合格している人の99%が四科受験とか、二科受験者の合格率3%だろうと関係がありません。
その受験生が合格ラインを超えるかどうかです。
これで終了しても良いですが、最後に、どうして東大合格者を10名近くも出す洗足学園が二科受験を辞めないかについて触れたいと思います。
学校側の説明と、私の予測です。
- 受験勉強にかける時間が短かったけど、ダイヤモンドの原石のような生徒を進学させたい
- 中学受験のときは幼くて理社まできちんと勉強できなかったけど、素質が十分高い
- 二科受験で進学した人は良い大学に入れる可能性が高い(短期間で算数を仕上げたわけなので)
- 四科の総合点の高い人は大抵二科の合計点も高いから、いまの選抜スタイルで問題点はない
- 他の学校が四科ばかりなので、際だった存在になれる(実質倍率3.9倍の人気の理由の1つだと思います)
このようなところだと思います。
塾で二科にした方が良いですか?と聞くと、いまはそういう時代ではないと笑われると思います。
良く効く薬は、副作用も怖いけれど、ピッタリ合う場合は、効能があります。
市販の普通の薬は、副作用も無いけど、大して効きません。
塾へ質問する場合は、後者に近いような気がします。
いろいろ分析し、いろいろな受験関係者の話を聞いて、複数の意見があったとしたら、保護者様が判断するというスタイルで行くと良いと思います。