社会科講師の視点でお薦めする夏休みに行くべきところ

もう4年も前のことになりますが、2014年から新塾をつくろうと企てて2013年頃からいろいろ計画を練って動いていました。

大手塾だけではなく小さな塾も夏休みに合宿に行くところがあります。

利益が大きいのかもしれません。

大手塾でスタッフが多くて、そっちの方に全力集中できるくらいの人数をかけられる余裕のあるところは良いですが、そうでない塾は、普段の仕事を蔑ろにして合宿の準備をしているはずなので、私は合宿をする塾はちょっとズレているのではと思っています。

合宿は、内部にいないと分からないと思いますがとても気を遣いますので、中途半端にやるよりはやらない方がトータルで考えるとプラスだということです。

その代わりというわけではありませんが、新塾をつくったときには、夏休みは、塾のスタッフと塾生とその保護者で社会科見学や理科体験学習を実現させたいと考えていました。

新塾開校会議(飲み会+α)でそういう話もしていました。

先日に書いたブログで、そのことを思い出し、タッグを組む予定だった社会の講師に良い提案があったら教えて欲しいと頼んでみました。

すぐにコメントを書いてもらえ、1ブログのコメントではもったいない内容でしたので、今回はそれを引用(!?)してのブログとしたいと思います。

 

さて「出かける」と言うと、「世界遺産」「京都・奈良」「名所旧跡」「観光名所」と発想する人が多いと思いますが、実のところ、そういったところについての情報は、画像等も溢れ、都会の家にいても情報を得ることができると思います。

また「旅行にたくさん行った生徒ほど社会科ができる」わけでもありません。

個人的に「休みを利用して、ぜひ体感してほしい」のは次のような場所。

私も含め、素人にはガツンと頭を殴られたような一言ですね(笑)

 

①「工場」…(製鉄所、石油化学コンビナート、自動車組み立て工場、せんい関係の工場…など。)とにかく「工業」というのが恐ろしく身近ではありません。

下手すれば農業よりも身近ではない。

製鉄所のあの広さ、ぜひ体感してほしいですね。

写真ではわからない。

見学の申し込みを行っているところが多いです。

ぜひ調べてみてください。

溶鉱炉のあの巨大さ、真っ赤な色、見ないと実感できないです。

こちらのブログの読者様は全国各地にいらっしゃるでしょうが、工場なら、わりかし身近なところにあると思いますね。

工場は良いですね。

私も比較的近所の浜岡原発に行ったときは、これは社会の学習になると強く思いました。

ビール工場に見学したときは、その後の試飲のことで頭がいっぱいで、あまり中学入試とは繋がりませんでした(笑)

 

②「公的施設」…(郵便局、選挙の投票、市役所、大使館、パスポート受け取り)このあたりは、盲点ですが、とにかく「具体的イメージを持っておきたいところ」をピックアップしてみました。

今年の聖光学院は「切手に関する常識問題」がこれでもかと出題されていましたが、ま、切手の貼り方(舐める)すら知りませんでしたね。

選挙、もしあったらぜひ連れていってほしい。

公的施設は具体的イメージに結びついていないですね。

明日、東京都議選ですね。

2月1日の入試のときに、気合いを入れるために見学するよりも、選挙の見学に行った方が余程効果があると思います。

 

③商業施設…(スーパー、デパート、コンビニ)1日かけて、売っているものの種類、印象、立地条件、いろいろ比較してみましょう。

また、スーパーでは、ぜひ食料品売り場に。産地を確認しつつ、値段を確認するのも良いでしょう。

慶応普通部が「次の組み合わせのうち、適正物価はどれか」というのを出していましたね。

買い物は、算数でもとても有効です。

だいたいいくらくらいになるという量感は算数のセンスアップになります。

社会科で考えても、どういうタイミングで値引きしたり、値引きの狙いや価格の設定を考えることで、洞察力が上がりますし、地域による価格の違いなどに注目しても良いでしょう。

 

夏休みに勉強をサボっている状態で買い物に行くとしたら、買い物に行くよりも勉強!と思いがちですが、買い物を通じて社会勉強!ととらえて、机上の勉強とは異なる勉強というように独立して考えると、正しく向き合えると思います。

よく、夏はプールに行く子が多いと思いますが、中学受験を視野に入れるのならば、プールはほどほどにして買い物やお祭りや自然を求めて出掛けた方が良いと思います。

自分が楽しむというだけでは中学受験では物足りず、他人との関係、社会との関係をつかむことを目標にすると良いと思います。

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