- 2017年4月22日
「入試が終わったら、そのテストは振り返るな!」
塾講師が鉄則のように使う言葉です。
理由は、×が多いと落ち込むからです。
間違え直しなどしないで、
「大丈夫、大丈夫、受かっている、受かっている、……」
こういう声をかけ続けることによって、自信が生まれ、テストで力を発揮できるということです。
テストとテストの間の学習は、知識系の確認、算数は易しめの復習が良いとされ、休養をしっかりとることが良いとされています。
休養は確かに必要ですが、励ます言葉かけ続けることで自信が生まれてくるのでしょうか?
小学生低学年であればそれで良いと思いますが、中学受験生はそんなに単純ではないと思います。
入試が終わった後、「脈有り」、「微妙」、「脈無し」のどれかを知ることがそれほど悪いことだと思いません。
いくつかの学校以外は当日か翌日には結果が分かりますので、その部分をデリケートに考えることはないと思います。
むしろ、脈無しと認識して、次の日に取り返す姿勢で入試に挑んだ方が上手く行くような気がします。
私の個人的な見解では、算数は間違い直しをしない方がいい(理社はやっても良いと思います)と思いますが、
解説は有効だと思っています。
単純に「次は受かる」と連呼するよりも、解説をして、受験生の答案を見て、
こういう状態だから、1時間くらいこういう勉強をしたらどうかな?
とアドバイスした方がはるかにプラスだと思います。
とは言え、塾講師時代に、その方針通りに解説をしていったわけではありません。
なんせ、鉄則は「振り返るな!」ですので。
解説をしたことによるトラブルは避けないといけないので、ご希望のある場合のみ解説をしていました。
いままで教えてきた生徒さんで、解説して欲しいというリクエストをいただいていたのに解説中に泣き出してしまった子が1人だけいました。
確率はおそらく2%以下です。
しかし、いくつかの言葉をかけて、気分が回復しました。
尾を引きませんでした。
つまり、解説をして失敗したという経験がありません。
誰でもテスト後にその問題を振り返って解説を聴いた方がいいかというと、そうではありません。
まず、間違い直しをするメリットとデメリットを認識した方が良いです。
メリットは、些細なところで間違えていたことが分かると、もう少しで合格で惜しかったという意識が芽生えます。
この意識は次のテストで有効です。
できなかった問題の類題がたまたま次のテストに出る可能性もあります。
特に理社の時事問題系はその率が高まります。
あのときしっかり覚えておけば良かったと後悔するとマイナスです。
デメリットは、理解するのに時間がかかったり理解できなかったりするようだと、焦りが生じ、自信がなくなる恐れがあります。
冒頭の塾講師は、これを恐れています。
デメリットがないように、間違い直しをしたり解説を聴けばプラスになるというのが私の意見です。
教え手が意識して「惜しかった」「もう一歩だった」という言葉を連呼することにより、
生徒さんが、合格まであと一歩だったと感じることができれば儲けものです。
それができないならば、振り返らない方がいいかもしれません。
何年か前に、ある受験生の保護者様に、「2月になって、こんなに良い先生だと初めて分かった」と言われたことがあります。
いままで嫌われていたのか褒められたのか貶されたのか、嬉しさのあまり冗談がきつくなったのか、よく分かりませんが、
入試期間中に「褒める」「そーっとしておく」という触れない選択ではなく、
攻めの姿勢で接したことを評価していただいたのは間違いありません。
前述しましたが、受験生ひとりで間違い直しをするのはリスクがありますので、避けた方がいいと思います。
保護者様が教えられる、家庭教師、個別指導、気の利いた塾講師に見てもらえる環境ならば、入試を振り返った方がプラスだと思います。
セオリー通りではなく、攻めの姿勢で行った方が合格を勝ち取りやすくなると思います。
セオリーは人それぞれで異なると捉えた方がいいと思います。