- 2017年8月24日
唐突に書くのもなんですが、
算数教材塾・探求は、とにかく教材を売って儲けをあげたいとは考えていません。
本当です。
もちろんボランティアではありません。
月並みなセリフですが、一人でも多くの生徒さんの学力向上のために教材を作り、販売しています。
学力向上の対価として売り上げが上がるというWin-Winの関係を目指しています。
今年までは、あくまでも自宅学習生メインで、通塾生も上手く利用すれば効果があるということを丁寧に説明し、
ご購入いただいていました。
来年もそれは変わりありませんが、
来年からは「4年生の間は自宅学習がベストで5年生から通塾か自宅かを選択する」という方針を立てました。
理由は、それで上手くいっている生徒さんが多いからです。
最も学力を上げるためにはどうすれば良いかと考えていったら、そのパターンを選んだというわけです。
ここのところ、それをブログに書く機会が増えていますが、小学4年生の授業を受ける力というのは本当に低いものです。
授業見学できる塾ならば「これで良いのかな?」と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
参加型の生徒さんならば、楽しく振る舞って充実すると思いますが、授業で吸収できているものはそれほど多くないと思います。
どうしてなのかを考えてみました。
もしかしたら、日本語にその原因があるのかもしれません。
日本語は「行間を読む」とか「流れをつかんで理解する」というような曖昧な言語だと思います。
「こう言えば普通は伝わるでしょ?」とか、「こういうことを言ってるよね?」などです。
例えば、算数の問題で「6人で分けた」とあると、みんな平等に取ったと理解すると思いますが、
そうでないかもしれません。
日常生活でも「僕それいらない」という人もいるはずです。
正しく書くならば、「6人でみんな同じ個数に分けた」と書かなくてはなりません。
仕事算の場合はもっと顕著です。
「10日間で終わった」とあると、10日間ギッシリ働いて終わったと理解しますが、
毎日、仕事のはかどり方が異なったり、最終日は10分程度で終わったかもしれません。
正しく書くならば、「10日間、毎日同じ仕事量で仕事をして終わった」と書かなくてはなりません。
正しく書くことを心がけていくと、とても分かりにくい文章になりますので、自然と省略しています。
それを読み取るときは、ある程度、算数の常識というもので理解していく必要があります。
曖昧な文章だけど、常識で正しく理解するというわけです。
それと同じような話で、教材の解説を書くときも詳しく書けば良いわけではありません。
「詳しい=分かりやすい」ではありません。
算数教材塾・探求の解説を「詳しい」と褒めてくださる方もいますが、
「分かりやすいのに奥深い」といってもらう方が嬉しいさがこみ上げてきます。
詳しさもほどほどにしないといけないのです。
授業でもそれがあてはまります。
懇切丁寧に解説すると、多くの生徒さんが寝てしまうことでしょう。
くどい授業は聴いていて苦痛ですが、学力向上には本当は必要です。
でも、本当は必要だからといって、生徒さんがついてこられないならば本末転倒なので、
ある程度リズムよく流れていき心地良い楽しい授業が良しとされています。
要所は丁寧にゆっくり説明したとしても、要所以外でつまずく生徒さんもいるはずです。
生徒さんにとっては、講師が省略しているところも上手く理解できないとついて行きにくくなるわけです。
リズムに乗って楽しんでいるけど、省略した部分が正しく入っていかずに理解が浅かったりする生徒さんもいます。
なんとなく分かったけど、よくよく考えると、どうしてこうするのか分からないという状態になります。
インターエデュで「どうして仕事算で全体を1にするかが分からずにつまずいた」と書いてあるのを見たことがありますが、
同じような話だと思います。
講師から授業で説明を聞いて奥深く理解することは難しいです。
これは家庭教師でも個別指導でも同じです。
家庭教師をやっていますと、生徒さんに合わせます。
こんなに詳しく説明したら混乱するだろうなと思ったときは省きます。
「とにかく式を覚えよう」というのは本意ではありませんが、
お子様の状況によっては、そういう言い方をするときもあります。
対面で、いまこの瞬間にできる最高の指導をしようとすると、理想とは異なる場合があります。
ゆっくり書物を読んで、理解できるまで粘り強く取り組めるお子様ならば、
対面の授業よりも、書物の方がはるかに理解度が高まります。
一字一句しっかり目を通し、分からないところはどうしてそうなるのかな?
というような取り組みができれば、効果大ですし、基礎が固まります。
塾講師が5年生の授業をするときは、4年生の内容を忘れていることを前提で行います。
上のクラスならば、忘れている率は低いですが、下のクラスに行けば行くほどぐんぐん100%に近づきます。
それは、4年生のときに深く理解できていなかったからに他なりません。
4年生で受験勉強に興味津々のときは、どこでどのような学習をしても刺激があります。
そのような良い状態のときに、家で丁寧に勉強し、しっかり基礎を固めた方が良いはずです。
私が小学生の頃は5年生から通塾というのが定番のスタイルでした。
いまは入試問題が洗練されているので、さすがに4年生の間は勉強ゼロで良いとは思いませんが、
通塾の必要性までは感じません。
四谷大塚が天下の時代は5・6年生でしっかり勉強し、4年生はその前の準備段階という位置づけでした。
その青田買いのような形で、サピックスが4年生からスタートとしました。
いまは、その青田買いで、3年生から、そして2年生から、果ては1年生からとなっています。
1年生から受験勉強や通塾が必要なわけではありません。
4年生から通塾が悪いわけではありません。
どこで勉強しても同じなわけですので。
しかし、授業での吸収力は想像以上に低いとお考えになって、上手くフォローしていく姿勢が必要だと思います。
公式や解き方を深く理解し、どうしてこうなるのかという考えを養うことは集団授業では難しいと思います。