できる人は実は復習をあまりやっていない

塾講師で算数の担当者は、算数や数学が得意だったはずです。

と言いつつ、実は、文系学部出身の算数講師はかなりいます。

それはあまり問題ないので、うちの子の担当は、どこの学部なんだろうと心配する必要はありません。

 

文系学部出身の算数講師は、暗記の算数を推奨する傾向があり、

受け持ったクラスの生徒さんが深い思考ができなくなるという弊害があるかもしれませんが、

逆に、理系学部出身の算数講師が自分のワールドが強くマニアックな授業をして、

内容について行けないという問題もあります。

 

今回のブログは担当講師についてではありませんので、このあたりにしておきます。

何のために書いたのかと言いますと、

算数や数学が得意だった人は、実は学生時代、それほど家で復習をしていないはずです。

算数が得意な人は、新しい問題を嬉々として解いて、解きながら、いままでの復習も固めていくと思います。

そんな経験をしてきた講師が、どうして、担当の生徒さんに復習を勧めるのでしょうか?

 

「自分は算数が得意だったから復習はあまりしなかったけど、普通の人はきっと復習が良いと思います」

 

こういう予測のもとだと思います。

もちろん間違っていないと思います。

算数教材塾・探求でも復習は推奨しています。

しかし、算数が得意な人は復習しなくても成績が良かったように、復習することがマストではないのです。

算数のスキルによって、段階を分けてみます。

 

  1. 算数が得意だから復習しないで新しい問題を解く
  2. 教わったことの類題を解く(捻りや応用もやる)
  3. 教わったことの数値替えを解く(難しい問題もやる)
  4. 教わったことの類題を解く(捻りや応用は触れない)
  5. 教わったことの数値替えを解く(難しい問題はやらない)

 

そして、2~5に関しては

  • 教わった直後に解く
  • 教わってからしばらくしてから解く

 

この組み合わせで、様々なスキルのお子様にピッタリな復習が見つかると思います。

ベストは復習をしないで新しい問題を解くことです。

それができないから、2や3にしたり、あるいは4や5にするのです。

また、一般的には、忘却曲線などといって、教わった直後に解いた方が良いと言われていますが、

これもベストは、教わってから可能な限り時間を空けて解くことです。

 

話が変わりますが、先日、IT系の会社の営業の方から、

広告のあり方について、2時間以上セールストークを浴びせられ続けました。

最初の定価はどこに行った?というくらいの値引きを見せて、即断即決を迫ってくるわけです。

 

「返事できるまで2週間は要する」というこちらの希望を受け入れられないのであれば、

他の業者に相談するということで、商談中断となったわけですが、

聴いていると、よだれの出そうな美味しい話ばかりで夢心地の気分になるわけです。

 

ところが2日ほど立って冷静になると、あの広告では、

いまの算数教材塾・探求のプラスにならない気がしてきました。

その手の広告が時代の流れということであれば、

それにそくしたシステムを取り入れつつ、広告を並行していくように変えていかないといけないと思いました。

冷静になればあたりまえのことですが、セールストークを聞き続けていると、そういう思考や判断ができないのです。

 

なんとなく塾の授業もこれに近いのかと思いました。

算数講師が工夫して、分かりやすい雰囲気を醸して授業を進めていきます。

授業を受けていると、たいして分かっていないのに、分かった気になってしまいます。

一種の洗脳だと思います。

ところが家に帰って、教わった問題を解いてみると、解けないのです。

 

塾講師はそういうときに、「理解することと解くことは違う」と言います。

それは、正しくは「教わってもしっかり理解できていない」ということです。

まさか、塾講師が自分の首を絞めることを言うはずはないので、

多くの方が「理解することと解くことは違う」という言葉がインプットされていると思います。

 

前述の営業トークを経て、

「分かった気になって」、家で「忘れないうち」に、「なぞるように復習する」

という作業は逆効果なのでは?という気持ちが強くなっています。

そういった復習で順調にいっているのなら、そのスタイルが合っていると思うのですが、

そのスタイルが合っているという人は過半数もいないと思います。

 

では、どうするかというと、

「忘れかけた」ころに、「再度しっかり身につけるつもり」で取り組むということです。

完全に忘れてからでは効率が悪い場合があるので、

ちょうど良い頃合いを見計らってということになります。

そのときに、分かりやすい参考書があれば、そういう勉強は可能です。

 

難しい問題はすぐに忘れるから、できるだけ早く復習を!と考えられていた方は、

はっきり書きますと、オーバーワークだと思います。

そこまでしてオーバーワークを課しても、深く定着しなければやる意味がないと思います。

少々時間を空けても身についていることをしっかり固めるという姿勢が

急がば回れだと思います。

 

こういった逆説的な行動には副産物もあります。

例えば、家でお父さん(お母さん)に教わることができる子は、授業の聴き方が甘い場合があります。

それと同じように、家で忘れないうちに復習しようとしている子も、授業の聴き方が甘くなる可能性があります。

逆に言うと、復習しないなら、この授業で完璧に身につけようという姿勢が生まれます。

冒頭で書きました算数が得意な子はほとんどそういうタイプです。

復習みたいにつまらないことはしたくないから、授業で100%吸収して完結させるという姿勢です。

 

今回のブログは、一般的に言われているセオリーではありませんが、

復習がなによりも大事と思われている方は、少し視点を変えてみても良いと思います。

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