- 2017年1月20日
過激なタイトルにしました。
やや誤解を与えるタイトルかもしれません。
塾講師が口を濁す内容です。
最近見た某ブログで、実力派の講師は上位クラスを担当し、人気派の講師は下位クラスを担当すると良い
というようなものを見ました。
実力派とは「その科目に精通している」、「指導法に精通している」、「入試問題に精通している」
といったところです。
生徒さんの偏差値をどれくらい上げられるという精通ではありません。
人気派とは、これは文字通り人気のある講師です。
「保護者に人気がある講師」、「生徒さんに人気がある講師」
生徒さんに人気がある講師の中にも、「男子生徒に人気がある講師」、「女子生徒に人気がある講師」、あるいは両方
などがあります。
塾は、「退塾はさせたくない」、「合格実績を華々しいものにしたい」という2点の目標があります。
退塾にもいろいろあって、主には、下の3つだと思います。
- 上位生が物足りないから辞める場合
- 下位生がついていけない場合
- 指導力など塾に不信がある場合
塾が最も嫌がるのは1つ目です。
口コミで最もダメージを受ける退塾理由です。
他は、口コミでそういうのがあったとしても、「自分の責任でしょ?」となりますが、
1つ目は塾の性格を決定づけます。
そういうことで、塾としては基本的に実力派講師を上のクラスに担当させます。
基本的にと書いたのは、中小の塾では人事権を持っている人の意向で、
あえて、実力派を目立たない位置に配置する場合があります。
実力派講師で上位クラスを固めたら、残っている講師を他のクラスに配置します。
中堅クラスは表立って不満を露わにしない
下位クラスは講師がひどければ辞める
こういう性質がありますので、人気のある講師を下位クラスに配置し、
残った講師を中堅クラスに配置します。
言い方を換えると、上位クラスは教科のおもしろさを伝えられる講師
下位クラスは塾のおもしろさを伝えられる講師となります。
上位クラスの講師の中には、塾のおもしろさを伝えられる講師もいます。
中堅クラスは、経験の浅い講師か、上位にも下位にも配置できない講師です。
以上は塾サイドの考え方を書いたものです。
消費者にあたる、生徒さんで考えてみます。
塾に行く目的は、学力を上げることです。
時間を拘束してもらう(楽しさを味わう)ところではありません。
上位クラスは、その教科のおもしろさを伝えてくれるので、
あとは生徒さん次第です。
興味を持ったりテストで良い点数を取るためにしっかり勉強すれば、塾に通う価値があったということになります。
それに対して、中堅クラスの講師、下位クラスの講師は生徒さんの学力を上げてくれるのでしょうか?
中堅クラスや下位クラスでは、興味を持たせるだけでは学力は伸びません。
テストの点数で煽っても効果が低いです。
よく、どこで躓いているか分からないから優秀な講師に教わってもダメと聞きますが、
それは次元が違います。
どうやって教えたら躓かずにシンプルに理解できるかということを考えて教えるのが講師の仕事なので、
それをはき違えていなければ、優秀な人ほど良いと思います。
しかし、現実的には、教え方を工夫しない講師が多すぎます。
工夫しているけど、ピントがズレているという場合もあります。
分かりやすく教えられないから、生徒さんが理解できないということが多いような気がします。
私は塾講師時代、「生徒ができないから」と言う講師とは業務連絡以上の会話はしませんでした。
「俺の授業で分かってくれないなら仕方ない」
こう考えている講師はかなり多いです。
人気の有無は関係ありません。
教え方の工夫を続けているかどうかの問題です。
どう教えたら、理解できるかというのは塾講師の永遠の課題です。
「理解できない生徒だから…」と思ったら、それで進歩は終わりです。
話を戻しますが、上位クラスを担当する実力派は、科目の面白さを伝えられますが、
生徒さんの学力をつけられるとは限りません。
生徒さんが自発的に学力を高める学習をしているというわけです。
それができなければ、クラスが下がり上位にいられませんので。
その意味では講師の力量はあまり関係が無く、刺激のある授業をしてくれればそれで十分というわけです。
下位クラスを担当する人気派は生徒さんの学力をつけられるかどうかは分かりません。
でも生徒さんが自発的に学力を高めていくことは難しいので、
塾講師に期待するしかありません。
その期待に応えられる講師かどうかということが重要です。
上位クラスの比ではないくらい講師の力量が重要です。
人格者だったり、人気があった方が良いことは確かですが、教える力が重要です
- 分かりやすい解き方をしている
- 速さや図形の問題で真似したくなる図をかいて説明できる
- 生徒さんの理解するスピードに合わせて授業を進める
- しつこく確認テストをする
- 解き方の矯正をしてくれる
このあたりが大切だと思いますが、ご家庭でも十分に教える力を測れるのではないでしょうか?
ブログのタイトルをサラッと見ると、上位クラスは良い講師で下位クラスの講師はダメと捉えられそうですが、
中堅クラス、下位クラスは講師の影響力はとても大きく、
学力を上げてくれる講師なのかを厳しい目で見た方が良いということです。