- 2023年5月18日
土曜日の夕方にクルマで近所を走っているとき、ドミノピザの前を通りました。
用があったわけではなく、通り過ぎただけです。
何気なく店内をのぞいてみると、レジ前で行列ができていました。
かなり人気があるのでしょう。
宅配ではなくて店舗に行った場合、1枚買ったら2枚目無料というのがウケているのでしょう。
2枚ということは子どものいるご家庭の夕食用でしょう。
他人の食卓がどうであろうが関係ありませんが、
昭和を生きてきた人間としては、家族そろった夕食にピザ?
違和感がないと言ったら嘘になります。
ところが視点を変えてみると、もしかしたら子どもがそれを希望しているのかもしれません。
ポテトチップスを主食にする子までいるくらいですから。
子どもに「今晩は何を食べたい?」と聞いて、
「ピザ」と答えたからピザにした
そうかもしれません。
ピザを悪者にするわけではありませんが、
子どもは栄養バランスを考えて、「これを食べたい」と言っているわけではありません。
食べたいものを希望するだけです。
子どもの希望を聞きながら、栄養バランスを考えてメニューを決めるのが親の役目だと思います。
中学受験を目指すご家庭ならば、こんなことはきっと当たり前のことで、
「言われなくてもやっている」と思われていることでしょう。
しかし、これを塾選び、教材選びに当てはめると、
案外、お子様の希望通りにしているご家庭もあるのではないでしょうか?
塾選びの際に、A塾とB塾の体験授業に出てみて、
お子様が「A塾の方が良い」といって決定しているケースが多いような気がします。
「B塾は絶対やだ」と言ってA塾を選ぶのは良いと思いますが、
良い方を選ぶというのは、本当に最良の選択をしているとは限りません。
私が塾講師のころ、体験授業の生徒さんがいると、
その子に良い気分になってもらうことに注力しました。
そのクラスで授業を受けている生徒さんは呆れていたかもしれません。
表の顔と言ってはなんですが、学力を上げるための授業の厳しさは控えめにしました。
こう書くと幻滅されてしまうかもしれませんが、こんなことはどの講師もやっています。
体験成約率は講師の力量のひとつのバロメーターなので。
たびたびブログに書いていますが、塾選びは親の眼力でするべきだと思います。
これまた塾講師時代の話ですが、
入塾を検討している保護者との面談の際、とても塾を気に入ってくださり、
「決めました!」とおっしゃってくださりました。
「お子様はそれで大丈夫なのでしょうか?」と聞いてみると、
「私が気に入ったから大丈夫です」と自信満々の言葉が返ってきました。
そうじゃないといけないとまでは思いませんが、
塾選びの責任は親にあるという姿勢に好感を持てました。
入塾後も順調に伸びていった記憶があります。
教材選びも同じことが言えますが、場合によっては少し異なります。
それは教材は授業以上に相性があると思うからです。
塾選びは、保護者が「この塾に決めた」で良いと思いますが、
教材選びはさすがにそれはよくありません。
とは言いましても、お子様の「これが良い」の一言で決めるのではなく、
お子様が良いと思った教材が本当に良いか、改めて検討するべきだと思います。
お子様が、この教材のどこを気に入ったのかを分析することが大切です。
図があったりイラストがあると分かりやすいですが、
中身の薄い簡単なことばかり説明していれば、分かりやすいけれど力はつきません。
親の目で見ても本当に分かりやすいと実感しなければならないと思います。
書店の学参コーナーには「これやっても学力つかないんじゃない?」と思ってしまうものがかなりあります。
「売れたものが良いもの」というのがビジネスの基本だと思いますが、
教育の書物はそれではいけないと思います。
学力がつかない教材を具体的に2点書くと、問題の選択が悪い場合と解説が取扱説明書のようなマニュアルのように書かれている場合です。
問題の善し悪しは見分けにくいと思いますが、解説は中学受験をよく知らない保護者でも判断できます。
レイアウトが整った解説はパッと見ると好印象かもしれませんが、しっかり見ていくと、「こうやります」の連続で解き方の暗記の算数になっていると感じるものがあります。
こういうものは避けた方が良いと思います。
着眼点が優しい言葉でシンプルに書かれているものが良い教材のひとつのポイントです。
中学受験を成功に近づけるためには、
保護者様が、「最良の塾選びができる」、「最良の教材選びができる」という自信を持つことだと思います。
入試問題を解いたり、いろいろな情報を仕入れたりして、
そのような眼力をつけて欲しいと思います。