- 2016年1月26日
どうして模試は12月もあるの?
ここ数年は、6年生は1学期から模試が始まっていますが、まもなく終わりか、もう終わったかの時期になりました。
以前は模試は6年生9月からスタートで11月終了(四谷の12月は人数が激減していましたし)
という理にかなったスタイルでしたが、
営利企業が収益を上げるために、4月頃から12月までのロングスパンになっています。
はっきり言って受験生にとって全く意味のない模試代だけがかさんでいくシステムですが、
効果の有無で検討することはなく、
なんとなくお世話になっている塾でテストがあるから受けるという感じになっていると思います。
何ヶ月か前に、コメントで「なぜ家庭教師に対して厳しい意見なのですか?」
と質問されましたが、特に家庭教師を嫌っているわけではありません。
受験生にとってマイナスになるものを嫌っているだけです。
企業の収益アップは回り回っては受験生も享受するのかもしれませんが
それなら、単価を上げれば良いだけなのにと思ってしまいます。
そうすると割安感がなくなってという難しい話なのだと思いますが…
12月の模試の結果
個人的な見解は置いておいて、ラストの模試は、重要です。
正確に言うと違います。
ラストの模試は重要と意気込んで受験される受験生が多いことでしょう。
良い結果が出れば、これで行けると思い、自信満々で残りの期間を過ごせるというイメージです。
しかし、会心の出来!!成長の跡を実感するような出来!
こういう受験生はどれくらいいるのでしょうか?
2割が満足、6割がボチボチ、2割が不安
このくらいの割合だと思います。
満足という方は、このあと油断のないように取り組めば良いと思います。
しかし大方の8割の方にはこのようなアドバイスにはなりません。
まず、どうしてできなかったのかの分析
- ミスがどのくらいあるか
- 問題を解く気力が十分あったか
- できなかった問題と現在の力の離れ具合
こういったことの確認作業ですが、これは特に最後だからというわけではなく、テストにはついて回るものです。
模試の結果で受験校を変える?
最後の模試で志望校をどうするかを決定するつもりだった人がいましたら、その計画通りが良いと思います。
入試でも同じ状況になります。
「1日が不合格なら2日は○○」
このように決めていても、いざ不合格になるとリベンジ!という熱い感情を抑えきれずに予定を急遽変更される方がいます。
私の記憶では、急遽強気に変更した方に「あの決断が勝因でしたね!」と言ったことはありません。
もちろん、そういう方もいるとは思いますが、レアケースと言ってもいいでしょう。
そういう経験がありますので、事前に「最後の模試で○○を決める」と決めていたのでしたら、
そこはブレない方が良いと思います。
良かった場合の上方修正はありだと思います。
抑え校を上げるというのはリスキーですが、挑戦校を上げても良いと思います。
逆に悪かった場合の下方修正は無しが良いと思います。
そういったことを見越して冷静に受験校を決めているはずですので、慌てることはありません。
しかし、そういう想定をせずに受験校を決めているのでしたら、受験校を変更する良いきっかけになります。
どういうお考えで受験校を決めたのかを思い出すと良いと思います。
模試は重要ではない
過去問演習や志望校に向けて特化した勉強をしていると、普通の問題が解けなくなることがあります。
麻布や栄光や開成や渋幕などの個性的な入試問題の対策に血眼になっていると、
それより難易度の低い問題にリズムを狂わされてしまうケースがあります。
重要なのは、実際に受ける学校の入試問題であることは間違いありません。
過去問をやることで、模試の感覚が鈍っていることは悪いことではありません。
そういうことを考えると、12月の模試っていったい何者?
と改めて思ってしまいます。
6年生くらいから受験勉強を始めてうなぎ登りに上昇し、最後どこまで伸びるか!
こういう受験生以外は不要な気がします。
実際にスカイプ指導のご相談で、体制変更した方に12月の模試は不要と言い切りました。
万が一悪い成績が出たら、体制変更したことが不安になるからという消極的な理由ですが、
前述の通り8割の方は多かれ少なかれ不安になります。
確率から考えて消極的になるべきだと思っています。
模試で有終の美を飾れなかったら
しかし実際に模試を受けた以上は、どうして受けたんですか?
と結果論でいうのはあまりにも酷いと思いますので、受けたならそれをプラスに転じていきたいです。
以前、模試が11月で終わった時代は、1月校入試が模試代わりとなっていました。
緊張する場所で4教科通しで問題を解くことが重要だと思っています。
その意味ではブランクが空かないというメリットがあります。
それから、受験生とはいえ、いまも100%集中して一切時間の無駄がなく勉強漬けの日々を過ごしている方は少ないでしょう。
受験勉強をするには適度な休憩も必要ですし。
しかし火事場の馬鹿力というように人間切羽詰まったときには、超人的な能力を発揮します。(多分)
いざというときには普段とはありえない重い荷物も持てるそうです。
私は昔は犬が苦手でした。(笑)
小学生の頃、近所に住んでいて犬を飼っている友達と、犬嫌いの足の速い友達と、私の3人で
犬の散歩に出掛けました。
犬がいきなり興奮して、飼い主の友達が綱を放してしまいました。
私と足の速い友達が全力で走って逃げましたが、ほぼ同じスピードで走っていました。
「何でそんなに速いの?」とあとで笑い話になりました。
ちょっと変な例えですが、このままでは拙いと考えたら、休憩を減らしてもしっかり消化できます。
言い方を変えると、そういう意識になるように持っていくことが大切だと思います。
どれだけ具体的に策を打てるか
知識が不足しているのでしたら、勉強の合間に1問1答の問題集を見たり、家族で問題を出し合ったり、
ミスが多いならば、ミスしたところを色ペンで目立つようにして可視化したり、
長文の問題が解けないなら、条件を書き出したり、必ず表にまとめるようにしたり、
具体的なスタイル変更はできるはずです。
「頑張る」という言葉は私は信用していません。
なにを頑張るのかが分かっていないケースが多いからです。
「これからがんばる!」というよりも「これから○○をする!」という具体案が大切です。
切羽詰まった状況で、火事場の馬鹿力で50日間を過ごせばかなり力がつくと思います。
結果が良ければ、あのときに悪かったのが逆に良かったとなります。
ラストの模試をきっかけに、行動を変えられるかどうかがポイントです。
そのために模試を受けていると捉えられていましたら、
結果が良くても悪くても、ホットもせず不安にもならず、明日からラストスパート!となると思います。
たくさんやらなければならないというイメージ先行ではなく、
「アレとアレをしっかりやる」というように行動を変えられると良いと思います。