- 2018年4月6日
都市伝説のようにまことしやかに言われるのは、
「ここまで来たら、もったいないから絶対私立中学に行くべきと」いう意見です。
合格率100%
20年くらい前は合格率100%を売りにする塾があって、その塾では当然のように「高校受験NG」と言っていたわけです。
当時は全入時代でなかったので、合格率100%が売りになったのです。
「とにかく受けて合格してください」「進学するしないはお任せします」
なんてのは合格率100%を目指す塾の方針で、呆れてしまいます。
しかしいまは定員割れしている学校もあるわけで、合格率100%という響きにまったく魅力がありません。
その名残か、第1志望○○%とか第2志望以上○○%と謳っているところはあるようです。
余談ですが、あまり高いのは、素晴らしいを通り越して、逆に胡散臭く感じてしまいます。
ここは憧れ校だから、第1志望じゃない!
第1志望校と認められるのはこの偏差値まで!
とか言っているかもしれません。
私立中に行った方が良い?
時代が変わり、塾として全員合格を目指さなくても良くなりました。
しかし、冒頭のように「絶対私立中学」というのはどうしてでしょう。
いくつかあります。
- 受験のない中で伸び伸びさせてあげたい
- ほとんどの私立中は、公立中よりも教育力も環境も上だと思っている
- 大学受験が最終学歴になるので、中学や高校の学校名にこだわることはない
主にはこのような理由だと思います。
しかし、お金を出して遠くの私立中に行くのなら圧倒的に地元の公立中よりよくなければなりません。
押さえの学校や、万が一のときに受ける学校や、とりあえず偏差値だけで選ぶ午後入試の学校に圧倒的な魅力があるのか
ということです。
私立に行くと、電車通学は大変ですし、何かとお金もかかるので、
それならば体力のない中学生までは公立で、高校受験という考え方も視野に入ってきて当然です。
しかし、そんなことを塾講師に相談しようものなら大反対されるでしょう。
「もっと学校を知ってください」「魅力がありますから」
こんな言葉も出てきそうですが、
そこまで詳しく知らないと伝わらない魅力ならば、公立にもそのくらいの魅力はあるような気もします。
学校説明会くらいは行ってみるのは、判断材料のため良いと思いますが。
しかし、高校受験がメインで、中学受験もやっているという塾ならば回答が一変します。
話をよく聞いた上で、「後悔がないならば高校受験に切り替えましょう」と言うと思います。
この世界は、想像通りというか現金なので。
四谷とサピックスを掛け持ちしている非常勤講師だったら(制度的にはできないかも)、
昨日は予習が大切と言い、今日は復習が大切と言うはずです。
塾講師の本心なんて滅多に聞けないのかもしれません。
高校受験やむなしという状態でも、多くの塾講師は
「全滅だと何も残らないからどこか1つだけでも合格しましょう」「その上で進学をせずに高校受験をしましょう」
というアドバイスをします。
どうしてかよく分かりません。
例えば偏差値45の受験生が「偏差値50の学校じゃなければ高校受験」という場合
どうして偏差値42の学校を受けなければならないのでしょう。
そこならば受かるのは偏差値のデータからあたりまえのことで、
勲章、証になるのでしょうか?
おそらくその合格証は卒業証書みたいなもので、
卒業証書にあまり価値がないと思っている人は、合格証も大したものではないと思います。
受験回数は減らしたい
私の意見としては、受験回数は少ない方が良いと思っていますので、
ここまで受験勉強をやってきたのなら、私立中学に行くべきだと思っていますが、
高校受験で、大学付属を狙うならありなような気がします。
インターエデュを見ると、中学受験をしなくても、早慶の付属高や公立トップ校に行けるというような書き込みがあり、
無責任という言葉しか浮かびません。
そんな容易くは早慶や公立トップ校には行けません。
高校受験で早慶に行く子は、もし中学受験をしていたら早慶に行けたかもしれません。
- 中学受験の勉強でどれだけストレスをためたか
- 高校受験で大学付属を希望しているか
このあたりを考慮して、高校受験に切り替えるのは、決して間違いではありません。
合格可能性20%(模試の下限の20%という意味ではなく)の学校に受け続けて、
ダメなら公立という考え方もおかしくはありません。
塾講師に話したり、まわりのママ友に話すとクレイジー扱いされてしまうかもしれないので肩身は狭いですが。
どこまでなら地元公立より通う価値があるか
これがすべてです。
塾講師の言うことが決して正しいわけではありません。
「全滅生徒がいる」という評判は塾にとってはかなり痛手なのは、今も昔も変わりません。
前述の卒業証書の紙に思い入れのないタイプは、合格を1つも手にしなくても問題ありません。
模試のデータがそれの代わりになりますし、受験勉強の体験は、心に深く刻まれるでしょう。
中学受験の勉強は無駄ではない
高校受験の第一歩を踏み出すと、中学受験の勉強をしてきたお子様は明らかに一皮むけています。
良いスタートが切れています。
そのあと、いろいろな誘惑に流されてしまう可能性がありますが、
中学受験をしてきた成果は間違いなくあります。
また大学実績を意識している私立中学は入学してからも、小テスト、追試、補習で大変です。
受験のプレッシャの有無は確かに大きいですが、勉強をやることに関しては私立に行っても公立に行ってもあまり変わりません。
高校受験塾だと、早慶を目指すなら部活は辞めろ!というかもしれませんが、
物理的に考えて、中1、中2までは部活をやっていても大きな問題はないと思います。
やる子は両立できますし、やらない子は部活を辞めてもダメでしょう。
拘束時間の長い前職の中学部みたいなところに通塾したり、
大して強くもないのに昭和のような週6~7回練習のある部活に入ってしまったら
両立はできないかもしれませんが、それも選択次第です。
居心地の良い学校が良いという考え方
最後になりますが、現在偏差値が45だとします。
偏差値だけで語るのは無理がありますが、イメージをつかむため、あえて偏差値で語ります。
行っても良いと思う学校は偏差値55くらいだとします。
合格可能性は25%くらいです。
先ほどの話があてはまりますので、そこに挑戦してダメなら公立という考え方でも良いのですが、
現在偏差値が45ならば、偏差値45くらいの学校の方が居心地が良いことは確かです。
ちょっとがんばればトップに立てるという環境の方が個人的には好みです。
受験勉強を始めるのが遅くて、本来の力はもっと高いけど、いまは偏差値は45という場合なら
高校受験の方が良いと思いますが、お子様にとって居心地良く、その中でちょっと背伸びをする環境が良いと思います。
あくまでも個人的な主観ですので、各ご家庭いろいろな考えで良いと思います。
どれが正しいという答えはないのですから。