対話式算数から、リスタートへ

「塾の代替教材」から「塾を超える教材」へと進化しました

2014年、私は「対話式算数」という教材の販売を開始しました。
それは、大手塾の教材を超える内容を目指し、塾に通わずに自学自習で通塾以上の学力をつけることを狙った教材でした。

その理念にブレはありません。
しかし、今改めて振り返ると、当時の構成には限界と中途半端さがあったことも認めざるを得ません。

対話式算数の思想と構成のズレ

対話式算数は、小4から始まり2年間で全102話、全510テーマ。
週1話・5テーマという構成で、塾の授業進度と歩調を合わせるような形になっていました。
さらに、1単元あたり約80分の分量に設定し、塾と同等の学習量・学習ペースを前提に作っていました。

ですが、塾に通わないことを前提とするならば、塾と同じ構成に従う必要はなかったはずです。

塾には多くの無駄がある。
その無駄を減らすつもりで作った教材だったにもかかわらず、塾と同様のカリキュラム設計を採用したことで、結果的に無駄な部分も残してしまったのです。

対話型の限界:届かない層がいるという事実

もう一つの課題は、対話式という形式そのものにありました。

この教材は登場人物同士の会話の中で重要なポイントが示されていきます。
読んでいけば自然に理解が深まるよう構成していましたが、それはあくまで、文章を丁寧に読み取れる子にとって有効という話です。

読解力が不十分な子、注意力が続かない子には、重要な情報が「流れて」しまう。
読み飛ばしたり、印象に残らなかったりすることで、焦点がぼやけてしまうのです。

そして誕生した、「中学入試算数リスタート」

こうした限界を踏まえ、私は新たな教材として「中学入試算数リスタート」を立ち上げました。

この教材は、塾の流れそのものを完全に無視しています。
そもそも、塾で上手くいかなかった子どもたちを1から救うために作られているからです。

  • 小4から始める必要はありません
  • 毎週5テーマに縛られる必要もありません
  • 80分かけて1単元、という固定観念も必要ありません

単元によっては、30分で終わる内容もある。
それをわざわざ80分に水増しするような構成は取りません。

対話式算数と比べ、約3割の無駄を削ぎ落とし、その分、戦略的・攻略的な記述に置き換えています。

この教材は、“この問題をどう解くか”を教えるだけでなく、“この問題を応用した問題をどう攻略するか”まで踏み込んで教える教材です。

なぜ「小5から」でいいのか?

塾業界では「小4から中学受験を始めましょう」が常識のように語られています。
しかし私は、その常識を疑っています。

小4の段階では、内容が難しすぎて理解できない子が大半です。
そのため、無理にでも暗記して乗り切ろうとし、「とりあえず覚えて解く」という質の低い学習のクセが、そこで根付いてしまうのです。

一方、小5から始めれば、精神年齢が上がり理解力が追いついているため、無理に覚えようとせず、自然に理解して学ぶ姿勢が身につきます。

つまり、小5から始めることこそが、正しい学習習慣を形成する近道なのです。

役割の違い:対話式算数 vs 中学入試算数リスタート

項目対話式算数中学入試算数リスタート
目的塾に通わず、塾の代わりとなる教材塾の枠を超えて、学力だけに焦点を当てた教材
対象文章を読み取る力のある子・難関校志望者塾でうまくいかなかった子・思考を整理したい子
構成小4から2年間・510テーマ・週5単元無駄を省いた自由設計・戦略と再現力を重視
特徴対話形式で学ぶ・楽しさ重視ストレートな記述・攻略型・本質重視
今後の方向性難関校志望者向けに進化・情報を絞った玄人仕様全学力層に対応・学び直しの土台となる教材

対話式算数は、今後は“難関校向け”に進化

もちろん、「対話式算数」も今後改訂を加えながら存続させていきます。
ただし、今後は難関校志望者向けの教材として、「書かなくても読み取れる」高度な構成へと進化させていく予定です。

最後に

対話式算数は、塾に通わずとも学べる「代替教材」として生まれました。
中学入試算数リスタートは、塾という存在自体を超えて、ただひたすらに、子どもの学力を伸ばすことだけを目的とした教材です。

私自身、これまで多くの教材を作ってきましたが、このリスタートは、最も無駄を削ぎ落とし、最も実戦的で、最も洗練された教材です。

「塾に行っても伸びない」
「やっているのに成果が出ない」
「このままでいいのかと不安になる」

そんなご家庭にこそ、本当に届けたい教材です。

TOP