- 2024年3月26日
先取り学習は有効
私は多感なときにサピックスの講師として働きましたので、考え方はサピックス流です。
しかし、サピックスは先取り学習を否定しています。
私も先取り学習は良いことではないと信念として思っていました。
私が教材を作成して販売を開始したのは2013年からですが、第一号のお客様は塾に行っていなかった小学4年生でした。
メールのやりとりで優秀な子ということが分かりましたので、小4用の難しい教材を提供しました。
しかし、簡単すぎてやり甲斐がないとメールが返ってきました。
そこで、小5のカリキュラム教材と小5用の難しい教材を提供しましたら、ちょうど良いと喜んでくださり、継続して使用してくださることになりました。
その優秀な生徒さんは、4年生で当教材の小5の教材をすべて終了させ、5年生から通塾を始め、算数は関西の有名な算数教室の塾長さんに有望な少年と目をかけられるくらいで、灘中に行けるレベルにあったそうですが、校風で甲陽中に進学されたそうです。
私のそれまでの先取り学習は良くないという考え方は一変しました。
優秀な子は、子供に合わせて勉強していくと、自然と先取り学習になります。
むしろ先取り学習をしないことは、レギュレーションで縛ることになると考えても良いと思います。
超一流のアスリートは幼少の頃から、上級生顔負けのプレーをするニュースは度々見ますが、それは勉強にも当てはまります。
将棋の藤井聡太棋士を見たら、知能はスポーツ以上に学年は関係ないというのはご納得されるのではないでしょうか。
先取り学習の真の意味
先取り学習を何故するのでしょうか?
「早く始めたら、後が楽になる」「大学受験の浪人生のように、6年生の内容を2年間学習できる」「内容が濃いと言われる5年生の内容を2年間学習できる」というイメージの方も多いと思います。
私は、先取り学習の効果はそういうことではないと思っています。
やや負荷をかけた質の高い学習をすることで能力開発になると思っています。
勉強に限る話ではありませんが、兄弟で、勝ち気な弟が、兄に負けたくない気持ちで一緒に取り組むと、ものすごく鍛えられるようなイメージです。
私も子どもの頃、実弟にそれをやられました(笑)
スポーツのアスリートの幼少期も同じようなものだと思います。
その意味では、先取り学習といっても、早くからやれば良いだけでなく、早くから、且つ奥深くという両輪が大切です。
また、少々、意が異なりますが、入塾しますと、テストで煽られます。
それは良い面もありますが、勉強の質が下がるという弊害もあります。
俗に言われる「暗記の算数」「覚える算数」です。
自発的に行う先取り学習で、点数に煽られない勉強をすることで、しっかり理解することを目指した学習になり、学習の質が高くなる学習姿勢が身につきます。
また、該当学年になって授業を受けたときの吸収力が上がります。
知っていることが多く悠々と過ごせる環境の方が、講師のちょっとしたワンポイントアドバイスまで吸収することができます。
知らないことだらけで授業を受けていますと、どこが最重要ポイントか分からず、メリハリがなくずっと集中してしまい、大事なところで集中力が欠けるという悪循環になりがちです。
小学1~2年生の先取り学習
中学受験の受験算数のカリキュラムが始まるのは4年生からです。
1980年代までは5年生から始まるのが主流でしたが、1990年代からサピックス流が主流になり、4年生から受験算数が始まり、5年生で全単元が終了するというスタイルが一般的になりました。
そこから30年以上たっていますが、そのスタイルは変わりません。
中学入試の問題は時代とともに少しずつ変化したり、流行廃りがありますが、カリキュラムを大幅変更したり、4年生から受験算数がスタートする流れを変えるぐらいの変化はないということです。
どうして受験算数は4年生から始まるのかと言いますと、それで間に合うからではなく、4年生よりも前からは始められないからです。
1~2年生の間は、先取り学習をしていくと、3年生の勉強に進んでいきますが、ここまでは受験算数でいうと先取り学習にはなりません。
塾の教材でも市販の教材でも小3の勉強は、受験算数に繋がっていないからです(繋がっていると思う教材もあります)。
塾の小4の学習を行うことで受験算数の先取り学習になります。
「計算(暗算や桁数の多いひき算&かけ算)」や「書き出し」は受験算数の基礎として、3年生の間にしっかり学習した方が良いと思いますので、その意味では、1~2年生の先取り学習として扱っても良いと思います。
また、当教材のラインナップに対話式算数・基礎編があり、受験算数の小4と繋がった3年生でも学習可能な教材ですので、受験算数の先取り学習として有効です。
小学3年生の先取り学習
3年生になると、時期によりますが、受験算数の小4の学習ができる子が増えてきます。
しかし、できるからといって先取り学習を気軽に進めるのは、私は賛成しません。
先取り学習が悪いことだからではありません。
途中で止めると、先取り学習の効果がなくなるからです。
また、無理に背伸びして先取り学習をすると、解法を覚える意識が強くなり、学習の質が下がるからです。
始めるならば、小5の内容まで継続して進めることがポイントです。
余程、ポテンシャルの高い子でなければ、途中で挫折する可能性が高いので、避けた方が無難です。
しかし、ポテンシャルが高いか低いかの判断は難しいですので、先取り学習に興味がありましたら、とりあえずやってみて、ダメそうな前兆がありましたら、早めに撤退という方針が良いと思います。
上の章で書きましたが、しっかりできれば効果は大きいです。
教材は受験算数の小4の教材となります。
当教材の対話式算数・基礎編と小4対話式算数をお勧めいたします。
学習のポイント
先取り学習をやると、みんながやっていないことをやっているんだから、少々勉強の質が低くても、少なくともマイナスにはならないだろうと考えがちです。
その単元の難しい問題は解かないというような姿勢です。
しかし、単純な問題だけを解いていく方針ですと、学力が高まっていかず、先取り学習をしていない子たちに追いつかれてしまいます。
どの単元も、次の手順が必要です。
- 解法の理解
- 練習問題で解法を使えるか確認
- 応用問題で解法を上手く使う練習
これを②で終わりになってしまうと先取り学習が活きません。
あるいは背伸びしすぎて、①が疎かになり、②のみの学習になると、学習の質が低い勉強スタイルが染みついてしまい、将来的に理系科目は厳しくなる恐れがあります。
やるならば該当学年の子たちと同じ意識で取り組むことが必須となります。
単元限定先取り学習
一般的に先取り学習と言いますと、1つか2つ上の学年のテキストナンバーの1番から順々に学習していくイメージです。
特定単元のみ先取り学習という考え方もあります。
単元限定先取り学習と呼ぶことにします。
単元集中型の学習をしていきますと、学力が高まって、徐々に自然と先取り学習の領域に入りますので、この単元限定先取り学習と単元集中型の学習は同じものと捉えることもできます。
やってみたいなという方には、「場合の数」か「平面図形」で、相性が良いものの先取り学習をお勧めします。
普通の先取り学習よりも遥かにハードルが低いです。
小学4年生の先取り学習
子供の状況によって、小4の内容まで完全に終わっていたり、小4の内容の半分くらい終わっていたり、あるいは小5の内容に入っていたりします。
通塾を開始する場合は、塾の内容の勉強をする必要も出てきますので、独自で進めていく先取り学習はペースを上手くつくることが難しくなります。
しかし、ここで先取り学習を終わらせてしまいましたら、上で書きましたように、やがて追いつかれて、何のために先取り学習をやっていたのかということになり、意味がなくなってしまいます。
ペースは少々鈍っても、先取り学習を進めていった方が良いです。
言いかえますと、そこで先取り学習を止めるかもと心配ならば、最初からやらない方が良いと思います。
単元限定先取り学習
小学3年生の先取り学習でも書きましたが、4年生でも単元限定先取り学習は可能です。
と言いますか、4年生の方が扱える単元が広がります。
3年生にお勧めしました「場合の数」「平面図形」以外にも「比と割合」「比と割合に関するいろいろな問題(食塩水の濃度など)」「和と差に関する問題の高度な問題」「規則性」などです。
相性が良いものの先取り学習をお勧めします。