- 2021年6月12日
まもなく、東京、神奈川の6年生は受験です。
各塾も6年生の対応に追われることでしょう。
4、5年生の授業どころではなく、受験学年以外は休校としているところが多いと思います。
月謝の問題もあり、休校を長めにとることは難しいですが、多かれ少なかれ、4、5年生は家で勉強する時間が増えると思います。
時間が増えるからということもありますが、5年生の1月でカリキュラムが修了するのであれば、総復習もしたいところです。
ところが軽はずみで総復習などとは言えません。
膨大な量だからです。
それをやろうとしたら2、3ヶ月は必要でしょう。
総復習が現実的でないとしたら、作戦を立てて、効果的な単元を復習した方が良いです。
5年生の多くの人は「比と割合」が良いです。
6年生向けの高度な問題になると、○、△、□が出てきますが、使い分けられずに、いつも○を書く子もいます。
実数ではないと分かると反射的に○で囲んでしまう子が多いです。
どうして○で囲んでいるんだろうという意識を持たずに問題演習していたのだと思います。
比をつくるとき、「距離の比÷速さの比」や、「食塩の重さの比÷濃度の比」などを計算しますが、「小さい数÷大きい数」になることが当然あるわけです。
そういったときに、平然と逆の計算をして間違えるお子様もいます。
なんとなくわり算だから、大きい数を小さい数で割ってしまうのだと思います。
「これは線分図」「これは式の処理」「これは表」という使い分けも必要です。
いつでも線分図をかいて、線分図の問題ならば解けるけど、そうでない問題は線分図をかいてギブアップ…という子もいます。
総じていうと、割合が分かっていないということに尽きます。
演習不足とよく言われますが、そうではないです。
どうしてそういうことをするのか納得しながら解かずに、ただ目の前の問題を答えが出るまで演習しているという状態では、どんなにたくさんの問題を解いても上のような悪い状態から抜け出せません。
普段の平常授業があるときだと、どうしても毎週の確認テストで点数を取るために、解ければ勝ち!的な発想になりがちです。
納得できていなくても、あまり深刻に考えずに「高得点が取れれば順調」だと思って進んでいないでしょうか?
これが塾の競争の1番の問題点ですが、あまりこのことは問題視されていない不思議さがあります。
塾のない期間だからこそ、点数度外視で、納得できるかできないかだけにこだわる学習ができます。
塾が始まっても、塾のカリキュラムと関係なく、自主練のような形で勉強すればその姿勢は保たれると思います。
どうして○を使っているか、お子様自身で自己解決してください。
「先生が解説のときに○を使っているから」というのは理由にはなりません。
自己解決できなければ、しっかり答えられる人に質問するようにしてください。
その地道な行動が、応用問題になったときや融合問題になったときに生きていきます。
それをしないと、応用問題になったときに、「本当は割合が苦手だったんだ」と気がつきます。
遅くなればなるほど、割合の基本に戻るのも難しく、後手後手の苦しい展開になります。
どうして○を使うか、□を使うか、どうやったら分かりやすく見やすい解き方になるか、どうして線分図を書くか、表を書くか、……
こういったことを考えて問題を解くといいと思います。
分かりやすく見やすい解き方を意識しないと、センスがある子ならそのまま行けると思いますが、多くの子がつまずきます。
何点以上をとりたいとか、偏差値いくつ以上をとりたいという気持ちではなく、「質」を目標にして取り組んで欲しいです。
教材は何でもいいですが、解けない場合は、納得しやすい語り調の解説があった方が良いと思います。
また、ノートに実際に書くような形で記述されている解説の方が良いと思います。
この期間の学習として最適な「比と割合」表で解く練習問題120をお勧めします。
問題数は120問なので、10日くらいで完成しますと、比と割合の解法スキルがレベルアップすること間違いなしです。