対話式算数第64話:食塩水の濃度1

今週から食塩水の濃度です。

3週間続きます。

いままでの経験で、食塩水は優秀な子で2週間、基本は3週間くらいで身につくと思います。

大手塾では1週間で扱うところが多いようです。

1週目の今週は、食塩水・食塩・濃度を把握していく問題です。

2週目は面積図をかいて解く混ぜる問題、3週目は1~3つの容器の食塩水を出したり入れたりする問題です。

5年生の間は天秤は使いません。

今週は、通称「しみこし」の表でまとめます。

塾では「式のみ」「コップの図」のどちらかが多いと思います。

「式のみ」はイメージがつかめないので、よくないと個人的には思っています。

コップの図は「しみこみ」の表とほぼ同じですが、シンプルな方が、発想力が増し応用に対応しやすくなりますので、タイサンでは、コップの図ではなく、シンプルな「しみこし」の表にしています。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第64話:食塩水の濃度①の概要

 

64・1

食塩水・濃度・食塩をそれぞれ求めます。

簡単なので計算式だけでも求められますが、「しみこし」の表を書くことをお勧めしています。

速さの三公式や、割合の三用法と同じように、濃度や食塩水の重さを求めるときは、逆算を意識した方が身につきやすいと思います。

百分率の濃度は分数で導入していますが、それを変形して、問題を解くときは「しみこし」を書くという流れにしています。

10%は全体の0.1倍という感覚は、なかなかしっくりこないので、そのようにしています。

「しみこし」の計算をやっていくと、徐々に、10%は全体の0.1倍という感覚が養われます。

 

64・2

食塩や水を加える問題です。

食塩を加えても、食塩水の重さは増えます。

「しみこし」の表をすべて埋めるようにして解きましょう。

 

64・3

2つの食塩水を混ぜる問題です。

  • 混ぜる食塩水の重さも濃度も分かる→「しみこし」は簡単、面積図は逆比を使う
  • 混ぜる食塩水の重さは分かるけど、1つの濃度は分からない→「しみこし」でも面積図でもともに簡単
  • 混ぜる食塩水の重さが分からない→「しみこし」では解けず(工夫すれば解けますが)、面積図は簡単

この大原則を身につける必要があります。

今週は面積図を扱わず、「しみこし」の表で解きます。

筆算型にすると分かりやすいと思います。

 

64・4

3つの食塩水を混ぜる問題です。

これも64・3で書いた大原則通りです。

 

64・5

蒸発の問題です。

蒸発は食塩は減らないことに注意ましょう。

「しみこし」の表は、筆算型ではなく、結果だけを書いていく「流れ(結果型)」にすると見やすいと思います。

蒸発は、ときどきですが、逆比の問題も出ます。

本編ではしっかり説明しています。

一応、警戒しておきましょう。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 食塩水は、食塩と水をたします。しみこしで解きましょう。
2 A しみこしを書いたら逆算で解きます。逆算のときは「右÷左」です。
3 A 答えは、食塩水を求めるのか、水を求めるのか、最終確認するようにしましょう。
4 A 筆算型の「しみこし」の表で考えましょう。
5 A 加えた食塩の重さを、「し」だけではなく「しみ」も増やすようにしましょう。
6 B 5番と同じように、加えた食塩の重さを「しみ」にも増やすことを忘れないようにしましょう。
7 A 食塩水を混ぜる問題は、筆算型の「しみこし」の表で解きましょう。
8 B 片方の濃度は分かりませんが、筆算型の「しみこし」の表で解けます。
9 B 3:2は勝手に300gと200gに変えていいです。比はできるだけ具体的な数値として扱います。
10 A 食塩水を3つ混ぜますが、筆算型の「しみこし」の表で解けます。
11 B 食塩水を3つ混ぜ、そのうち1つは濃度が分からない逆算タイプですが、筆算型の「しみこし」の表で問題なく解けると思います。
12 B 割合と比に近い問題です。食塩の重さを決めます。3つの食塩水の重さを求め、「しみこし」の表を完成させましょう。
13 A 食塩の重さは4gのまま変わりません。蒸発の場合は、筆算型でも良いですが、流れ(結果型)でも良いと思います。
14 B 食塩の重さを、「しみこし」の表で常に把握します。
15 B 解説では食塩の重さを決めて、逆比を使っている感覚にはなっていないと思いますが、逆比を使っています。「食塩:水」を考えてもできます。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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