- 2018年4月19日
よく、国語の講師が、どの教科も文章を読むんだから、すべては国語力で決まると言うことがあります。
特に、最近は、算数も長文が増えてきたので、ますますその声を聞く機会が増えてきたような気がします。
私は、それには否定的な立場です。
最後の最後まで国語の四谷偏差値40台で算数の四谷偏差値70台の生徒さんもいたからです。
国語を手を抜かずに勉強して欲しいという願いから、勇み足の台詞だと思っています。
しかし、今回のブログは、算数と国語で苦手な原因は同じでは?と思っていることについて書いていきます。
どうして算数だけ苦手か、国語だけ苦手かという疑問にも、しっかり論理的に答えられます。
冒頭のどの教科も文章を読むから国語が大切という意見は、その疑問にさえ答えられないような気がします。
先日、スカイプ指導で驚きましたのは、400以下の5の倍数はいくつ?という問題です。
やや数値は変えていますが、この程度の問題です。
もちろん80個ですが、生徒さんは、なぜか80+1=81個としたのです。
信じられない!ということではありません。
気持ちは十分分かります。
間違えては駄目ですが。
100~200までに数字は何個?というときに、200-99=101個とすればいいのですが、多くの生徒さんは200-100+1=101個とします。
おそらく、そのような式で教える塾講師が多いからでしょう。
どうして「+1」をするのかきちんと納得しないでいると、個数を求めるときは「+1」しないと間違えると潜在的に思い込んでしまい、やってはいけないときでも見境無く1を足して81個としてしまうのだと思います。
200-100+1=101個のときの「+1」は、塾講師は100も含めるからと言っていると思いますが、いまいち、その説明では納得しにくいです。
私は、1~200の中に200個で、1~関係の無い99までに99個あるから200-99=101個と身につけた方が良いと思っていますので200-99=101個派ですが、200-100+1=101個派の講師は、その理由くらいは誰にでも伝わるように説明して欲しいと思います。
やや本題から外れたようですが、そうでもありません。
算数の苦手な原因はまさにここです。
どうしてかよく分からないのに、なんとなくこうすればできると思い、質問せずに妥協して過ごしているからです。
これは国語の読解でも同じではないでしょうか?
文章でところどころ分からないところがあるのに、妥協して蓋をして問題を読み進めていくから、問題を精読できずに、結局、設問に正しく答えられないのではないでしょうか。
それを防ぐためには、気軽に聞く習慣をつけることと、それに答えられる大人が隣にいることです。
算数でいうと、前述の「どうして+1なの?」以外にも「どうして2で割ったの?」「どうして逆比なの?」「どうして補助線引いたの?」「どうして面積図の縦がこれなの?」など、書いていくと軽く50個くらい書けそうなくらい疑問に思う可能性のある箇所があります。
上記で、算数のみ苦手、国語のみ苦手という子の説明がつくと書きましたが、得意ならば、疑問点を自己解決できるからです。
疑問点を誰にも聞かなかったとしても、算数は得意だから自己解決でき、国語は得意ではないから自己解決できないということでしたら、算数得意、国語苦手という受験生になります。
では、そういう計画で行くとしますと、少なくとも5年生の夏くらいまでは大人が隣で付きっきりで勉強を見た方が良い結果になります。
特に優秀な生徒さんでなければ、塾に行くと、たくさんの疑問点をほとんど解決せずに帰ってくるだけです。
家で解決させるか、疑問点を気にしないタイプになるかのどちらかです。
保護者様が隣に寄り添えない場合は、時給の安い学生さんの家庭教師で十分です。
学生さんが隣に付き、辛抱強く疑問点に1つ1つ答えてあげて、お子様が「なるほど!だからそうやるんですね!」となればよいのです。
そのくらいならば、プロ家庭教師の必要がありません。
プロに効率の良い効果的な指導を受けるのは、レベルの高い問題を扱うようになってからで十分です。
ここまで読んでくださっていましたら、誤解は無いとは思いますが、決して、保護者様が教え込むとか、点数を取れるように特訓をするということではありません。
疑問点を解消してあげるか、一緒に考えてあげるだけで十分です。
算数は一緒に考えてあげても分からないという場合は、是非、当教材の対話式算数を活用願います。
どうしてこういうことをするのか解決できると思います。
四谷偏差値65以上の難関校でなければ、受験勉強は5年生からで十分という考えが私にはありますが、ここまで書いてきましたような、疑問点に1つ1つ答えていくような学習スタイルならば、4年生から家で始めるのが得策だと思います。
5年生からだと物理的にも精神的にもきつくなり、焦りが生じて、思うように進められないかもしれないからです。
対話式算数の会員様の一定数は4年生のときは通塾していませんが、5年生から入塾するときに、かなり良い成績を取ったという報告をいただきます。
おそらく、家で、このような勉強になっていたのではないかと思います。
疑問点が湧かないお子様でも大丈夫です。
保護者様が、これ意味分かる?と聞いてあげれば、だんだん、こういうことが疑問点だと分かります。
東大合格者数ベスト10に入るような学校を目指さず、説明を少しだけ聞いただけで問題が解けるという特別に優秀な生徒さんでなければ、4年生のときは、家でじっくり大人と二人三脚で進むことが、中学受験の必勝法だと思っています。