通塾の弱点(受験生編)

ときどき、インターエデュで信じられないアドバイスを見ます。

6年生の夏まで自宅学習(通信教育を含む)で過ごしてきたご家庭に、

「最後の締めにNNに通うと良い」

というものです。

目が点になってしまいます。

理屈無しのイメージで語るのはやめて欲しいです。

 

6年生の夏くらいから通塾のデメリットが目立ちます。

通塾のメリットは、「刺激を与えてくれる」、「勉強をさせてくれる」

というように、プレッシャーをかけてくれるところです。

しかし受験が近づいてきて、過去問をやる時期になると、

刺激は得られますし、勉強も楽しくなるので、自発的にテンションを上げて日々を過ごせるようになります。

つまり、通塾のメリットがどんどん薄れます。

現役塾講師はそういうことは言いませんが。

 

そしてメリットがなくなるのと反比例してデメリットが大きくなります。

デメリットはすぐに分かりますか?

 

だいたい予想通りだと思いますが、

自分にとって必要な「レベル」、「単元」、「科目の比重」、「演習と解説の比重」が

塾から与えられるものとはズレるからです。

 

例えば、早稲田中レベルの学校に受験する生徒さんの算数の四谷大塚偏差値は55~70くらいだと思います。

偏差値55と70の生徒さんでは合格への対策はまるで違います。

上の4つの項目すべてが違います。

 

レベルは違うのは当然のことで、

偏差値70ならば、その学校の入試問題のトリに出てくる所謂捨て問を狙いに行きます。

偏差値55ならば、前半取りこぼしがないように基礎を徹底します。

クラスを細分化していればある程度レベルが合いますが、

「これは捨て問だ!」と言われた問題を解く必要があったり、

「これが勝負を分ける問題だから頑張ろう」と言われた問題を省いたりすることがあります。

 

単元も個々の状況によって大きく変わります。

6年生の夏が過ぎると、受験校に通用する単元、通用しない単元がはっきり分かってきます。

通用しない単元が最重要課題単元です。

それにしっかり取り組むことが合格に近づく方法です。

塾で頻出単元を万遍なく扱っていたとしても、それを偏りなく復習して良いわけではありません。

 

科目の比重が最も分かりやすい話になります。

塾では、算国理社の授業の比重が2:2:1:1だとします。

算数だけもう少し多いかもしれません。

しかし算数の偏差値70の生徒さんは、恐らく他教科が弱いことでしょう。

算数の比重を高くしても仕方ありません。

塾で算数を習っている時間は、本当は他教科をやりたいはずです。

逆に算数の偏差値55の生徒さんはもっともっと算数をやらなくてはいけないでしょう。

恐らく国語は得意なはずなので、国語の授業はほぼゼロでも良いのではないでしょうか?

2:2:1:1の比重を4:0:1:1になったら、算数の向上の期待値が高まるはずです。

 

演習と解説のバランスは、抽象的な話になりますので、分かりにくくなるかもしれません。

この時期は演習の時間をどれだけ多く取れるかがポイントです。

受験直前は「考える時間が無駄」と言いきるような塾もあるようですが、

可能な限り考える方が力が付きます。

しかし答えが出る気配がないのならば、仕方なくヒントを仕入れ、最後は自分の力で答えを出すことが理想です。

答えが出る気配というところで、個人差が大きくなります。

「この子なら力があるから解説ほぼゼロで!」から「この子は解説をしっかり聴いて解き方を身につけた方がいい」まで幅広くいます。

一律で解く時間が決められ、一斉に解説を聴くというのは、効果としては大きくはありません。

 

このように書いていくと通塾は効率の良くないシステムだということを感じると思います。

しかし自宅学習ならば良いわけでもありません。

お子様の強み弱みを理解して、適切な対策をするというのが簡単なことではないからです。

最良の志望校対策が自宅でできるのならば、通塾よりも遙かに効果が大きいというわけです。

 

しかし最良の志望校対策を提案してくれる人を探すことは難しいと思います。

まさか、集団塾の講師が敵に塩を送るようにそんなことをアドバイスしてくれるわけがありません。

個別指導、家庭教師で、集団塾での指導の経験が豊富ならば良いですが、

そういう講師は少ないような気がします。

 

そうすると、現在通塾しているご家庭は、結局、最後まで集団塾ということになりますが、

効率の良くない勉強になっているというデメリットは意識した方がいいと思います。

現在、自宅学習ならば「最後は通塾」と感じる時期かもしれませんが、

通塾はメリットよりもデメリットが大きい可能性があるということを念頭に置いておくと良いと思います。

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