- 2016年1月12日
最近の状況
先日のブログで、朝ハードな仕事をするようにしたら、サクサク進み挽回!
と調子の良いことを書きましたが、
やはり冬休みになるときついです。
朝7時から指導を開始して、終わるのは夜10時という日もあります。
なかなか朝から全開でデスクワークというのは難しいです。
もちろん対話式スカイプ指導を控えるわけにはいきません。
ご要望があればしっかり応えることが大切です。
とすると、ブログをしばらくお休みにするしかないような気がします。
2015年のブログはこれで最後かもしれません。
最後ならば最も重いテーマの塾選びです。
サピックスと四谷大塚と日能研と早稲田アカデミーのどれを選ぶかです。
ここのところ、ネットのコラムや塾講師や家庭教師でこれを題材にして書いている人がよくいますが、
どれもピンときません。
住めば都
私事ですが2014年に長年暮らしていた埼玉を離れ、日本のど真ん中の静岡に移住しましたが、
住めば都とはよく言ったもので、静岡がすっかり気に入っています。
最初はランチが14時で終わりとか、終了時間より早く終わることがあるとか
営業が電話をかけ直すと言ってきたのにすっぽかされるとか
田舎はダメだな…
と思うことが多かったですが、慣れとは怖いもので、それが気にならなくなりつつあります。
どうしても納得いかないこともありますが、大筋は慣れて解決といったところです。
塾選びもこれと似ています。
最初にいろいろなことが気になりますが、入ってしまうと、そういう欠点が気にならなくなります。
前職はトイレがとても汚くアンケートでたびたびお叱りを受けましたが、
教育力を重視するお客様が多く、トイレが原因で退塾などはなかったと思います。
トイレが綺麗になったりトイレに花を飾ったら生徒数増と思っている上司や幹部もいましたが、
重要なことはそんなことではないはずです。
もちろんトイレも綺麗に越したことはありませんが。
塾による科目の違い
話が随分それてしまいましたが、他の人のコラムやブログを見ると、
そんなちっぽけな違いにこだわって塾選びするの?
と思ってしまうことが多々あります。
どうしてそう思ってしまうのか、ふと考えてみたら分かりました。
教科の違いを書いていないことが多いからです。
算数はこう違って、国語はこう違って、……
というように書いてあれば、判断がしやすいと思うのですが、
肝心の科目の特異性を挙げていなければ判断のしようもありません。
このブログでは算数の違いを書きます。
国語の先生なども科目についてのブログを書いてくれないかなと思っています。
まずサピックスの文化は数値替えです。
B授業、A授業と分かれているのも
表と裏に同じ問題が印刷されているのも
テキストは塾で開かずに授業後に家で開いて演習するのも数値替え文化だからです。
四谷大塚や早稲田アカデミーは教材が充実していて問題数が多いですが、
数値替え文化ではなく類題文化です。
日能研は問題はともかく類題が少なめです。
その違いによって、対処法と気をつけるポイントをまとめてみます。
サピックス
よく、できる生徒はどこに行っても同じと言われます。
外れとも言えませんが、
逆に普通の生徒はどこに行っても同じではありません。
数値替えの方が身につきやすいです。
ただし、数値替えは式だけを覚える悪習慣が身につく恐れがあります。
以前はよく質問で、生徒さんに「答えを求められる式を教えてください」と言われました。
算数科の講師の間では、このような生徒さんにはがっかりしています。
算数はイメージを湧かして筋道を考えていく科目ですので、
数学のように立式して、式の処理というパターンに持ち込みにくい問題が多いです。
式を聞くよりも、どうしてこういうことをすればできるのかを聞いて欲しいです。
数値替えばかりになると式を覚えようという意識が強くなりがちです。
数値替えの問題を演習していって理解が深まるお子様にはサピックスは良いと思いますが、
そういう優秀なお子様は多くはありません。
類題文化の塾で、解説をあまり頼らずによく考えるタイプのお子様は勉強の質が高くなります。
以上のことを踏まえてまとめます。
サピックスの良い点
- 数値替え問題なので勉強しやすい
- 点数が取りやすい
- 保護者様が教えやすい
- やり方次第で伸びる
- SSで至高の授業を受けられるイメージがある
サピックスの悪い点
- 式だけを覚えたり理解が不足していると、学年が進むにつれ失速する
- 数値替えなので、時間を競うような雑な勉強になりがち
- 解説が分かりにくいので、その対策を考えなければならない
サピックスに向いているご家庭
- 数値替え問題だけでも理解が増していくくらいお子様が優秀
- 本質を理解できるように保護者様が教えることができる
勉強しやすいので、世間でいうほど、サピックスのハードルは高くはありませんが、
上位安定でも油断できないところが怖いところです。
四谷大塚
サピックスのすべて逆です。
数値替え問題ではないので、4年生のうちからお子様の資質が問われます。
問題を解けないお子様は解説を見て学ぶ低品質の勉強になりがちなので、きついです。
大器晩成のタイプは不利と言えます。
テストで良い点数を取らせることが難しいので、お子様に任せる姿勢になりがちです。
その代わり、学年が進むにつれて失速する可能性は低いです。
やや番外編ですが、いろいろな問題を解くことが大切と思っている教育論の持ち主には良いです。
四谷大塚の良い点
- 教材がメジャー
- 教材がまとまっていて整理しやすい
- 最初から力のあるお子様に有利なので、のちのち失速が少ない
- 問題集を探す必要がない
- 四谷系問題集は良問が多いので、解説を頼らないでがんばると力がつく
四谷大塚の悪い点
- 点数を取らせにくい
- 保護者様が教えにくい
- お子様に任せがちになる
- 解説を写すような勉強になってしまう場合がある
四谷大塚に向いているご家庭
- 類題が解けるくらいお子様が優秀
- 解説があれば安心と思われる方
日能研
日能研は問題の反復が足りません。
問題集を併用して常に横に広げていく学習が求められます。
塾任せではなく、コントロールできる保護者様に向いています。
世間で言われているのと真逆ですが、伸ばしていくためには保護者様の采配にかかっています。
日能研の良い点
- 神奈川の学校に強いイメージがある
- 反復回数が少ないので、1回で身につけられるお子様には負担が少ない
- 最初から力のあるお子様に有利なので、のちのち失速が少ない
- 好きな問題集を併用できる
- 日能研の問題もなかなかの良問があるので、解説を頼らないでがんばると力がつく
日能研の悪い点
- 問題集を探さないといけない
- 点数を取らせにくい
- 保護者様が教えにくい
- お子様に任せがちになる
- 演習問題が少なく身につきにくい
- 解説を写すような勉強になってしまう場合がある
日能研に向いているご家庭
- 類題が解けるくらいお子様が優秀
- 解説があれば安心と思われる方
- 家庭学習の時間を短くしたい
早稲田アカデミ-
とにかく質より量です。
苦しくなるまで食べ続ける食べ放題が大好きな人に向いています。
冗談はさておいて、多量の課題をこなして力をつけていく馬力タイプが良いです。
課題も多ければテストも多いです。
結果で一喜一憂している余裕もありません。
ひたすらくるものを処理していくバイタリティ溢れるご家庭に向いています。
早稲アカの良い点
- 講師が熱心なイメージがある
- 問題集を探す必要がない
- 最初から力のあるお子様に有利なので、のちのち失速が少ない
- NNで志望校にピンポイントで対策してくれるイメージがある
- 四谷系問題集は良問が多いので、解説を頼らないでがんばると力がつく
早稲田アカデミーの悪い点
- 点数を取らせにくい
- 保護者様が教えにくい
- お子様に任せがちになる
- 教材やテストが多すぎる
- 解説を写すような勉強になってしまう場合がある
早稲田アカデミーに向いているご家庭
- 類題が解けるくらいお子様が優秀
- 四谷大塚の教材を使いたい
- 長時間の学習がお好みの方
まとめ
まとめますと、数値替えはお子様の能力を引き上げることもできますが、
悪い勉強になってしまう怖さもあります。
算数に自信のある保護者様は数値替え文化のサピックスが良いと思います。
類題文化はフォローしていくのが大変です。
お子様の能力に自信のある方は類題文化でも充分です。
入塾してみないと分からないことですが、
解説に頼らずにじっくり取り組めるお子様は類題文化の塾の方が向いています。
課題の少ない日能研は保護者様の戦術が重要です。
戦術に自信のない方はサピックスや四谷大塚や早稲田アカデミーが良いと思います。
A授業、B授業制ではなく、いきなりクラスを任される塾はアドバイスが不適切の場合があります。
講師を見定める判断力が必要です。
進学塾とひとくくりにすると、どこが合っているのか分からない場合もありますし、
どこの塾でもいっしょと無責任にいう人もいます。
伸びる環境は個々のお子様によって異なります。
どこでも同じではありませんので、最も相応しい塾を選んでください。