捨て問を避けて難関校に受かるの?

プロ野球をテレビで見ていると、あきらかにボール球になるフォークボールを空振りする選手がたくさんいます。

満塁のチャンスなどで、その光景が目に入ってくると、

なんで?と思いますが、

実際に体験すると、仕方のないことなのでしょう。

 

フォークボールは捨て球!振るな!

見送ればボールになってチャンスになるので、この作戦はありだと思います。

そんな簡単な話ではありませんが。

 

北海道日ハムの大谷は、球速が他の投手よりも速いです。

大谷の速球は速いから捨て球!振るな!

見送ればストライクになりますし、大谷もどんどん速球で攻めてくるので、勝負はついてしまいます。

ということで、こんなことを言っているプロ野球選手・コーチは皆無でしょう。

 

女子は共学は難しい?

最近よく使われる言葉、捨て問。

私が現役の2012年頃までそれほど流行っていなかった気がしますが、ここ2、3年での流行りかたは鳥インフルエンザ並です。

 

捨て問は、

プロ野球投手の振らなければ有利になるフォークボールなのでしょうか?それとも振らなければ不利になる大谷のような速球なのでしょうか?

私はどう考えても後者だと思います。

 

前職は、啓進塾を模倣して6年生の2、3番目のクラスを男女別にしました。

これを決めたときの上司の嬉しそうな顔が忘れられません。

「これで啓進塾のように浅野に受かる!」

このときから、私は退職を考え始めたような気がします(笑)

 

私はなぜか女子クラスを担当することが多かったですが、共学の入試に苦戦しました。

浦和明の星、フェリス、豊島岡、横共、洗足にはまずまず合格したと思いますが、

早実、渋幕はもちろんのこと、渋渋、市川、明大明治もボーダー付近と思われた生徒さんが、なかなか受かりませんでした。

 

私は理科に大きな原因があると思いましたが、

社内では、普段、女子中の問題ばっかりやらせているから、共学の算数は通用しないと評価していました。

多勢に無勢の状況で論破するのは難しいと思い、発言は控えましたが、

「この子は共学行ける・行けない」という判断を、算数の応用力をもとにしていたことは確かです。

 

もっともっと難しい問題で鍛えれば「共学に行ける」状態になるのかどうかは分かりませんが、

難しい問題の演習が足りなければ、難問を出題する学校に合格するのは難しいでしょう。

易しい問題を汗をかかずに取り組み、いつの間にか難問も出来るようになっている!

そういう上手い話はあるのでしょうか?

難関中に行きたい気持ちが強い場合は、上手い話は信じない方がいいと思います。

 

私のイメージですが、

正答率10%の問題に粘って取り組む→正答率30%の問題に通用する

正答率10%の問題を避け、正答率30%の問題に取り組む→正答率50%の問題に通用する

 

作戦として正答率10%の問題は取れなくてもいいと思いますが、

それに粘って取り組まないと、勝負を分ける正答率30~50%の問題に通用しないと思っています。

 

塾で難問の練習

私の塾講師の頃のモットーは

ギリギリ理解できるレベルの難問と、豊富な典型題の演習の二本立てで力をつけていくものです。

難問は授業を聴いて理解できれば、復習時に解けなくても問題なしという考えです。

難問が家で復習するときに解けなくても、応用的な技の組み合わせを理解することを取り入れたいと考えていました。

授業テストの平均点30点くらいはあたりまえで、40点台で合格、50点台を取れて優秀児でした。

 

そういった問題にしっかり取り組むことが応用力につながりますというと少し語弊があります。

正直に書きますと、だれもが応用力が付くというわけではありません。

一部の子だけです。

一部の子とは、やる前から完全に分かっているわけではありません。

変身する子もかなりいますので。

その一部の子も、難問に触れなければ一部の子と呼ばれないで終わるでしょう。

応用力が育つか育たないか未知なので、とにかくそれを信じて難問に接していくという姿勢です。

 

授業では、担当が、そのクラスに相応しい問題を選んでくれていることでしょう。

上記のように、難問好きな講師とそうでない講師がいますので、相応しいというさじ加減は講師によって異なります。

また、クラス内でのレベル差が激しい場合は、ある生徒にとってはピリ辛でも、ある生徒にとっては激辛でしょう。

塾で、かなりの難問の練習ができお腹いっぱいという環境もあれば、まったく難問に触れない環境もあります。

 

お腹いっぱいならば家で難問演習をやらなくてもいいでしょう。

触れなければ家でやるしかありません。

 

過去問や模擬試験の捨て問

次は過去問演習や模擬試験での難問についてです。

入試においては難問も奇問も出題されます。

中学校の先生の意欲作が大外れの場合もあります。

塾講師が皆、口をそろえて、難問奇問はないと言いますが、ないわけがありません。

模擬試験では正答率が載っているので、5%未満の問題は難問と呼んでいいと思います。

 

それをどうするかです。

難しい問題を捨て問!と決めつけて避ける勉強が本当に正しいでしょうか?

難問に取り組むと、時間がかなりかかります。

時間の無駄と思えてしまうかもしれません。

難問を避けたら、実力がつかないかもしれません。

どっちが正しいのでしょう。

 

捨て問を単元別にとらえる

私はその答えは「単元によって違う!」としたいです。

 

数の性質の難問は訳が分かりません。

丁寧に説明されても得るものが少ないでしょう。

 

立体図形の難問は苦しいだけでしょう。

脳が硬直しそうです。

 

平面図形の難問は思いつかないから難しいわけであって、

解説をみていかに吸収できるかが勝負です。

 

割合、速さの難問は、予想だにできない解法をしなければならなかったり、条件が多すぎたりします。

これもていねいに説明されても得るものが少ないでしょう。

誤用で使われる役不足の状態です。

 

そういう中にあって、「場合の数」、「点の移動」、「図形の移動」は難問に立ち向かって欲しいです。

この3単元でも、問題によっては脳が硬直するものもありますので、(図形の移動はその傾向があります)

必ずとは言えませんが、

面倒くさい→だから難問→だから捨て問!

そうとらえて欲しくないです。

 

良くない解き方ができるかどうか

最後になりますが、受験は競争です。

「効率の良い勉強」で効果を上げていくことは欠かせません。

しかし「効率の良い勉強」と思っているものが、「楽な勉強」に変換されている場合があります。

苦労して汗をかいて学習するのも、難関校に受かるための効率の良い勉強です。

 

スカイプで指導している生徒さんで、丁寧に多量に書き出す習慣の付いているお子様がいます。

もっと簡単に考えられる場合は解き方を紹介していますが、基本はノータッチです。

「うん。うん。いいよ。それで。じゃ。次。」

こればっかりです。

 

そのひとりで立ち向かえる脅威の粘り腰が入試で役に立つと思っているからです。

実際の入試本番では解けずに、あとで解説してもらって、理解できました!復習ではできます!

これでは意味がありませんので。

教わって「あっ、そういう解き方でも解けるんだ」、「そっちの方が楽だ」

こんな感想を持つことが理想です。

 

そうしましたら、良くない解き方でも答えを出すという力が必要なわけです。

教わったことをしっかり復習だけでは、この力がなかなか生まれません。

 

じっくり難問に取り組んで、自己流の答えを出す勉強が必要です。

これは難関校には限りません。

テキストに載っている問題ばっかり出題されるという学校以外は当てはまると思います。

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