小4長期【場合の数】について

場合の数は難関中で差のつく問題としてよく出題されます

4年生は場合の数が最も重要な単元です。

場合の数は、難関中の入試問題では中盤から後半にかけて、受験生の差のつく問題という位置づけで出題されます。

場合の数が強いことが、難関中学進学の必要条件と言ってもいいくらいです。

問題を解くときに整えて書く習慣ができる

難関中でよく出題されるから、4年生で場合の数をしっかり学習した方が良いという捉え方も正しいですが、4年生で場合の数をお勧めする理由は、整えて書く習慣ができることが大きいです。

整えて書く習慣が身につくと、算数の多くの単元で解法力が上がります。

その意味では、場合の数は受験算数の基礎と呼んでも良いです。

ここで、大切なことは、場合の数を、4年生向きの問題を4年生らしく解いていかないと、基礎力に繋がらないということです。

塾講師でも考え方が様々で、すぐにテクニックを教えて「楽に答えを出すことが正義」と考えている講師も少なくありません。

テクニックさえ教えれば、かなり高度な難問まで取り組んで正解にできますので、それが正しい学習だと思っていると思いますが、それでは整えて書く習慣には繋がりません。

そして覚える算数になってしまい、どうしてそれで答えが出るのか分からないという質の低い学習になる恐れがあります。

長い目で見ると、やっていたことが、無駄どころかマイナスになってしまうかもしれません。

4年生向きの問題を4年生らしく解くことで、整えて書いて解くという質の高い基礎力になります。

書いて調べていく作業力が上がる

難関中の入試問題作問者は、解き方を覚える学習姿勢の子が合格しない問題をつくることを目指しています。

そのためには、難解だけど、少し書き出してみるなど作業をして、そこで仕組みを見抜き、その仕組みが分かったら計算などを利用して解けるという問題を好んで作問しています。

場合の数で分からなかったら少し書き出してみるという姿勢ができると、とても大きな財産になります。

4年生で学習したことが血となり肉となる

学習したことはすべて血となり肉となるのでは?と思われる方も多いと思いますが、そうではありません。

勉強は難しくなると、理解する算数ではなく、覚える算数になります。

どうしてこの図や式で解けるのか分からないけど、解けるからこの計算をしているという学習は、いまは点数が取れていても長い目で見ると逆効果です。

易しい問題、難しい問題という基準ではなく、高度な単元か否かという目で見ます。

高度な単元は、覚える算数になりやすいです。

具体的には、「割合や比」を使う抽象的な分野、数の仕組みを利用する「数の性質」や「規則性」です。

割合や比を避けるとなると、多くの単元を学習することができません。

例えば、入試において、場合の数と同じくらい重要分野の「速さ」で考えますと、割合や比を使わない難しい問題はとても少ないですし、その少数派の問題を学習しても、いざ、比を使う問題が入ってきますと、問題に接したときの取り組み方がまるで異なります。

速さは図のかき方の練習、整えて処理する習慣だけ身につけて、難問は、比を学習した後に向き合っていくとした方が効果的ですし、時間や労力の無駄もありません。

場合の数以外では、平面図形の「角度」や「面積」、立体図形の「体積」、「表面積」、「展開図」などは4年生で取り組んでも効果的です。

しかし、いま挙げました単元は、それほど奥深い単元ではありませんので、基礎を築いていくことにはなりません。

6年生のときの難問に備え、いまからその準備をしていくスタイルとなると、場合の数一択になります。

各単元、学習するのに最適な時期というものがあり、4年生で難問まで取り組んでも弊害が無く、学習したことが後に生きるというものは場合の数だけです。

適した時期に適した難度のものを学習するということは、受験勉強に限らず、学問の王道です。

場合の数に特化した学習で「場合の数だけは誰にも負けない!」という状況をつくることが、コストパフォーマンスが高い(労力をかけなくても学力が上がる)作戦だと思います。

小4長期【場合の数】の特徴

小4長期【場合の数】は当教材で、毎年、売上ベスト3に入る教材です。

分割でのご購入の方のリピート率の高さや、他の教材も新たにご購入くださる方も多く、手前味噌ですが、客観的に良い教材なのだと思っています。

解説はゆくゆくはリンク式にした方が良いかな?と思っていますが、問題の配列は、改訂したいと思わないくらいの完成度です。

実際にスカイプ指導でも使うことが多く、似ている問題が頻繁に出たり、作業系の問題の比重も程良く、少しずつレベルが上がったりで、とても使いやすく、学習効果も高いと思っています。

小4長期【場合の数】の特徴は以下のものです。

  1. 樹形図の解説廃止
  2. 選ぶ問題は計算不使用(コンビネーション不使用)
  3. 色塗り問題削除
  4. 道順の問題削除
  5. 書き出し問題削除

①は、場合の数は樹形図で考えるのが一般的ですが、tai-sanでは、樹形図は、指導者がかいて生徒が納得するためのもので、生徒自身がかくものではないという考えです。

理由は、樹形図は線が多くなって、作業が増え、見えにくく、雑になり、精度が下がるからです。

「樹形図をかきなさい」と言う指導者もいますが、小学生には樹形図をかくことは難しいです。

だいたい何通りになるくらいか事前につかめていないと、上手くかけません。

上手くかかないと間違えてしまいます。

樹形図のかき方を磨く必要があるならば、頑張ってもらいたいところですが、樹形図をまったくかかない子が場合の数が得意ということもよくありますので、樹形図は逆効果と考えています。

場合の数が苦手という子は、樹形図をかくから苦手というケースは多いと思います。

また、樹形図をかき始めると、途中から計算に移るということが難しく、最後まで樹形図をかいて、時間がかかり、正解にもならないということが多いです。

樹形図のかわりに□を使って書いていくと、途中から計算で求められると感じ、計算に移りやすいと思います。

②は、選ぶ問題は、コンビネーションで教わることが多いですが、解く流れの中でそれを使えなければ、学んでも意味がありません。

コンビネーションはできるけど、解くときに使えず、解けなかったというケースは多いです。

4年生の間は、解く流れの中で選ぶ要素が出てきたら、書き出していく方が地力がつきやすいと思います。

また、コンビネーションの意味が分からずに使っていくのはマイナスだと思いますし、意味を理解する必要は4年生では無いと考えています。

③は、意味が分からずルール化して解きがちなので、それならば扱う必要無しと判断しました。

④も③と同じ考え方です。

覚えて解くだけならば、6年生の9月ころ、10分くらい教われば、十分間に合います。

 ⑤は、書き出し教材(小4特化【場合の数・書き出し】)をつくったので、こちらの教材では廃止されたというだけです。

この小4長期【場合の数】」を取り組む前に、小4特化【場合の数・書き出し】を学習することを推奨しています。

効果的な使い方

お子様が解けないときは、少し書き出してみることを勧めてください。

全部書き出すことも、大人から見ると、無駄に見えますが、良い学習になっています。

書き出せない場合は、すぐに解説を見てください。

「こんな感じで書いていくのか」と参考にする程度に確認して、書き方を真似して取り組んでください。

それでできなければ、飛ばして良いですし、LINEで質問しても良いです。

たくさん問題があるので、解けた問題も解けない問題も反復する必要はございませんが、数か月後に解き直すと効果はあります。

この20回分をできるだけ早く仕上げ、続編の小5長期【場合の数】に進めていくことが、4年生の英才教育だと思います。

正答率が5割を切っていたら、小5長期【場合の数】に進むよりも、解き直した方が良いと思います。

まとめ

難関中学を目指している塾講師はほぼ全員と言っていいほど場合の数がとても大切と考えています。

しかし、大手塾では場合の数に特化したカリキュラムは組んでいません。

様々なレベルの子に対応したカリキュラムにする必要があるからというのが最も大きな理由だと思いますが、変えることが難しい、変える必要性を感じていないという理由もあると思います。

個人的には、難関中を目指している子はもちろんのこと、様々なレベルの子にも場合の数で受験算数の基礎を固めた方が良いと思っています。

市販の教材を見ましても、4年生向け場合の数が豊富に練習できる教材は見当たりません。

4年生の間に場合の数をしっかり練習したいと思われました方は、当教材の小4長期【場合の数】をご利用ください。

場合の数を、導入からじっくり学習したいという方は、次のように進めていくと良いと思います。

  1. 小4特化【場合の数・書き出し】Ⅰ&Ⅱ
  2. 小4対話式算数第17~20回
  3. 小4長期【場合の数】第1回~
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