- 2021年2月8日
スカイプ指導では新5年生のこの時期は比と割合の学習がメインとなります。
大手塾では「比」の前に「割合」という慣習がありますが、「比」から入っていった方が整数で考えられてイメージしやすいので、私の指導では「比」から入ります。
それでデメリットの部分を感じたことがありません。
とは言いましても、この指導は絶対というわけではなく、子供によっては割合も比も受け付けない子がいます。
比はダメだけど、割合なら大丈夫という子は、いままで見たことがありません。
この時期に比を扱うのは難しく、割合もダメという意味です。
比は、整数で考えられるとは言っても、抽象的な単元ですので、すんなり入っていかない子はいます。
そういう場合は無理をせずに、比も割合も扱わずに、和と差の文章題や、面積、角度、規則性、場合の数を学習します。
比を学習し、割合を学習しましたら、そのあとは、「食塩水の濃度」「売買損益算」「仕事算」「速さと比」「平面図形と比」のいずれかを選択します。
この子はこれが良いかなと予想して進めていきますが、予想が外れて挫折することがあります。
これは子供の学力はあまり関係ありません。
相性の問題です。
予想が外れた場合、できるだけ2回以内に切り替えます。
1回目で「ダメかな?」と思い、2回目で決定する感じです。
例えば、食塩水がダメでも仕事算なら行けたり、比と割合の文章題がダメでも平面図形と比なら行けたり、子供によって異なります。
ダメだと思ったことは続けずに、切り替えていくことで、軌道に乗せることができます。
ダメなことでも続けていけば、少しずつ良くなるとは思いますが、コスパが悪く、子供によっては、ズルく乗り切る方法に行ってしまうことがありますので、ダメなことは続けない方が無難だと考えています。
ズルく乗り切るとは、「この式に当てはめれば解ける!」という必勝策を見つけることです。
困ったことに、塾講師も、クラスの平均点を上げるため、あるいは点数の悪いご家庭からのクレームを恐れて、必勝策を教えることがよくあります。
立場上、仕方のないことかもしれませんが、子供の成長を考えると、やってはいけないことだと思っています。
通塾していますと、カリキュラムが順々にやってきますので、常に高得点を取りたいという姿勢だと、相性の悪い問題も頑張ります。
そこで、無理に点数を取りに行くと、「なんだ!理解しなくても点数が取れる!」という境地にたどり着いてしまって、質の低い勉強の始まりとなる恐れがあります。
サピックスで働いている頃は、私が教え方が上手くなかったこともあり、点数を取りたい子に「結局、どういう式で答えが出るんですか!」と言われたものです。
親が指導や成績にあまりこだわらない子が、後々ぐんぐん伸びていくケースはよくありますが、それは、すんなり頭に入っていかない分野はスルーしているからなのではないかと思っています。
このような学習する順番は、未発達な子にとっては特に重要です。
中学受験で考えるならば、小学3~5年生が該当します。
3年生や4年生はどういう順番で、いま何をやるかにこだわらないといけないと思います。
合わないことはやらず、合うことをやっていき、精神年齢の成長とともに合う分野を増やしていくという考え方です。
負荷をかけないという意味ではありません。
理解できている単元は難しい問題まで扱い負荷をかけて鍛えます。
なかなかしっくりこないものは先送りして、そこには負荷をかけないということです。
どこに負荷をかけるかという問題です。
いまの時代、中学受験生の8割以上の子は塾のカリキュラムに合っていないと思います。
通塾していないならば「できる単元をしっかりやる!」、通塾しているならば「できない単元はいまは仕方がない」このように割り切って考えることが大切だと思います。