対話式算数第53話:比2

比の第2回目です。

今回も、実戦的な問題の解き方(書き方)の説明が中心で、比例式や比を簡単にするものは触れていません。

第52話と第53話で、同じ方針の解き方で統一していますので、比の問題はこう解くというスタイルは構築しやすいと思います。

 

興味のある方はこちらにどうぞ

 

第53話:比②

 

53・1

分類としては、倍数変化算と呼ばれるものです。

「はじめ・なに・あと」の表を書いて解いていきます。

線分図は、本質的に変化の対応と相性が悪いです。

 

53・2

53・1の類題で、今度は和を考えます。

和の変化はそれほど難しくないと思います。

 

53・3

ビンと水の重さの問題を扱います。

これは、他で積極的に書いている「はじめ・なに・あと」には当てはまりませんが、項目を変えるだけで、ほとんど同じように解けます。

このように、「一部を加工して同じように解いていく」というスタイルを、対話式算数では基本方針としています。

 

53・4

53・2は和の変化の問題でしたが、今回は差の変化です。

例えば、3000円の差があるときに、多い人が少ない人に1500円を渡したら、2人の金額は同じになります。

この感覚がつかめない生徒さんが多いです。

線分図をかいたり、実際お金を使ったり、積み木などを使ったりして、この感覚を養うと良いと思います。

 

53・5

入試によく出る、旅行後に精算をする問題です。

塾の解説や市販の教材では線分図で解いていることが多いですが、対話式算数では、表のような式で処理しています。

それぞれの種目が平均にくらべて高いか安いか判断して、表のように整えて書けば、線分図よりもデメリットは小さく、メリットは大きいです。

線分図は、線分図をかくことに神経を取られ、平均にくらべて高いか安いかを間違える恐れもあります。

作業はスマートな方がいいという考えが当てはまります。

 

練習問題

 

番号 講評
1 A 同じ金額を使うときは、差が変わらないと考えます。
2 A 同じ金額をもらうときは、差が変わらないと考えます。
3 A 初めの差は0円で、差がいくらになったかを考えます。
4 A 兄が720円を使うと、2人の和も720円減ると考えます。
5 A 2人の和の変化を考えます。
6 B 2人合わせて1680円使ったので、初めの和を求められます。
7 A 身長の差と、海面より上の差は同じです。図をかいてイメージしても良いと思います。
8 B 満水の水の重さを⑨にして、水の入れ方2パターンを表のようにならべてみましょう。
9 B 8番の類題です。満水の水の重さを最小公倍数の⑮にします。
10 A 縦と横をそれぞれ長くしたら正方形になるので、初めの縦と横の長さの差が分かります。
11 B もらったお金の差を考えると、逆転はしていないことが分かります。差が縮まって850円になったということは、初めの差は?というように考えます。
12 B 初めの差が分かります。3倍になった方で考えます。解きやすい表を書けばすらすら解けると思います。
13 B 平均の値段を①にして、それぞれの値段を表します。
14 C 13番の類題です。それぞれの費用を求めるのは少々大変ですが、最後は交通費は昼食費の半分という条件があるので解きやすいと思います。
15 C Eから「平均」が分かります。「BがAに払ったお金」→「CがAに払ったお金」→「Aがもらったお金」→「電車賃」の順に求めていきます。答えまでの道筋がやや長いので、難しく感じるかもしれません。

「難」は難度は以下の基準です。
A:確実に解けるようにしたい問題
B:サピックス偏差値50以上を目指す人向けの問題
C:サピックス偏差値60以上を目指す人向けの問題
D:特に難しい問題

※「要」は重要度で以下の基準です(B・C・Dのみ表記)。
ゼ:絶対に解けるようにしたい重要な問題
テ:よく出る典型題
ヒ:捻りのある問題
サ:地道な作業が必要な問題

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