- 2020年3月8日
教育業界は怪しいものが多いです。
「なんでもいいから利益を上げたい!」
と思っている経営者が多いです。
最近、見た家庭教師センターは指導料金が激安で、全額その料金が講師に入るそうです。
HPに他の家庭教師センターとの比較があり、料金が安く、逆に講師の時給は高く講師のモチベーションも上がるからいいことずくめと書いてありました。
センターの取り分無し?
経営者はボランティア?
そんなわけはありません。
教材費や管理費が指導料の80%くらいで、それが指導料に加算してかかります。
当然のことです。
他の家庭教師センターが、センターの取り分も指導料に含めているのに対し、そこは指導料と管理費を分けているだけのことです。
同じことなのに、よくそういう広告をうてるなと驚いてしまいます。
美味しい話はあるわけがないのに、さも美味しい話があるかのように工夫して、よく知らない客を引き込むという手法です。
それでも、トータルして1時間4000円弱なので、それほど高くはないので、信頼できれば良いと思います。
そこのセンターでは、1対1でも安いですが、2対1の個別指導にするとわずかの金額上乗せで2人が受けられるようです。
破格値です。
でも少し考えてみました。
講師1人が2人を指導?
これは可能です。
ここでブログを読むのを止めないでください。
「ただし」が付きます。
教わる2人の子がとても優秀で、教える時間が解いてもらう時間よりも圧倒的に少なくて良い場合です。
ちょっとヒントを聞くと、解きたくて仕方のない子が2人の場合です。
それならば成り立ちます。
そうでなければ不可能でしょう。
教えるときに、しっかり教えることも大切ですが、どこで躓くか、どこでミスをしているかを把握することが大切です。
答えまで辿り着けない可能性が高いので、過程を見るのが指導の大半のはずです。
2対1ならば、交互に教えて、肝心の解いている間はお任せです。
2対1で教えている個別指導の現場を見たことがありますが、授業として成り立っているシーンは見たことがありません。
相手がまだ教わっているから手持ち無沙汰になって暇になっている生徒さんもかなりいます。
教えるだけで、あとはお任せならば、集団塾と同じようなものではないでしょうか。
教わったけど、結局、自分の力で解けるところまで見てもらえないので。
有効なのは、優等生2人の場合以外もあります。
親と勉強するとバトルになる、家では勉強が持続しない、勉強がそもそも嫌いで管理する人が必要
このような場合です。
残念な理由とも言えますが、こういう場合でのみ、2対1は有効で、学習効果を目指したら2対1は避けた方が良いと思います。
シーソーのように「教わる」と「解く」が交互になんてできません。
安かろう悪かろうといっていいのか、焼き肉食べ放題の店でなぜか寿司食べ放題もあって、両方とも質はイマイチという状態なのか、勉強の質は低下しがちです。
予算面もあるのでなんとも言えませんが、1対1で学習し、短めの指導時間にして、その浮いた時間は遊んだ方が余程良いような気がします。
塾が「2対1でもできる」と判断したからそういうサービスがあるとは捉えないでください。
1対1だと、生徒さんが解いている時間が無駄だから、2対1にしてしまおうという塾の経営者の発想です。
決められた時間、椅子に座って学習をするという目標ならば2対1でも良いですが、学力を上げる目標ならば1対1ではないと意味がないでしょう。
集団授業よりも講師の位置が近いというくらいの効果しかありません。
中学受験を経験したことがない保護者ですと、「これが中学受験の常識」という間違えたとらえ方をする恐れがあります。
中学受験でも高校受験でも大学受験でも学力を上げる学習法に大きな違いはありません。
「間違えた選択をしないように戦略を練って欲しい」と思うことが、集客時期だからかここのところ続きました。