- 2017年6月20日
マイカーでサーキットを走ると、千分の一秒単位のタイムというシビアなものが出て、
その魔力にとりつかれてのめり込んでしまう場合があります。
タイムを上げる方法は簡単です。
賞金を稼げるトップレーサーならば素質もとても大切ですが、
素人のちょっと速い程度ならば、誰でもなれます。
腕を上げるかクルマを速くするかです。
両方が望ましいですが、今回は、どちらかということで進めていきます。
いきなり受験ブログとはまったく関係のなさそう話ですが、もう少し続けさせてください。
腕を上げるのはイメージが湧くと思いますが、練習して上手くなることです。
クルマを速くするのは、「パワーを上げる」、「軽くする」、「レスポンスをよくする」
まだいくつかありますが、これ以上はマニアックになるので、このくらいにしておきます。
イメージ的には、腕を上げるのはリーズナブルで、クルマを速くすることはお金がかかるイメージです。
しかし、かなり違います。
腕を上げるというのはお金がかかります。
一般道を普通に走るだけでは練習にならず、(高速道路はもっと練習にならず)
その練習場所に行く費用、練習場所を利用する費用、燃料、消耗品などがかかります。
ご存知ない方はビックリすると思いますが、本気で走ると燃費はリッター3キロ台です。
どんなクルマでも(リーフは除く)リッター5キロ以上は走れないと思います。
1番お金がかからないのは、軽くすることです。
エアコン取って、カーナビあたりまえでオーディオ取って、カーペットなどの内装取って、椅子を取って、至る処に穴をあけて、断熱材・遮音材取って
極める場合は、エアコンに留まらずヒーターも取って
というように不快なクルマにしていくと軽くなります。
お金は出ていきませんが、快適性は出ていきます。
腕を上げるのも、クルマを速くするのもお金がかかることですが、
クルマを乗り換えた場合は、腕を上げておくと、次のクルマにもそれが生かされます。
ということで、腕を上げることが理想だとは思います。
では、そろそろ本題に入ります。
ときどき、入試で繰り上がり合格になったご家庭から、
「中学に入ってからついて行けるか」という質問をされる場合があります。
模範回答は「気にすることはない。ついていける。」ですが、
私は正直に「分からないけど、高得点をとり上位で入学した人も同様に先は分からない」と答えます。
簡単に言えば、繰り上がり合格でも気にすることはないということです。
それと同じ感覚で、
- 家で親がみっちり教え込んだ場合
- 家庭教師を雇った場合
- 集団塾のときは不振で個別指導に切り替えて受験勉強をした場合
これらも中学になってどうなるのか気になるかもしれません。
1は実は心配です。
どういう教え込み方をしたかによりますが、
合格となり、大きな目標がなくなると、同じような支え方を継続するのは難しいでしょう。
そのときどうなるかです。
2は飛ばします。
今回のメインテーマだからです。
3も心配です。
1対1じゃないと身につかないというのは、これから将来が心配です。
集団塾よりも自学自習の方が厳しい環境なので、
集団塾を辞めて、自学自習メインならば問題はありませんが、
家庭教師や個別指導を、集団塾並のウェートで利用した場合は中学に行ってからの成長にかけるしかありません。
家庭教師や個別指導の講師が、そのあたりがしっかり分かっていて、
集団授業のような教え方をすれば、そういった心配はかなり解消されますが、
どの講師がどうなのかを見抜くことは不可能に近いと思います。
では、本題の2です。
ここで、長かった冒頭のクルマの話が出てきます。
家庭教師を利用するのは、クルマを速くすることではありません。
腕を上げることと同じです。
クルマの買い換えは中学入学に当てはまりますが、
腕を上げていれば、クルマを買い換えても速いです。
どうして家庭教師を利用するかというと、理解不足だからではありません。
身につくまできちんと取り組むことができないからです。
身についていないのに、身についた気分(そういう視点がないかも)になって、淡々と日々を過ごしているからです。
言いかえると、正しく出来ていないのに、それを認識できていないからです。
家庭教師の役割は、正しくないことを指摘し、修正することです。
その中で、必要であれば丁寧に説明するということです。
「そうやって身につけていけば良いんだ」と肌で感じてもらうことができれば、
家庭教師を利用した効果があったと言えます。
お子様によっては、家庭教師を利用しなくても学力を高めていますが、
こればかりは個人差があります。
自分のやっていることを客観的に評価でき、修正しながら進んでいける子か、
きちんとダメ出ししてもらわないと修正できない子かの違いです。
家庭教師は特効薬でもその場しのぎでもドーピングでもなんでもなく、
間違っている学習に対して「NO!」と伝えてくれる人と考えると良いと思います。
学生、社会人問わず「教えること」が大好きな講師だとそういう感覚で指導していないかもしれませんが…
本音を言えば、間違えている勉強法だけでなく、間違えて理解していること、間違えている解き方をしていても、
黙って見守り、長い目で見て、お子様自身で間違いに気がつき、修正することが理想なのかもしれません。
しかし、見守っていれば高い確率で、軌道修正できるわけではありません。
そのまま「苦手」となって固定されてしまう可能性が高いです。
受験という目的地がありますので、
「自発的な修正」という理想の追求よりも、「指摘されて修正」を選んだ方が正解だと思います。