偏差値50以上の子を偏差値65に育てる教材
もともとの素質が偏差値65くらいの子を対象にした教材はならば作成するのは簡単です。
良問の難問を扱うだけで十分です。
塾講師時代はそういった教材は大量につくっていました。
予習シリーズの最難関問題集などもそういう教材です。
しかし、このサイトでは、偏差値55くらいの子を偏差値65の学力に引き上げることを目指しています
とは言いましても、誰でも偏差値65を取れるとは言えません。
偏差値55の子は、このような勉強をしていけば偏差値65になりますという狙いです。
それより偏差値が高い子は偏差値65以上になりますが、最初から偏差値70を遥かに上回る類い希な子ならば、様々な学習スタイルの選択肢があります。
また、それより偏差値が低い子は、その学習ができるかどうかを様子を見ながら取り組み、できるものをやっていくというスタンスが良いと思います。
冒頭で、もともとの素質が偏差値65の子を対象にした教材の作成は簡単と書きましたが、偏差値55の子を対象にして、子供の学力を引き上げて偏差値65に育てる教材は簡単にはできません。
難問まで辿り着くステップアップを、工夫を凝らしていく必要があります。
長年、自作の教材を改良し、偏差値55の子が、偏差値65に成長できる教材といっていいくらいのラインナップになりました。
魔法のような不思議な教材ではありませんが、能力が高く難問をどんどん取り組める子供向けの難しい教材ではありません。
必要な負担と不要な負担を分けることが大切です
「楽をして合格を目指す方法」ではなく、「無駄な苦労をせずに合格を目指す方法」を探し求めています。
テクニックや解き方を教えて、簡単に正解を求められるというのは、必要な負担が省かれていることになります。
必要な苦労まで避けてしまったら学力向上は難しいです。
しかし、無駄な苦労はしない方針ですので、負担が減る箇所はたくさんあると思います。
例えば計算練習では、4年生のときに分数や小数の四則演算、あるいはその逆算までしっかりやるのは無駄だと考えています。
精神年齢が発達する6年生の最後まで、長い目で見て仕上げていけばいいものなので、4年生で急いで仕上げる必要はありません。
そんなに急いでどこへ行く?と思ってしまいます。
まだ、数に対する感覚があやふやな段階で、ハイレベルな計算まで求めていくと、効率も悪く、理解が伴わないのに解くことで弊害もあります。
「それはいま地道にやった方が良い」「それは時期尚早」と仕分けしていきます。
受験算数は無駄が多いので、偏差値65に引き上げるとは言っても、楽になる部分もかなりあります。
偏差値10はやり方次第で上がる
偏差値10上がる根拠も書きます。
私が川崎の塾に入社し、初年度、4クラス中3番目のクラスを担当したとき、例年、その位置のクラスの上位半分の算数の平均偏差値(30人いたら7位の人)は46~47です。
私が担当したときは50台後半が多く、7位の人で56~57でした。
なぜ上位者で比べたかと申しますと、システムに乗ってしっかり取り組めた人の比較をしたかったからです。
偏差値55から65と、偏差値46から56では、同じ10アップでもかなり異なりますが、そもそも学習システムがいまお勧めしているものと全く異なっていますので、あくまでも、やり方によって生徒の成績は大きな差が出るという主張として書きました。
初年度の古いデータを引っ張り出したくなかったですが、それ以降、生徒数が増えてクラス数が増えたり、男女別クラス採用などしてしまったので、比較データが取れませんでした。
小学1~2年生の学習
必須なものは暗算の練習だけです。
暗算の練習の他は、市販の知育グッズ、カツクロやナンバープレイスなどの算数パズルなど相性が良いものがありましたら、取り組んでください。
「先取り学習」をする予定の場合でも、書き出しくらいはやっておいた方が良いと思いますが、それ以上の勉強は必須ではありません。
その他には、図形を描くこと、日常生活でいろいろ計算をすること、算数に限らず理由を考える習慣をつけることも、受験算数の下地をつくる重要な学習となります。
暗算の練習は、知らない人はいないのでは?というくらい有名な百ます計算をお勧めしていますが、10以下が余裕となったら、15以下、20以下などに少しずつステップアップしてみましょう。
大切なことは、完全に暗算で、答は上の桁から書くこと、少々のミスを気にせずにスピード重視でいくことです。
暗算以外では、筆算のたし算(2~3桁)、筆算のひき算(2~3桁)、筆算のかけ算(2桁)を、短い時間で大量の問題を解く方法も効果的です。
計算練習は修行ではありませんので、辛いのを耐えてダラダラとやる習慣をつけないように、常にゲーム感覚で短い時間で全力集中で取り組めるようにします。
教材は市販の教材や公文でも良いですし、百ます計算をエクセルで自作しても良いです。
百ます計算を自作しますと、たくさん練習ができますし、子供が答をキーボードに打ち込めば、自動で採点できますので楽です。
公文は、一般的にはどんどん上の学年に進んでいきますが、ここでは筆算のたし算、ひき算、かけ算をスピード重視で取り組んで計算力をつけることが狙いですので、そのような使い方はせずに、A~Cをそれぞれ3回くらいくり返すことをお勧めします。
他に楽しみながら計算力を鍛えるツールとして下のアプリをお薦めします。
小学3年生の学習
3年生の計算も百ます計算一択
3年生は、1~2年生のときよりも計算練習が大切です。
計算といってもいろいろありますが、「3桁のたし算・ひき算」「2桁の4つのたし算」「2桁×2桁のかけ算」 が暗算でできるレベルに引き上げることです。
その中でも、特に大切なのは「2桁×2桁」の暗算です。
3年生の最終目標は50以下どうしのかけ算の暗算です。
百ます計算でタイムを競って練習するのが良いと思います。
「2桁×2桁のかけ算」中心で、ときどき、「3桁のたし算・ひき算」「2桁の4つのたし算」を扱うバランスが良いと思います。
百ます計算のステップアップの仕方
百ます計算は1年間かけて、徐々にステップアップしていきましょう。
下の表が3年生の4月から1年間の計算レベル見本例です。
時期 | 計算レベル |
---|---|
4月 | 50以下×1桁 ※答えを一の位から書かず、1番大きい位から書きます。 |
5月 | 99以下×1桁 ※答えを一の位から書かず、1番大きい位から書きます。 |
6月 | 20以下×20以下 |
7月 | 30以下×20以下 |
8月 | 50以下×20以下 |
9月 | 30以下×30以下 |
10月 | 50以下×30以下 |
11~3月 | 50以下×50以下 |
計算は、50以下×50以下までで十分なので、これ以降は練習頻度を徐々に減らして良いですが、練習は継続して、計算の感覚が錆びないようにしましょう。
計算力がかなり高く、且つ、計算で大きなアドバンテージを作りたい人は「99以下×99以下」のマスターを目指しましょう。
究極の3桁の「999以下×999以下」を目指してステップアップするのも良いと思います。
小学3年生は「書き出し」が必須
通塾開始は新小5の2月、家庭での受験勉強は、3年生の4~9月くらいの時期からスタートするとちょうど良いと思います。
大手塾の3年生は、「パズル系の問題」「計算練習」「中学受験の範囲の易しい単元の問題」などが扱われますが、私は、学習効果が高いものは、「計算(暗算)」「書き出し」「図や表を書く」の3つだと考えています。
「計算」は百ます計算で「50以下」×「50以下」を暗算で素早くできることを目指すことを推奨します。
「書き出し」は場合の数の問題の中で、書き出して答を出す問題です。
上の3つの中で、最重要の学習は書き出しです。
塾講師時代に毎年のように小3応用クラスを担当しました。
ゆくゆくは開成、桜蔭、栄光、聖光を受験する子たちが中心のクラスです。
学力を高められる授業を行う必要があるので、何を学習すればよいか、しばらく試行錯誤が続きました。
上記のパズルや中学受験の範囲の易しい単元の問題を扱ったこともあります。
数年間の試行錯誤の末、難関中合格に向けた学習として、書き出し練習が最適だと結論づけました。
3年生の4月から書き出し練習の要となる小3鍛える算数【書き出し】を取り組み始めることをお勧めします。
※開始時期がそれより遅くても簡単に挽回できます。
新・先取り学習のススメ
一般的な先取り学習というものは、早熟で優秀な子だけができるものですが、ここで「新・先取り学習」と呼んでいますものは、偏差値50以上の子ならば大きな効果がある学習です。
3年生が、大手塾の小4用の教材を4年生の学習とは異なるアプローチで取り組んでいくものです。
具体的には、測る、作図する、書き出す、表を書く(整えて並べる)、めもりを書く、くぎる、数えるなどの作業を重視して取り組んでいきます。
その過程で身につく実感力が、いざ受験勉強の小4の教材を扱うときに、大いに役に立ちます。
私は応用力に繋がるものを基礎と呼んでいますが、この「新・先取り学習」は受験勉強の小4の教材が実感が伴って良い学習になりやすくなるものですので、3年生の間に受験勉強の基礎をしっかり学習しようという位置づけです。
3年生の夏休みぐらいから「新・先取り学習」の要となる対話式算数・基礎編を取り組み始めることをお勧めします。
小学4年生の学習
受験算数は、どうしてその解法で解けるか、理由を理解することが大切です
どうしたら受験算数が得意になるのだろう?と思われている方はとても多いと思いますが、その解決策は、表題通り、どうしてその解法で解けるか、理由を理解することがポイントです。
「そのためにはどういう勉強をすればいいか」と逆算のように考えます。
問題をたくさん解いてもそれが養われない可能性が高いので、そのかわりに、算数論の文章をしっかり読んでいくという学習スタイルを提案いたします。
算数論とは「解き方についての考察」という意味で使っています。
解法の世界に興味のない子供にとっては小難しい話になりますので、できるだけしっかり読めるように、tai-sanのメイン教材の対話式算数では、2人の生徒と1人の先生の3人による会話で算数論を充実させています。
対話式算数を使用した生徒さんを拝見しますと、算数論がしっかり身についていますので、狙い通りの教材に仕上がっていると言えます。
算数の学力を高めるためには何が必要か、明確な言葉にしにくいと思いますが、算数論をしっかり読むこととすると良いと思います。
小学4年生は場合の数が大切
中学入試は難関校になるほど、数系の分野で差がつきます。
「速さ」「立体図形」「図形の移動」も難度は高いですが、差がつく分野といえば、数系です。
数系とは「数の性質」「規則性」「場合の数」「推理」の総称です。
新小5の2月の時点での偏差値65も目標ですが、目的は難関校に合格することですので、tai-sanでは数系にとても力を入れています。
メイン教材の対話式算数以外に10点以上の数系の教材を用意していますが、4年生向けの教材も3点ございます。
応用力とは、問題文を読んで「解き方の戦略を考える習慣をつける」「良い戦略を立て、適した戦術で解く力をつける」ことの2点がポイントです。
リンク式算数は戦略を立てる習慣、上手い戦略を立てるスキルアップに特化した教材です。
3年生は「書き出し」が重要ですが、引き続き、4年生まで「書き出し」が重要です。
200問用意しました。
短期で集中的に取り組んでも良いですし、長期で計画的に取り組んでも良いです。