小学6年生の間も家で勉強する!

小6の学習は状況によって大きく異なる

小5対話式算数が終わったら

5年生の間の学習は下のものが考えられます。

  1. 小6対話式算数を取り組む
  2. 「場合の数」「平面図形と比」「速さと比」「立体図形」「数の性質」を重点的に取り組む
  3. 小4&小5対話式算数を完璧になるまで反復する
  4. 予習シリーズや中学への算数など市販の教材を取り組む

小5対話式算数が終了したとなると、場合の数や平面図形以外の応用問題に取り組む作戦もありですが、本当に、小4対話式算数・小5対話式算数の内容が身についているか、総復習をすることが先だと思います。

それが一通り終わりましたら、後は自由にやりたい勉強をやっていけば良いと思います。

上の①~④のいずれかを取り組んで、新6年生から通塾を開始しましたら、これまたサピックスでも偏差値65以上は確実と言える状態だと思います。

自由と書きましたが、どちらかといいますと、①がお勧めです。

まだ5年生では難問は難しく、難問をやることで、いままで築き上げていたものが崩れる恐れもあります。

小6対話式算数で、解法テクニックを身につけてから難問を取り組んだ方が、無難な選択だと思います。

小6対話式算数を取り組む

小6対話式算数は単元別と難問に分かれます。

難問はさすがに5年生では厳しいと思います。

単元別は、5年生では扱えなかったテクニック的なものをたくさん吸収できます。

算数はテクニックではなく、書き出してでも答えを出せる地力が大切ですが、テクニックもあるに越したことはありません。

小5対話式算数が終了しましたら、テクニックを身につけても良い時期だと思います。

「場合の数」「平面図形と比」「速さと比」「立体図形」「数の性質」を重点的に取り組む

1つ1つ得意単元をつくっていく学習が、難関中向けのベストの対策だと考えています。

重要単元をすべて得意単元と呼べるようになったら、ローテーションでバランス良く学習したいところですが、それまでは、1つずつ重要分野を鍛えていく方針をお勧めします。

4年生からの流れを書きますと、下のようになります。

時期単元
4年生(4月~3月)場合の数
5年生(4月~3月)場合の数
5年生(8月~12月)平面図形と比
5年生(12月~3月)速さと比
6年生(4月~7月)立体図形
6年生(8月~12月)数の性質
6年生(8月~1月)総合演習
6年生(9月~1月)過去問演習

この表に挙げなかった単元でも難度が高いものはありますが、特に志望校の入試によく出る単元でなければ、6年生最後の総合演習で十分です。

場合の数

場合の数は難度に上限がありませんし、優秀生な受験生でも程よく差が付きやすい問題になりやすいです。

場合の数の力はあればあるほど、得点力は安定し、数系の応用問題にも強くなります。

小4・5で力を入れたいのは場合の数一択でしたが、小5対話式算数が終われば、どの単元を重点的に学習しても良いですが、ここで継続して場合の数に力を入れても良いと思います。

平面図形と比

平面図形と比は基本的な解法の型が出来ましたら、与しやすいので、扱ったとしましても1~2か月の短期間で終えることが出来ます。

解法の型は、小5対話式算数と小6対話式算数で出来上がります。

速さと比

速さと比は、図を描く問題かどうか、ダイヤグラムを描いた方が良いかの判断がポイントです。

速さというと、なんとなくすぐに図を描く子が多いですが、案外、速さ・時間・距離を把握すれば解ける問題や、比例の要素だけで解ける問題が多いです。

分かりにくいときは、図を描いてイメージを湧かすことが大切ですが、「速さ=図を描くこと」ではありません。

図が不要な問題で、図を描いていたら正答する可能性が下がります。

豊富な練習で、解法の糸口はどこかを探る感覚を磨くことが大切です。

平面図形と比よりもマスターするまでの時間は長いですが、場合の数よりは難度に上限があります(上限超えの超難問はありますが、ほとんどの受験生が解けないので気にしなくて良いです)

小6に跨いでも良いですが、半年くらいじっくり取り組めましたら、しっかりマスターできると思います。

立体図形

立体図形は、速さとは異なり、解法の糸口は分かりやすいですが、緻密な作業が必要です。

それを小学5年生で扱った方が良いかとなりますと、個人的意見では「No」です。

5年生で扱うよりも6年生で扱った方が、マスターする時間が短いと思うからです。

立体図形は場合の数のように難度に上限はありませんが、難しくなると正答率が下がるので、気にしなくて良い分野です。

差が付きやすい問題をマスターすることは、それほど難しいことではありません。

数の性質

場合の数と同様に、最難関校は、数の性質がとても重要です。

数の性質は難度に上限がありませんし、優秀生な受験生でも程よく差が付きやすい問題になりやすいです。

数の性質の力はあるに越したことはありません。

しかし、取り組む順序は、場合の数→数の性質だと思っています。

小5の間に場合の数に力を入れ、小6のときに数の性質に力を入れられれば理想的です。

昨年度、とても優秀な生徒さんをスカイプ指導で教えたときは、小5の夏休みに場合の数を一気に取り組み(優秀だからこそ成せた作戦です)、小5の秋から数の性質に入りました。

数の性質はじっくり小6の1年間で料理しましょう。

過去問はいつから?

このページのタイトルでは、入試問題に出る単元だけしっかりやってくださいというような内容になることを予想されるかもしれませんが、最短距離で学力を身につけるというのは、できそうで、案外できないものです。

どの単元も満遍なく学習することが大切です。

とは言いましても、もちろん志望校に合格する力をつけるためには、過去問演習の重要性は高いです。

一般的には6年生9月開始が標準スタイルで、算数教材塾・探求でもそれくらいがちょうど良いと考えております。

過去問はやり過ぎると学力が下がる恐れもありますので、適量を適切な時期に行うという考え方が大切だと思います。

学力を上げるのは、単元別だったり、難易度別だったり、目的意識を持った良問の演習です。

過去問演習は、学校の出題の癖に対応できるように行うものです。

対応よりも学力向上が先決だと考えています。

もちろん、志望校の問題の特徴や、お子様の学習状況で、開始時期や演習ペースは異なります。

問題を解く一連の流れ

大事なことは、どの単元を学習するかとか、どの問題を解くかということ以上に、解いた後、どう身につけていくかです。

それがすべてと言っても言い過ぎではありません。

次のような流れが模範的なものと考えています。

問題が解ける→解説を見て、参考になることがあるか、さっと見る→参考になることがあったら真剣に検討し、参考になることがなければ、その問題は終わり

問題が解けない→解説を見て、解法を納得する→解法を納得できたら、この問題で得られたものを箇条書きでメモを残し、解法を納得できなければ、その問題は終わり

このような姿勢で、問題を解く時間と、解説を見てから処理が終わるまでの時間が同じくらいになるようにします。

「解く時間」と「解いた後の処理の時間」が9:1とか8:2くらいになっていたら、なかなか学力は高まりません。

そして、この問題で得られたものを箇条書きでメモを残した場合、必ず1週間後に、もう1回、問題と、箇条書きで書いたものを見直すと、身につきやすくなります。

メモを書く子は多いですが、たいてい、2度と見ることはないような扱いになっているような気がします。

この一連の流れを管理できますと学習効果が高まります。

そこまでできている人は少ないからこそ、学習効果が高まって、相対的に伸びていきます。

難問の反復練習はあまり効果が無い

シンプルな典型題ならば、反復練習して、身につけていくことが大切ですが、難しい問題になるほど、反復練習で得られるものはありません。

最大の目的は、以前はできなかったけど、いまはできるようになったという自信です。

初めて見る問題ではなくなるので、根拠のない自信となりますが、マイナスではないくらいにとらえると良いと思います。

反復練習…この解き方は身についていたんだと安心できる

初めての問題…どの問題と本質は同じか考え、解法がすぐに分からないときは、表にして整理したり、少し書き出したりして、解法にアプローチする

このようにならべて見くらべるだけでも、反復練習は、守りの姿勢で学習効果が低いことがお分かりになると思います。

難しい問題とは、どう考えたら、自分の築いてきた「問題を解ける形」になるのかを考えることが大切です。

つまり初めての問題でなければ、その練習はできません。

1回解いた解き方を思い出すという癖をつけると、難問に対応する力が弱くなります。

いままで身につけた解法から活用できるものを探す力をつけたいです。

やや話が逸れますが、塾のクラスの20人に1人くらい、6年生の1月に新しい問題を取り組むと、解けずにパニックになる生徒さんがいますので、塾関係者はその印象が強く、6年生の1月は新しい問題は解くべきではないと言い切る人もいます

しかし、最後まで学力向上という攻めの姿勢ならば、解けないときにパニックになることがあると考慮して、そうならないように声がけし、入試本番の2日前くらいまで新しい問題を取り入れると良いと思います。

入試は新しい問題ですので、事前の学習を反復学習にして新しい問題を避けるよりも、新しい問題が解ける勝負勘を磨いた方がプラスだと思います。

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