学問は、読まないと学力がつかない

成績と学力は違う
勉強の成績と学力は異なると思っています。
大切なことは学力を高めることだと思っています。
学力が高まれば、ちょっとしたテクニックを身につけていくだけで、ぐんぐん成績が伸びます。
成績を上げていくことを目指して取り組んでいっても、学力が高まっていないと、学習のレベルが上がったときに息切れを起こします。
もちろん成績が良い子は学力が高いというケースは多いですが、成績を上げる意識よりも、学力を高める意識の方が大切だと思います。
学力とは?
学力とはいったい何かをはっきりさせないといけないと思います。
経験したことがない未知の問題を解ける力だと考えています。
とは言いましても、全く経験したことがない分野の問題は解けるわけがありません。
いままで経験したことから活用できそうなものを探して、それを必要に応じて少し加工して使っていけるかです。
この「少し加工」は、いままで経験した解法の仕組みをしっかり分かっていないとなかなかできません。
解法を覚えるだけでなく、仕組みを分かっていることが、学力の基盤になります。
学力を高める方法
学力を高めるためには、解法の仕組みを理解することです。
そのためには、いまの計算で何を求めているかを分かった上で、計算していく習慣をつけることが大切です。
実際に、教えている生徒さんが正解にできた問題で、過程を見ながら、この計算で何を求めていたか確認してみますと、答えられないケースが多いです。
「この計算式で求めた結果です」と答える子もいますが、それでは、何を求めているか分からないけど、とにかくこういう手順で計算していけば答えが出るからという経験則で解いているわけです。
それでは学力が高まりません。
解いていきながら、徐々にいまの計算で何を求めているか掴めていく子もいますが、そういう子は理系の能力があり、問題を解くだけで学力がつく子です。
そういう子が多いわけではなく、少数です。
私は、理系の能力がある子と同じ勉強をしていたら、同じように理系の能力が身につくことにはならないと考えています。
学力を高める学習スタイル
では、どうすれば学力が高まるかといいますと、識者と、対面でもオンラインでもいいですが、対話を続けていくことが一番です。
教える立場としては解法を伝えることは当然として、算数談義に花を咲かせることができる子は、必ず学力が高まると断言します。
とは言いましても、その環境を作ることは、とても難しいです。
その次の環境を考えます。
それは、書物を読むことです。
高度な学問は、書物以外では身につかないと思います。
司法試験、医師国家試験のような高度な学問の勉強は、大学で学んだり、専門の予備校に通っていたとしても、家で、多大な時間を使って書物を読み込んで合格を目指すと思います。
これは中学受験でも同じです。
中学受験は、小学生高学年にとってとても高度ですので、書物が欠かせないと思います。
読み物風になっている方が学力が高まりやすいです
書物といっても、能力の高い大学生や大学院生が頑張って読みこなすような文字の羅列の書物では読みこなせず、身につかないと思います。
問題を解くときに「どうしてこういうものを書くのか」「どういうときにこういうものを書くのか」「いまの計算で何を求めているのか」「これを求めたら次はどういう考え方をするのか」ということをしっかり書いていきますと、論文のような文字の羅列になってしまいます。
how to本のような、解き方のマニュアルを伝えて、それを真似するようにという主旨のものであれば、書物でも覚えられますし、動画授業のような書物以外のツールでも覚えられると思いますが、それは学力を高める学習ではありません。
そこが書物での学習の難しいところですが、目を付けましたのは、会話形式の読み物の書物です。
これが大当たりでした。
上記のような内容を書いても、くどくならずに、会話文を読もうという意思があれば、誰でも身につきます。
1回で身につかなければ、2回、3回と繰り返していけば、解法の仕組みを理解できます。
書物は、読み手の都合でいつでも何回でも読めるので、必ず習得できます。
同じ映画やテレビのドラマを何回も見ると、見落としていた細部に気づき、よりしっかりその世界に入れますが、書物を反復して読むというのは、それと同じようも理解が深まります。
テストに追われず、理解して書物を読んでいく学習が、多くの子の学力を高める学習だと思います。
テストに追われないというのは、案外、中学受験の算数では難しい学習スタンスです。
対話式算数について
上記のように、解法の仕組みを理解し、どうしてこういうものを書いて解くとか、この計算で何を求めているのかを実感していくのは、対話形式の書物でないと小学生高学年には無理だと結論づけました。
2013年に対話式算数という対話型の教材を作成を開始し、改良を重ね、今日に至ります。
学力を高める教材として自信作です。
是非、ご検討願います。