難関中学を目指していないから、効率よく志望校に合格する力をつけたい

塾の成績を上げることが志望校合格に直結しないケースが多い
このページは偏差値の特別に高い優秀生に向けての話ではありません。
偏差値40~60くらいで、地力をつけて、志望校に合格する体制をつくりたい方向けの内容になります。
やや過激なタイトルにしましたが、これは、塾の成績を上げるために、理に適っていない勉強をしても、学力が高まらずに志望校に合格する力が付かないという意味です。
塾の成績が良い励みになって、質の高い勉強ができるなら、塾の成績を上げることを目指して学習を進めていっても全く問題がありません。
しかし、志望校の合格偏差値に届くように、あるいは、その志望校に合格するためにクラス昇級しなければならないということで、テスト前にしっかり勉強していくというスタイルは、学習の質を低下させている恐れがあります。
学習の質を低下させない学習というのは、木の幹に当たるような重要分野をしっかり固めて、枝葉の単元を1つ1つ吸収していく、木の幹と枝葉のバランスの良い学習です。
例えば、テストに流水算や通過算や時計算が出るといっても、重要な速さがしっかり身についてなければ、流水算や通過算や時計算を準備としてがんばって学習しても、学習効率がとても低くなります。
田んぼに立派な家を建てようとしているようなものです。
塾の復習はもちろんやった方が良いですが、3割くらいの余力を残しておいて、その余力で、そのとき、何をしっかり学習すれば良いか計画し、それを学習するというスタイルが学力を高める学習だと思います。
そういう腰を据えた学習ができていない人は多いと思います。
過去問はいつから?
このページのタイトルでは、入試問題に出る単元だけしっかりやってくださいというような内容になることを予想されるかもしれませんが、最短距離で学力を身につけるというのは、できそうで、案外できないものです。
どの単元も満遍なく学習することが大切です。
とは言いましても、もちろん志望校に合格する力をつけるためには、過去問演習の重要性は高いです。
一般的には6年生9月開始が標準スタイルで、算数教材塾・探求でもそれくらいがちょうど良いと考えております。
過去問はやり過ぎると学力が下がる恐れもありますので、適量を適切な時期に行うという考え方が大切だと思います。
学力を上げるのは、単元別だったり、難易度別だったり、目的意識を持った良問の演習です。
過去問演習は、学校の出題の癖に対応できるように行うものです。
対応よりも学力向上が先決だと考えています。
もちろん、志望校の問題の特徴や、お子様の学習状況で、開始時期や演習ペースは異なります。
入試問題を分析するとは
前述しましたが、過去問演習は6年生9月からで良いと思いますが、志望校によっては、もう少し早い時期から、出題傾向を意識した学習も必要です。
例えば、場合の数がよく出る学校ならば、場合の数は強くしておいた方が良いですし、ひらめきが必要な問題がよく出る学校ならば、その対策はどうするかを考えて学習にそれを組み込んだ方が良いと思います。
もう少し細かく見ますと、まず、
- 図形の出題が多い学校かそうでないか
- 「問題文が長い」「グラフがよく出る」「会話文が出る」という特徴があるかどうか
このあたりを確認します。
分析といってもこの程度です。
図形の出題が多いならば、「角度」「面積」「相似や底辺比と面積比など比の問題」「図形の移動」「立体図形の体積や表面積」「水量」など、ある程度、項目を細かくして、どれが多いかを確認します。
その図形の出題頻度に合わせて、6年生の前期からコツコツと定期的にその分野を取り組んでいきます。
長文やグラフや会話文は目立つ存在なので、何とかしなくてはと思いがちですが、基礎力の上に成り立っているものです。
あくまでもサブ的な勉強に留めた方が良いと思います。
基礎力をつける前から、対応の仕方を考えるのは、順序が逆になると思います。
図形の出題が多いわけでないならば、6年生夏までは特に対策は不要です。
受ける学校の出題傾向に関わらず、基礎の土台が積み重なるように、和と差の問題、割合と比の問題、速さの問題の一行系を身につけ、場合の数や平面図形などの重要分野をしっかり取り組んでいけば、その後の対応は上手く行きやすいです。
塾で扱っている内容がこのようなものならば、それに沿ってしっかり学習していけば良いですが、塾の課題などがタイムリーではないケースはよくありますので、自分にとっては何が必要かを考えるようにして学習スケジュールを練ると良いと思います。