解いて力をつける子か、読んで力をつける子か
算数は、解いて力をつける子と、読んで力をつける子に分かれます。
力というのは学力のことで、成績と比例するとは限りません。
頻出問題の解き方を覚えれば、成績は上がりますが、それだけでは学力は上がりません。
私は進学塾で、講師として20年間働きましたが、その当時は、力がつくようにたくさん解いてもらおうという考えで、読んで力をつけるという考えはなかったです。
塾講師を辞めて独立し、自学自習で受験勉強ができるように、各単元の導入を1人の先生と2人の生徒の対話で進めるテキスト(対話式算数)をつくりました。
利用者から「うちの子は、読んで力をつけるタイプでした」という声を何件もいただき、解いて力をつけるタイプと読んで力をつけるタイプに分類できることに気がつきました(もちろん0か100ではありません)。
サピックス勤務時代も、学年トップテンに入る子が、家では机に向かわずに、ソファーで寝転がって「チャレンジ算数(中学への算数の旧名)」を眺めているだけと保護者が言っていましたが、次元の高い話ですが、読んで力をつける子だったと思います。
受験業界の算数は、解いて力をつける子向けのシステムになっています。
解いて力をつけるタイプが有利になりやすいです。
解いて力をつけるタイプは勉強法は簡単です。
塾のシステムに乗るだけです。
一心不乱に問題を解きまくれば良いです。
適正難易度の問題で、見やすく分かりやすく相性の良い解説の教材を使っていれば、学力が上がります。
それに対して、読んで力をつけるタイプは厳しいです。
進学塾に通っても、読んで力をつけるシステムになっていないからです。
合わない学習スタイルで進めていくと、解き方を覚えるだけの勉強になりがちで、解き方の仕組みが分かっていないので忘れやすく、忘れないように何回も反復して問題を解き、それでもしばらくすると忘れてしまうという連鎖が起きます。
何回も反復して問題を解くのではなく、読んで身につけるという体制に変えることで大きく改善します。
誤解はないと思いますが、問題を解かなくて良いというわけではなく、ある程度は解く必要がありますが、解く量を減らして、その代わり読む作業を学習メニューに加えることを、読んで力をつけるとしています。
読んで力をつけるのと聞いて力をつけるのは似ています。
説明のとても上手い講師に教わり、その説明を細部までしっかり吸収できれば、読んで力をつけることと同じことです。
そのためには、それなりのバックボーンがあるか、繰り返し聞くかのどちらかが必要です。
動画授業として定評のある「コベツバ」で、保護者が隣につきっきりで何回もくり返し再生してフォローして上手く行ったというケースを聞いたことがありますが、聞いて力をつけるということは、そのくらいの体制が必要です。
読んで力をつける教材は「対話式算数」が最適だと思いますが、その理由は、対話式の教材ということと、算数論が生徒目線で溢れんばかりに書かれていることの2点です。
算数論が生徒目線で書かれている教材と言えば「下剋上算数」が定評がありますが、「対話式算数」は、単元別で、全単元(510テーマ・1530問の練習問題)、白紙の状態を想定して、対話式で導入から積み上げていく点が特徴です。
「うちの子は解いて力をつけるタイプじゃないと思う」と思われる方は、読んで力をつけるスタイルを、半信半疑でもお試しください。
いままでの苦労は一体何だったんだろうという感想になる可能性は十分あります。
対話式算数を読んで力をつけたいという方は、無料でご相談でき、しっかりサポートいたしますので、お任せください!
また、練習問題は塾教材があるから、読む部分だけなら対話式算数を利用してみたいという方へ、対話式算数の本編を、ご希望の単元だけ購入できるようにいたしました(商品名は「読むだけ」)。
学問は高度になるほど、書物を読んで身につけます。
中学受験の算数も高度な内容ですので、書物で身につけるスタイルは、理に適った方法と言えます。
進学塾は数系の演習がたりない
中学入試は難関校になるほど、数系の分野で差がつきます。
「速さ」「立体図形」「図形の移動」も難度は高いですが、差がつく分野といえば、数系です。
数系とは「数の性質」「規則性」「場合の数」「推理」の総称です。
極論すれば、数系以外は、解法テクニックを覚えれば差がつかないレベルにすぐに達し、数系で勝負というスタイルで超難関校に合格できます。
tai-sanでは、合格力を高めるために重要分野に力を入れていくスタイルですので、数系にはとても力を入れています。
次の11点は、メインの対話式算数以外のオプション教材としての数系中心の教材です。
3年生から良い順序で長期的に数系を学習することで、難関中学入試に強い受験生に育てます。
- 小3鍛える算数【書き出し】
- 小3鍛える算数【思考力】
- 小4特化【場合の数・書き出し】
- 小4長期【場合の数】
- リンク式算数
- 小4グランプリ算数
- 小5長期【場合の数】
- LINE家庭教師「応用力をつける」
- 小5グランプリ算数
- 小6特化【場合分けの練習】
- 小6対話式算数・難問集
受験算数は「表」のフル活用が肝
受験算数は解き方の仕組みを理解することが大切です。
そのためには、解いて力をつけるタイプでなければ、算数論の多い書物を読むことが欠かせませんが、自力で「模式化」することもポイントだと考えています。
模式化とは、受験算数で言えば、問題文の条件から「線分図をかく」「面積図をかく」「表を書く」「図(イメージできる絵も含む)をかく」「グラフをかく」ことです。
この中で汎用性が高く、多くの単元で有効なものが「表を書く」ことです。
表の利点は主に次の4点があります。
- 全体像がつかみやすい
- いま何が分かっていて、このあと何を求める必要があるか明確になる
- 数字や式を見くらべやすく、正しくイメージできる
- 条件を表に書き入れることで条件が多くても対処しやすくなる
つまり、頭の中で考えられないときに書くと、書いてから考えやすくなります。
難しい問題は頭の中で考えにくいので、表が有効ということになります。
対話式算数では「仕組みを理解しやすくするため」「できるだけ同じような解き方で解きたいため」、そして上記4点により、「初めて見る問題に強くなるため」「難しい問題に強くなるため」に、表を積極的に利用しています。
オンライン指導での経験上、表を書かないで解いていた生徒さんが、表を書くようになって、いきなりいろいろな問題が解けるようになり、偏差値が上がったケースを多数見てきました。
対話式算数を利用している生徒さんたちの解き方を拝見いたしますと、表を書くスタイルになっています。
対話式算数の算数論の影響だと思います。
表を書くことで、仕組みを理解していて、難しい問題も解けますので、学力も高い子が多いです。
難関校を目指す受験でなければ、5年生開始で十分です
よく、中学受験は費用がかかると言われますが、それは、中学受験産業が工夫を凝らして、収益を上げるシステムをつくったからです。
一例として、1990年代までは、模擬試験は、首都圏統一模試(首都圏模試センター)のような模擬試験会社以外は、6年生後期からでしたが、いまは6年生前期からいろいろなテストがあります。
学校別模試もとても増えました。
学校別模試も含めて、「模試は受けた方が良いですか?」と聞かれましたら、相当、間引くことを勧めると思います。
費用をかけないと合格できないわけではありません。
特に四谷大塚偏差値60未満の学校ならば、5年生4月から受験勉強開始で間に合います。
カリキュラム表をつくりましたので、それを閲覧してくださいましたら、ご納得いただけると思います。
2024年に、教材(対話式算数Light)を毎週1回ずつつくってまいります。
乞うご期待ください。
お薦め教材
tai-sanでは上記の考え方をもとに教材をつくっています。
教材ラインナップの中で、絶対、大きな効果があり、使って欲しいと強く思っている自信作の教材をリストアップしてまいります。
対話式算数
- 対話式の教材で、4年生用と5年生用で全102話あり、そこで中学受験に必要な全単元を用意し、6年生用は難関校対策として、「テーマ別」と1日1題解いて欲しい「難問集」を用意しています。
- 算数論満載で、問題の解法の仕組みが分かり、良い解法で解けるようになります。
- 書物をしっかり読める子は、塾に通わなくても最高レベルの力がつきます。
- 理系の子にも効果はありますが、読んで力をつけるというスタンスのため、文系の子には最強の学習ツールになると思います。
小3鍛える算数【書き出し】
- 3年生は、作業に力を入れ、書き出しの学習が最適です。
- 中学入試で最も重要な場合の数の学習の基礎となります。
対話式算数・基礎編
- 受験算数は、解き方を覚えて解くという姿勢になりがちですが、それを極力、排除した質の高い学習ができます。
- サピックス偏差値65以上をとれる優秀な子以外は、対話式算数を学習する予定の子も大手塾に通う予定の子も予習シリーズで学習する予定の子も、4年生の受験算数カリキュラムが始まる前に学習した方が良いと思います。
リンク式算数
- 難関中学合格には、応用力が必要ですが、応用力は、問題文を読んで「解き方の戦略を考える習慣をつける」「良い戦略を立て、適した戦術で解く力をつける」ことの2点がポイントです。
- 戦略を意識して、良い戦略を立て、適した戦術で解く技術を身につけることで応用力は上がります。
- リンク式算数は主に小学4年生用ですが、「戦略を立てる技術のスキルアップ」に特化した教材になっていますので、3年生や5年生でも効果がありますし、戦略を立てる習慣がない6年生にも使って欲しい教材です。
長期シリーズ
- 以前働いていました進学塾で、4年生のときは特別授業の「場合の数」と「平面図形」の講座だけ受講して、5年生から入塾というスタイルの子もいました。
- そのスタイルで、筑駒に合格する子もいましたし、その子に限らず、1年間カリキュラム学習をみんなといっしょに塾で取り組んでいなくても、全くハンディキャップらしいものはありませんでした。
- そういった経験から、4年生の間は、重要単元の「場合の数」と「平面図形」だけ深く学習するのも合格戦略として効果的と考えています。
- 小4用と小5用を合わせて、「場合の数」と「図形」をそれぞれ400題ずつ、合計800題用意しています。
対話式算数Light
- 四谷大塚偏差値60未満の学校の合格ならば、4年生から受験勉強を始める必要はありません。
- 新4年生2月スタートは大人の事情で、実際のところ、5年生の4月から始めて、十分、間に合います。
- 5年生から始めるカリキュラムと教材をつくっていきます。
- 偏差値60以上の学校を目指す方は、この教材ではなく小4対話式算数を学習してください。
おすすめ市販書籍
「比と割合」表で解く練習問題120
- 著書「比と割合は書き方を変えれば簡単に解ける」の改訂版です。
- 比と割合は書き方を変えれば簡単に解けるに比べて問題数が1.5倍になり、倍数変化算(比の消去算)が追加されました。
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比と割合は書き方を変えれば簡単に解ける
- 旧版の「比と割合は書き方を変えれば簡単に解ける」は税込1000円(送料込)で本サイトで販売いたします(新品)。
- 旧版は、全教材の中でも、見やすさはトップレベルだと思います。
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