現在、スカイプで算数の指導を行っていますが、成績条件というものはございません。
そのため、幅広い学力の生徒さんを教えています。
出来る子とそうでない子は理解力の差も大きいのですが、塾の下のクラスでは一体どんな教え方をしているんだろうと首を捻ることが多々あります。
塾の事情を考えれば、指導力のある講師が上のクラスを担当し、新人(若手)、学生バイト、あるいは、子供好きで、学力向上よりも子供と接することにやり甲斐を感じている優しい先生が授業を担当しているのではないでしょうか。
下のクラスは、学力向上にギラついている講師とは相性が悪いのかもしれませんが、「もう少し講師が教え方を工夫すれば出来るようになるのに」と思わずにはいられません。
特に目につくのが「暗記の算数」になっていることです。
「これだけは覚えておけよ!」というセリフは、塾講師なら必ず言っていると思いますが、理解ができていない段階で、無理やり伝えて、最後にそのセリフで締めるということは、下のクラスで目立ちます。
そういう指導で、しっかり理解して、基礎の土台が築けるでしょうか?
ときどき、「点数を取れれば自信がついて、楽しくなり、自ら学ぶ姿勢が育ち、根本から分かるようになる」という意見で、とにかくその問題だけ解けるテクニックを伝える講師もいますが、その場しのぎとしか思えません。
能力の高い子でしたら、問題を解きながら基礎の土台が築けますが、普通の子では、それは無理です。
無理だからこそ塾に通っていると思います。
頼みの塾で「これ覚えなさい」という暗記の算数が繰り広げられましたら、基礎が身につかず、いつまでたっても好転しないのではないでしょうか。
暗記の算数を続けていた子で、いきなり伸びた子は、いままで見たことがありません。
私が、ちょうど30歳のときに、塾で5年の1番下のクラスを担当し、教え方に自信のあった私は「ニュートン算」をしっかり教えました。
算数が分かっている方は、5年の下のクラスでニュートン算を教えるのはクレイジーと思われると思いますが、そのときは生徒さんたちのほとんどがマスターできたのです。
同僚が驚くほど月例テストでも点数が取れました。
やっぱり教え方が上手いからだと有頂天になりかけたところですが、2ヶ月後くらいに再び「ニュートン算」を扱ったところ、結果は撃沈でした。
私の教え方は、覚えやすいマニュアルを教えていたにすぎなかったことに気がつきました。
理解できたとかマスターしたというわけではなく、答えまで進む手順を覚えていただけだったのです。
いま、Twitterなどで、自信に満ちた油が乗っている講師をみると、昔の自分を見ているようです。
解き方の手順を覚えさせているだけということに、やがては気がつくと思います。
とにかく、暗記の算数ではなく、理解していくことが大切です。
理解して行くのは、日本人ならば日本語です。
解法の手順を「こうだからこうなる」というように日本語で理由をつけて言えるかどうかです。
それができない間は、暗記の算数と言ってもいいはずです。
式や面積図や線分図で過程を書くことと、暗記の算数は関係がありません。
「面積図をかいて解く」という作業を丸ごと覚えているだけでも暗記の算数と呼びます。
では、どうしたら暗記の算数にならないか?と考えました。
暗記の算数がダメと言うだけでは無責任な評論家です。
解決法を示さなければなりません。
巷でよく言われる「言葉で説明させてください」
これは解決法ではありません。
こう言ってもできなかったらどうすればいいのでしょうか?
解く流れを単純明快な言葉で教え手が伝えて、それを真似していくと、徐々に流れが理解できてお子様自身の言葉で言えるようになるのではないか?
これが、私の提案です。
真似をしてもらえる単純明快な言葉による流れを、重要問題全てで記述し、それを手本にしてもらう教材を作っています。
最初は音読し、まるごと写し、やがては自分の言葉で伝えられるようになりましたら、暗記の算数は完全に卒業です。
そのステップを踏まないと、自分の言葉で説明は出来ないのではないでしょうか。
日本語で流れを身につけ、そのあと式なり図なりで、日本語に合うものを選んで解いたら、それは暗記の算数ではありません。
単純な例でいいますと「2で割る」というところは「半分になる」で身につけます。
同じでしょ?と思うのかもしれませんが、どちらが日本語でイメージしやすいかです。
「半分になる」に軍配が上がります。
例えば、台形の面積で比べてみます
- 上底と下底をたして、高さをかけて2で割れば、台形の面積になります。
- 台形を2つ用意します。1つを逆さにしてくっつけると、底辺が上底と下底の和になる平行四辺形ができます。その平行四辺形の面積を求めます。台形はその面積の半分です。
半分になるというためには、何の半分かを示さなくてはいけないので、このような違いになります。
台形の面積を身につけるとき、もしかして、1番で覚えていませんか?
暗記の算数とは、電話番号を覚えるのと同じで、忘れたら終わりです。
勉強でよく言われるエビングハウスの忘却曲線というのは、この電話番号のような無意味な数字の羅列をいつまで覚えていられるかという話です。
ちなみに、算数教材塾・探求の電話番号は08019001234ですが、1回「080の塾(19)無し(0)の01234」と覚えたら、他の番号と比べものにならないくらい忘れないのではないでしょうか。
数字に意味を持たせているからです。
エビングハウスの忘却曲線の話をする人は、勉強とは丸覚えだと思っているのではないでしょうか。
私が20代の頃のかなり前の話になりますが、実弟に「1・1・9・9を使って10を作りなさい」という問題を出されました。
なんとか自力で解け、ポイントは分数だねで終わりました。
定期的に復習なんてしなくても忘れていません。
「10を求める式」を暗記で身につけたからではなく、「分数がポイント」と日本語で身につけたからです。
エビングハウスの忘却曲線の法則ならば、とっくに忘れているはずです。
中学受験の目的は、国私立中学合格ですが、それだけではないと思っています。
中高の6年間を充実させるためです。
暗記の算数が、中学以降で学習する数学に繋がると思われますでしょうか?
上記の通り、電話番号を覚えるだけの行為は勉強とは言えません。
基礎の土台とはならずに中学の数学に良い影響は与えません。
「勉強=暗記」となると、良い影響どころか、将来、理系に進めなくなるという悪影響になるのではないでしょうか。
いまの状況からの脱出を目的とするだけでなく、将来的なことを考えても、暗記の算数は辞めて、流れをつかんで理解する算数に変えるべきです。
それが実現できる教材を作りました。
私の塾講師や家庭教師のキャリアの集大成と言っていい教材です。
やってもやっても忘れてしまって、点数が低迷しているという方は、塾の勉強よりもこれを優先させてください。
前述しましたが、全問題流れを分かりやすく書いていますので、理解できたら、自らの言葉で流れを書き直してください。
これだけで、今まで上手くいかなかった勉強とは全く次元の違う学習になっているはずです。
基礎をしっかり身につけて応用に繋がる問題を選びましたが、問題は二の次です。
流れを理解して身につけることが大切です。
流れが身につけば、いろいろな問題が解けます。
メイン教材も類題も分からないところは、答えを見て覚える勉強は全否定します。
かと言って、私が質問をその都度受けつけるのは現実的に難しいですので、掲示板を利用して質問を受けます。
偏差値がどのくらい上がるかは分かりません。
しかし、理解して流れが身につけば上がるはずです。
理解して流れを身につけてもらうことが目標で、その副産物で偏差値アップとなります。
話が逸れますが、塾講師をやると、驚くほど算数が得意になります。
仕事だからではありません。
日本語で、生徒さんが理解できるように流れを重視して説明しているからです。
四谷大塚の偏差値で50くらいまでの子に合う教材ということで作成しましたが、偏差値60を軽くオーバーする生徒さんにサンプル版をお渡ししたところ、「これ、あやふやだったんだよ。やって良かった」という声をいただきました。
想定以上に幅広くご利用になれるような気がします。
得点力を上げたい、偏差値を上げたいという教材ならば、市販に良い教材があるかもしれません。
しかし、流れを身につけやすい教材はないと思います。
市販の教材のように、購入したら「はい、終わり」とではありません。
掲示板を通じて、ご質問やご相談を受け付け、お答えしますし、新しく改訂した部分もご利用になれます。
6年生教材ですので、受験まで長い期間ではありませんが、よろしくお願いいたします。