難関中を目指す学習とは(6年生編)

各単元について

1つ1つ得意単元をつくっていく学習が、難関中向けのベストの対策だと考えています。

重要単元をすべて得意単元と呼べるようになったら、ローテーションでバランス良く学習したいところですが、それまでは、1つずつ重要分野を鍛えていく方針をお勧めします。

4年生からの流れを書きますと、下のようになります。

4年生(4月~3月) 場合の数
5年生(4月~3月) 場合の数
5年生(8月~12月) 平面図形と比
5年生(12月~3月) 速さと比
6年生(4月~7月) 立体図形
6年生(8月~12月) 数の性質
6年生(8月~1月) 総合演習
6年生(9月~1月) 過去問演習

 

この表に挙げなかった単元でも難度が高いものはありますが、特に志望校の入試によく出る単元でなければ、6年生最後の総合演習で十分です。

 

問題を解く一連の流れ

大事なことは、どの単元を学習するかとか、どの問題を解くかということ以上に、解いた後、どう身につけていくかです。

それがすべてと言っても言い過ぎではありません。

次のような流れが模範的なものと考えています。

問題が解ける→解説を見て、参考になることがあるか、さっと見る→参考になることがあったら真剣に検討し、参考になることがなければ、その問題は終わり

問題が解けない→解説を見て、解法を納得する→解法を納得できたら、この問題で得られたものを箇条書きでメモを残し、解法を納得できなければ、その問題は終わり

このような姿勢で、問題を解く時間と、解説を見てから処理が終わるまでの時間が同じくらいになるようにします。

「解く時間」と「解いた後の処理の時間」が9:1とか8:2くらいになっていたら、なかなか学力は高まりません。

そして、この問題で得られたものを箇条書きでメモを残した場合、必ず1週間後に、もう1回、問題と、箇条書きで書いたものを見直すと、身につきやすくなります。

メモを書く子は多いですが、たいてい、2度と見ることはないような扱いになっているような気がします。

この一連の流れを管理できますと学習効果が高まります。

そこまでできている人は少ないからこそ、学習効果が高まって、相対的に伸びていきます。

 

難問の反復練習はあまり効果が無い

シンプルな典型題ならば、反復練習して、身につけていくことが大切ですが、難しい問題になるほど、反復練習で得られるものはありません。

最大の目的は、以前はできなかったけど、いまはできるようになったという自信です。

初めて見る問題ではなくなるので、根拠のない自信となりますが、マイナスではないくらいにとらえると良いと思います。

反復練習…この解き方は身についていたんだと安心できる

初めての問題…どの問題と本質は同じか考え、解法がすぐに分からないときは、表にして整理したり、少し書き出したりして、解法にアプローチする

このようにならべて見くらべるだけでも、反復練習は、守りの姿勢で学習効果が低いことがお分かりになると思います。

難しい問題とは、どう考えたら、自分の築いてきた「問題を解ける形」になるのかを考えることが大切です。

つまり初めての問題でなければ、その練習はできません。

1回解いた解き方を思い出すという癖をつけると、難問に対応する力が弱くなります。

いままで身につけた解法から活用できるものを探す力をつけたいです。

やや話が逸れますが、塾のクラスの20人に1人くらい、6年生の1月に新しい問題を取り組むと、解けずにパニックになる生徒さんがいますので、塾関係者はその印象が強く、6年生の1月は新しい問題は解くべきではないと言い切る人もいます

しかし、最後まで学力向上という攻めの姿勢ならば、解けないときにパニックになることがあると考慮して、そうならないように声がけし、入試本番の2日前くらいまで新しい問題を取り入れると良いと思います。

入試は新しい問題ですので、事前の学習を反復学習にして新しい問題を避けるよりも、新しい問題が解ける勝負勘を磨いた方がプラスだと思います。

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