4年生は場合の数が大切だと、かなり長い期間言い続け、書き続けてきました。
その考えはいまも変わっていませんが、場合の数だけでは6年生後半に素晴らしい末脚でぐいぐい頭角を現すという理想的な展開にならない場合があります。
かといって、4年生で、和と差の難しい問題をやっても、割合の先取り学習なども、学力を引き上げるという面においては効果がないですし、図形も高度な内容はなかなか地に足をつけて学習できないので、難関校に向けての学力向上と考えると、それほど大きな効果がないと思います。
やはり数系が大切ですが、場合の数は、4年生向けの足腰を鍛える良い問題が多く、良い問題を選びやすいですが、数の性質や規則性は足腰を鍛えるという意味では良い問題は少ないです。
規則性はまだそれなりにありますが、数の性質は、すぐに高度な内容になってしまい、そうすると、ほぼ間違いなく、暗記の算数に繋がっていくと思います。
例えば、
- Aを割ってもBを割ってもCを割ってもあまりが等しい問題は、AとBの差とBとCの差の公約数!
- Aで割ってもBで割ってもCで割ってもあまりが等しい問題は、AとBとCの公倍数+あまり!
- 約数の個数は、素因数分解して、例えばA×A×B×Cならば、3×2×2=12個!
これらは、理解を伴って身につけることができますが、4年生だと理解することが難しく、覚えて解くという行動になってしまうと思います。
塾講師によっては、覚えて解いてでも正解にすることが正義という考えの持ち主や、最初は覚えて正解にして自信を持つと理解するようになるという意見の人もいると思いますが、私は、それは否定しています。
覚える算数では、応用問題に通用せずに、覚える算数から入ることで悪い学習の習慣がつくというデメリットがあると思います。
「覚える算数は勉強では無く、電話番号を覚えるのと同じようなもの」とは何人もの生徒さんに言っています。
前述のように、数の性質は、6年生後半に後伸びするために、数のセンスを上げるためにも、4年生の間から取り組んだ方が良いです。
難関校の合格力は、数のセンスと言っても過言では無いと思います。
しかし、数の性質は問題の選び方がとても難しく、相応しくない問題を選ぶと、メリット無しで、デメリットしかないということになります。
場合の数をコツコツやっていっても数のセンスは上がりますが、確実に上がっていくかと問われますと、人によるとなってしまいます。
場合の数は得意でも、6年生後半に、いよいよテクニックも使って数の性質の高度の問題を解こうとすると、思いの外、通用しない子がいます。
このように、数のセンスを上げることはなかなか手強く、簡単にこれをすれば良いとは言いにくいものですが、算数教材塾・探求では、1つ、これをしっかりやれば、効果があるというものを提案します。
それは、虫食い算です。
このような問題を今日扱いました
□が多すぎます!
□以外は8しかありません。
虫に食われまくっている筆算です。
第一印象では、本当にこれ解けるの?と思ってしまいますが、解けます。
かけ算の虫食い算は「一の位」に注目することが多く、多くの子がそれはできています。
しかし、一の位に注目するだけではありません。
一の位に注目するという一手しか考えない子が多いです。
もう1つの作戦は「桁数」です。
今回は、もちろん一の位に注目できるわけがないので桁数に注目します。
そうすると、次々と□に数字が埋まって、完成させることができます。
こういう学習を4年生で毎日とは言わなくても、2日に1問で、半年くらいで100問取り組んだら、数のセンスが上がると多くの方が思うのではないでしょうか。
数の性質や規則性の覚える算数になりそうな問題は触れずに、虫食い算で数のセンスを上げることを目標とすることを提案します。
多くのご家庭が難関校に合格したいと考えていると思いますが、そのためには何をやれば良いか、イマイチ見えていないケースが多いと思います。
それは塾でもしっかり教えてくれず、塾に通って、授業をよく聞いて、復習すれば良いという程度の情報しか無いと思います。
しかし、多くの子はそれを実行しようとしても、周りもやっているから相対的に上がっていかないとなります。
具体的に「○○をやって力をつける」というものを見つけると良いと思います。
周りと同じ勉強をして、勉強の精度や質を上げていくことは、とんでもなく難しいことです。
メニューを改良する作戦の方が遙かに簡単です。
算数教材塾・探求では、この虫食い算、そして規則性や数の性質や場合の数で、4年生の足腰を鍛えられ、数のセンスを上げられる問題を厳選して、頭を良くする教材をつくっています。
現在50問くらいは解説を書きました。
トータル180問くらいは用意したいと考えています。
成績を上げるためには、解き方を経験して身につけるのでは無く、頭を良くするという本質を外さない姿勢で取り組むと良いと思います。