低学年の子に計算をお勧めする理由

今回は低学年向けのブログになります。

オンライン家庭教師を始めて8年がたちました。

どうやったら学力が上がるか、できるだけ単純に伝わりやすい言葉を使うようにしています。

算数の成績を上げることと学力を上げることは似ているけど、かなり異なることだと数年前から強く思っています。

私は学力を上げることにウェートを置くことにしています。

成績と学力を分けて考えることで、どうやったら学力を高められるかということがとても簡潔に伝えられるようになったと思います。

 

3年生ならば、学力を高めるためには「計算」と「書き出し」です。

これはもう開業時から言い続けていることで、まったく揺るぎません。

今回は、お客様から

ブログ「3年生は計算を鍛える学年」にて計算力・暗算力の重要性を説かれており、参考(指針)にしています。そこで御教示頂きたいのが、どのような理屈・経験値により計算問題だけで優秀な生徒を判断できるのでしょうか?(もちろん私の経験的にも「算数・数学ができる子は暗算も得意」という傾向は感覚的には理解できるのですが)。以前Twitterでインド式の暗算方法に対し批判的なコメントをされていた点も気になっています。よろしければ、ブログのテーマとして取り上げて頂ければ幸甚に存じます。

というリクエストがありましたので、それに沿って具体的にお答えしたいと思っています。

 

塾講師時代でも現在のオンライン指導でも優秀な子を見ますと、いろいろなタイプがいます。

活発で元気な子、おとなしく黙々と取り組む子、大人びた子、幼い子、字が丁寧な子、雑な子、しっかり書く子、書くのを嫌がる子、解くのが速い子、じっくり解く子

つまり、上記の特徴だけでは、優秀かどうかは判断できません。

しかし、ある程度負荷のある暗算が素早くできる子で、算数が苦手な子は記憶にありません。

※暗算が苦手でも算数が得意な子はいます

算数が得意だから暗算が得意という面ももちろんあると思いますが、暗算が得意な子は算数が得意な子ばかりということから、暗算力を鍛えれば、算数が得意になると言ってもいいだろうと判断しています。

書き出しについても、塾講師時代に毎年のように小学3年生を教えていまして、同じ印象を持っていますが、今回のブログでは割愛いたします。

 

また、自分自身の経験上、小学3年生のときに、公文のAとBとCをそれぞれ3まわり、ストップウォッチで時間を競いながら取り組みました。

AやBやCのレベルで時間を競って取り組めば、ほぼ暗算みたいなものです。

そのときに算数の力が大きく伸びたと実感していることも、3年生には計算が最重要という強い主張の一因になっています。

 

もしも20年前に戻れれば、塾で自分の担当クラスは、こっそり数値替え復習テストを控えて、そのかわり暗算特訓をやっていると思います。

そうしたら、もっと大きな実績が上げられたのではと思わなくもありません。

塾講師の方が、このブログを見て、賛同してくださいましたら、ぜひ、塾でやってみてください。

「3桁+3桁」「3桁-3桁」「2桁×2桁」あたりが中心になり、たし算やひき算は二数の桁数が異なっていてもいいと思いますし、かけ算はハードルが高いようならば、20以下や30以下をじっくり取り組むと良いと思います。

 

学力を高めるには、楽しい学習ではなく、地道なトレーニングです。

楽しさを求めていたら、一流にはなれないと考えています。

それは勉強でもアスリートでも同じです。

低学年の間に家で単純な暗算を毎日適度な負荷をかけて取り組み、4年生になったときに、塾の先生に「この子、暗算力凄いな!!」と思われたら、受験算数成功の確率はかなり高まっているのではないでしょうか。

 

お客様からインド式についても書かれていましたので、それについてもお答えしますと、インド式は計算を楽に答えを出すテクニックを覚えるものと認識しています。

Twitterなどで「インド式」で検索してみますと、計算をいかに頭を使わずに楽して求めるのかというニーズが大きいようです。

市販の計算の裏技本も「これは良い!」と思われて購入する方も多いと思います。

しかし、計算の目的は計算力向上なのではないでしょうか。

裏技を使って素早く答えを出せることが計算力だとは思いません。

瞬時に数字の大きさをイメージして、たしたりひいたりしたときにどんな感じになるかをつかむことなどが、計算力や数のセンスだと思っています。

愚直にノーテクニックで暗算で計算していけば、計算力が向上し、数のセンスが高まることに繋がりますが、楽に解ける方法を身につけて素早く答えを出す行為で、そのような目的が適うのでしょうか?

「素早く正解が出せれば合格」では、数のセンスがつかず、他の分野に好影響が波及せず、算数トータルで見たときにライバルに勝つことは難しいと思います。

もちろん、やらないよりはやった方が良いのかもしれませんが、鍛錬の度合いは大幅に下がります。

アスリートがランニングするときに、楽で短時間で終わるからといって自転車やローラースケートでランニングコースを進むような話です。

素早く正解を出すことが目的か、鍛えることが目的かによって、どのような計算練習が必要かが決まってくると思います。

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