予習シリーズは、サピックスに比べて解説が丁寧だから、自力で理解できると思われている方が多いです。
確かに予習シリーズは昔のサピックスに比べれば、解説は丁寧です。
しかし、塾講師が伝達する情報量に比べて、比べ物にならないくらい貧素です。
プロ意識のある講師ならば、予習シリーズを見ながら、そのまま説明していないと思います。
予習シリーズを使う塾講師に、「予習シリーズの解説でも良いの?」と聞いたことが何回かありましたが、100%「自分が教えるから大丈夫」と返ってきます。
良い塾講師は教材やその解説には期待せずに、題材さえあれば、それでいいと考えているようです。
予習シリーズの解説はスタンダードで王道で、これで身につかなければ、我が子の能力が足りなかった こう考えてしまいますと、大きく間違えています。
塾では、予習シリーズ関係なく、各講師が工夫して教えます。
そういった教材を頑張って取り組むことで、我が子の判断をするのは酷ではないでしょうか?
予習シリーズはどの問題を見ても、こう解きますの一点です。
どうしてこう解くのかという記述を見たことがありません。
最近、私はそれを結果論の解説と呼んでいますが、結果論の解説では、分かった気になりやすいけど、実際は分かっていないと思います。
もう少し分かりやすい言葉にすると、どうしてこの解法を使うかの記述がないため、似たような問題を解くときに、この解法を使って良いか、判断する力が育たないということになります。
問題を読んで、その解法を思いつくかどうかがとても大事ですが、結果論の解説では、思いつくノウハウは身につきません。
予習シリーズは普通の問題集で、その類題の問題集として、週テストや演習問題集があると考えれば、とても優れています。
理解する目的で予習シリーズを利用しようとすると無理があるということです。
予習シリーズの解説で十分と思える問題もありますが、そういうものは2割くらいで、平均すると、この3倍くらいの文量で解説しないと理解できないと思います。
ところで、どうして予習シリーズをはじめとして塾教材は不親切か、ご存知でしょうか?
これは、直接そのままの言葉を誰からも聞いたことがないですが、ほぼ当たっていますが、こうやって解くという雁字搦めの解説を作ってしまうと、講師が仕事が面白くなくて辞めてしまうからです。
良い講師ほど自分のワールドを持っていて、それをズカズカと土足で踏み込まれるのを嫌がるからです。
良い講師を手放さなさず戦力として確保するために、解説は使い物にならないものを発行していると言っても、「それは違う」と否定されることはないはずです。
予習シリーズを、解き方だけ覚えるという質の低い勉強にならず、しっかり活用できるレベルで理解できれば、問題の質量充実した問題集ラインナップを利用することができ、学力向上に繋がります。
しっかり理解できるツールをお探しの場合は、是非、当サイトの解説書をご利用ください。