まず、最初にはっきり書いておかなければなりませんが、家庭教師をやっていますと、同じ塾の生徒さんを教えることが多いです。
生徒さんの学力により、どのくらい深く教えるかは異なりますが、同じ内容を教えます。
これ、さっき言ったのに…ということが多々あります。
それを書面にして配付したらどうだろうということで、サピックスの解説書を作ってきました。
決してサピックスの解説を参考に書いているわけではなく、塾講師、家庭教師の経験で培った、定着しやすく、応用が利きやすく、汎用性が高い解法をお伝えしたくて、解説書をオリジナルで執筆しています。
この解説書を使っていただいた方からスカイプ指導の依頼がくると、とても楽です。
解き方を根本から教え込むということなく、技術的なことからスタートできるからです。
サピックスの5年は2019年度の教材改定から、難度が上がりました。
繋がりが綺麗ではなく、唐突に難しくなったり、基本が少なかったりします。
難問も増えました。
自学自習で扱いにくくなったと思います。
もちろん、塾教材なので、塾の授業でしっかり身につけていれば問題なしですが、なかなか塾で吸収できる生徒さんは少ないのではないでしょうか。
よく聴く話で、「うちの子は、理解するのに時間はかかるけど、理解できたら少々応用の問題まで解ける」というものがあります。
それの対極は、表面上の理解はでき、すぐに類題を解けるになりますが、どちらも塾の授業で吸収して、家で復習がスマートにできるとは言い難いです。
それを合わせ持った、すぐに、ある程度深く理解できて、応用まで解ける、いわゆる1を聞いたら2や3のことができるタイプでないと難しいと思います。
大人でも、授業を聴いて、それをしっかり吸収するというのは難しいと思います。
私は映画を見て、それを2回、3回繰り返し見ると、1回目や2回目では気づかなかった部分が出てきます。
サピックスの授業のフォローとして動画授業を行っているところもありますが、動画授業はどうなのでしょう。
最近、YouTubeでいろいろな情報をキャッチできますが、ときどき、動画を見ているだけでは頭が悪くなるという主張を目にしますが、私は、納得する部分が多いです。
動画で本当に理解できているのでしょうか?
塾でも動画でも、ライブ授業は、わかりやすいことが高評価になります。
「わかりやすい」というのは、「しっかり理解できた」とイコールではありません。
自分の知らない内容を説明されていて、声の大きさ、滑舌の良い発音、柔らかい物言い、テンポの良いリズム感があり、自信があってメリハリのある話し方でしたら、とりあえず、わかりやすいとなるのではないでしょうか。
- どういう問題かを、どこで判断するか
- 何を書くと解きやすくなるか、考えやすくなるか
- 答えまで、実感しながら進められるか
- ミスをしないために、どこに気をつけるか
これが、解説で欠くことができないパッケージとなりますが、動画授業で、それをしっかり伝えていますでしょうか?
口頭でそういうことをきちんと伝えると、わかっている生徒さんにとっては「くどい!」となってしまいます。
できる子は、1番の「○○だから、△△の問題だよね」の一言で解説終了でも良いのです。
塾講師をやると、教え方の難しさは、上位クラス>下位クラス>中位クラスと言われます。
ときどき、下位クラス専門になっている講師の愚痴を聞くと、下位クラスを教えるのが一番難しいと言いますが、私個人的には、どこのクラスも完璧を目指したら難しいと思います。
一般的には、次のようなことを言われます。
- 下位クラスは、とにかく丁寧に説明する
- 中位クラスは説明がやや不足しても、生徒さんがそれを自力で理解してカバーしてくれる
- 上位クラスは重要なことのみを伝え、説明をできるだけ省く
省き方が難しいので、上位クラスが一番難しいということだと思います。
つまり、塾の授業でも動画授業でも懇切丁寧な説明では無くて、かなり省いているというわけです。
心地よく、わかりやすい授業だと思っても、どうやってその解法を利用すると判断したの?と思うことがあります。
例えば速さの問題で、横線の図をかいた方がいい問題とダイヤグラムをかいた方がいい問題があります。
私はいくつかの条件に当てはまったらダイヤグラムと決めていますので、問題文を読んで、「はい、この時点でダイヤグラム決定ね」というように言います。
よく、数学の関数グラフをイメージしてか、速さというとなんでもかんでもダイヤグラムをかく講師がいますが、ダイヤグラムを辞めて、横線の図にしてごらんとアドバイスして、いきなり速さの正答率が上がる生徒さんが毎年のようにいます。
速さは難しく捨て問対象になりやすいですが、その最大の要因は、ダイヤグラムが不適な問題をダイヤグラムで解こうとしているからです。
話がやや逸れましたが、解説のときに、解き方の判断の仕方を伝えるようにすれば、確実に解法力が上がります。
わかりやすい授業でも、常にダイヤグラムをかいて解いているようでは、結果論で理解はできても解法力は上がりません。
上記の1~4をきちんと書面で伝えているものを補助とした方が、学力は上がると思います。
動画授業でも、その部分に特化して、リズム感を保った指導になっているものならば良いですが、それは至難の業です。
ということで、授業を順調に消化したい方に、自信を持って当教材の解説書をお勧めいたします。
サピックスの教材の改定状況がわかりませんので、まず、510-01~05までの5回分を販売いたします。
昨年版ですが、おそらく2021年度も同じ教材だと思います。
★2個と★3個の問題の解説書になります。
スカイプ指導では、生徒さんの学力を伸ばそうと思うと、塾でやっていないレベルまで教えることが多いです。
塾で★2個の一部しかやっていませんという方に、できたら★2個全部、さらに★3個も取り組んでくださいと言いたいです。
その際に、とても役に立つ解説書になると思います。
1回分だけ購入して試してみたいという方には、510-01のみを販売いたします。
これさえあれば、サピックスについて行けると思ってくだされば幸いです。