金曜日に行ってきました。
会場はほぼ満席で、大盛況でした。
まず、合格者インタビューの映像から始まりました。
ほとんどの生徒さんが医者になりたいようなことを言っていました。
科学分野や産業分野に目を向ける少年・少女がいても良いと思いますが、どうして、金太郎飴のように医者・新薬・治療という言葉ばかりが連発するのでしょう。
もう少し多様性があって欲しいと思いました。
GW合宿が良かったという生徒さんが数人いました。
勉強だけではなく英才教育をするそうです。
全体の説明は、いつも通りで、学力を高めること以上に人間力を高めることが大切という抽象的な話が多かったです。
四谷大塚はチーム戦など連帯感を重視していますので、個人主義の人はやや違和感があるかもしれません。
各教科の話に入る前に、4科の弁士の話を聴いて、最も教わりたい講師に投票をして欲しいというアナウンスがありました。
AKBの総選挙みたいですが、同じ科目ならともかく、異なる科目で人気投票とはちょっとえげつないなと思いました。
算数は良い話が多かったです。
- 解き方を思い浮かべるのではなく、手を動かして頑張る
- 捻りのない問題を素早く解く練習も必要
- 答えに近づくようによく考えて、すぐに解説を見て解き方を覚えたりヒントをもらったりしない
新しい問題を考える力をつけることが大切と言っていましたが、どのように学習していくと、その力がつくかという視点がなかったような気がしました。
どの教材を、どのくらいの時間で、そして、分からないときはどう処理していくといいか
それを実行したら、今年の入試問題のどういう問題に通用するのか
そういった具体的な話を聴けるとよかったです。
それから、やや深い話になり、受験生は出題者が想定するほど深く考えられないことが多く、綺麗な筋道では解けない。
しかし、そういうときも泥臭く答えを出すパワーが必要というようなことを言っていました。
正解にしている子は、完璧に問題の本質をつかみ、文句なしに堂々と答えを出していると思われがちですが、実はそうではありません。
足掻いて足掻いてギリギリ答えを絞り出しているときも多いです。
そういう話をしてくれるのは四谷大塚くらいだと思います。
これは教えるとき、最も大切なことです。
良い解き方を理解させて身につけさせようと思いがちですが、それと同じくらい強引に解き切る馬力をつけようという姿勢も大切です。
よくプロ野球の投手で、調子が悪いなりに丁寧な投球をして好投したと評されることがありますが、算数も似ています。
良い解き方が思いつかなかったけど、根性で正解にしたというときです。
必ずしも答えまで辿り着くわけではありませんが、ときには変な解き方でも答えを出すという粘りが必要です。
言葉にすると、論理の繋がらないことに飛躍して飛ばないように、着実に解き進める力をつけることです。
家庭教師などの1対1の指導では、教えることと教えないことのバランスが大切だと思っています。
教えないというのは、粘りを生むためです。
よく、塾で「親は教えないで欲しい」と言われることがありますが、塾と違う教え方になると混乱するというのが理由だと思われていると思います。
しかし、教えることの比重が高くなりすぎて逆効果というのが本当の理由です。
国理社をザッと書きます。
国語
- 未知のものに関心を持つこと
- 立場が違う人を理解し尊重すること
- 長文対策は短い文章を精読し、徐々に文章を長くしていく
理科
- グラフを書いてみたり、表を書いてみたり、ひと手間かける
- 日常生活で理科の話をして興味を持たせる(よく言われますが、簡単なことではないと思いますが…)
社会
- 一般的なテキストを学習すれば、だいたいそれで十分(基礎基本が大切という意味)
- 覚えたら終わりではなく、そこからスタート
覚えたら…のフレーズはとても気に入りました。
算数も答えが出たら、ハイ終わり!という人が多いと思いますが、そうではありません。
超典型題は解いたら終わりでいいですが、そうではない問題は自分の解いたものを振り返って、無駄がなかったか、ミスをしにくい解き方ができているか、もう少し上手い解き方はないかなど、いろいろなことを考える必要があります。
そのような作業をすることで、解き方が洗練されていきます。
やや通好みの入試報告会になっていたと思います。
話を聴いて、よし、こうしよう!と何かをつかめた方は、相当なスキルのある方だと思います。