6年生はいよいよ過去問をやる季節になってきました。
いままでは各単元をバランス良く学習していましたが、難関校の過去問になると、速さ、平面図形、立体図形、場合の数の頻度が高まります。
各単元を教えていると、それぞれの単元で、本当に分かっているのかな?という疑問を生じますが、その中でもトップは場合の数です。
高度な場合の数の問題になると「場合分けがすべて」といっていいほど場合分けが重要になります。
「場合分け」を説明するときに、まず、「どういう場合に分けて数えたい?」と聞きます。
正しく答えられる生徒さんもいれば、そうでない生徒さんもいます。
「正しく答えられるのならば、もう少し解いたら?」と注文をつけたくなりますが、どういう場合に分ければいいか答えられない生徒さんは、この場合に分けたらすんなり求められるというイメージが湧かないのでしょう。
場合分けの方法が分かったら、そのあとは計算を多用して解いていきますが、どうしてその計算で答えがしっかり求められるのかがしっかり理解できているかが心配です。
一々聞いていったらそれだけで相当な時間を費やすので、せいぜい軽く確認する程度ですが、5人をならべる場合は5の階乗、7人から3人を選ぶ場合は7C3、なんとなく2倍した方がよさそうなときは2倍、道順は2つをたすetc
こんなような暗記の算数になってしまっている人はいるような気がします。
もちろん誰でも暗記して解くのですが、どうしてそれで良いのかを理解できているかが問題なのです。
「理解できていないけど、この式にあてはめれば解ける」という解き方を暗記の算数と呼んでいます。
場合分けの上手くない生徒さんは、特にその傾向があると思います。
こういったことは、書き出し量が少ないことに起因します。
3・4年生ころに、書き出し、樹形図などを正しい順序でたくさん書いていくことによって、計算は書き出しを省略しているものと理解できれば、6年生の場合の数はかなり有利になります。
簡単な例ですと、「3×4」は「3+3+3+3」を簡略化したものですが、その2つが結びついていないと、不具合がどこかで生じると思われると思います。
場合の数はもっと高度ですが、そのような例えに近いと思います。
百ます計算で、多量のかけ算をやることで、算数のセンスを上げていくのと同じようなものと考えてもよいです。
もちろん、3・4年生ではなく、5・6年生になってもたくさん書いていけばイメージは構築できますが、「4人並べてできる24通りをすべて書き出しなさい」という学習は、さすがに5年生がやると時間がもったいないと思ってしまいます。
まだ割合や比が出てこない、学習にゆとりのある3・4年生に最適な学習です。
5年生でやることを先取りしてやるということではなく、5年生になるとできないけど、大切なことをやるということです。
3・4年生用の書き出し教材は市販の問題集にはないような気がします。
当教材では下記の2点が書き出しなどによるイメージづくりに適した教材となっております。
5年生で学習することを先取りして、なだらかな学習、早めの仕上がりなどという作戦も有効ですが、5年生ではできない学習をするという考え方もとても大切だと思います。
毎年6年生の場合の数を見ていますと、この子はもっと書き出しをするべきだなと思うことがあります。
先を見据えた学習計画の一例として、ぜひ上記の教材を候補としてご検討願います。