塾によって「割合と比」の扱い方が違うので

昨日はPV数がひさしぶりに1000を超えました。

2・3月の繁忙期以来かもしれません。

やはり、にほんブログ村で1位になっているのが大きいようです。

バナーをクリックしてくださっている方に改めて感謝いたします。

オリンピックと同じように金メダルじゃないとダメだったのかもしれません。

1ヶ月間1位を取り続けることを目標にしていますが、もっと長い期間取り続けられるように上方修正できればとも考えています。

重ね重ねのお願いで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

 

今回はひさしぶりに算数のテクニックの話です。

あまり難しい話にはならないと思います。

5年生の「割合と比」がテーマです。

大手塾と呼ばれるサピックス・四谷大塚・日能研では「割合と比」の扱いが同じではありません。

 

簡単に違いを書きます。

  • サピックス→5年1学期に割合が登場しあっさり終了し、夏に比を学習し、2学期に比の文章題
  • 四谷大塚→5年1学期に割合が登場しあっさり終了し、2学期に比をあっさり学習
  • 日能研→5年1学期の分数で割合が登場し、割合の単元もあり十分学習し、2学期に比を学習

 

比の文章題を扱う量は、サピックス>日能研>四谷大塚です。

比を教わる前に割合の文章題を扱う量は、日能研>サピックスです。

四谷大塚は夏期講習でどれくらい割合を扱うかによって、サピックスに近いか日能研に近いかになります。

大手塾はいずれも割合は線分図で説明しています。

 

以上の違いから「割合と比」に苦戦する生徒さんが現れる場合があります。

抽象的な単元で分かりにくいところに、分数も扱うことになると、ますます分かりにくくなります。

日能研のように割合をじっくりやることでマスターできる生徒さんもいますし、いっそう混乱してしまう生徒さんもいることでしょう。

四谷大塚のように比の学習が少ないことで割合と比の使い分けが上手くできない生徒さんもいることでしょう。

サピックスのように割合の学習が少ないことで比に上手く繋がっていかない生徒さんもいることでしょう。

 

どの塾もダメと言いたいわけではありません。

どこの塾でも上手く行かない生徒さんがいます。

そういう生徒さんが、日能研では上手く身につかなかったけど、サピックスの方針だったら上手く身についていたかもしれません。

その逆もいるかもしれません。

他の単元以上に相性があるということです。

「割合と比」が上手く行かない場合は、その塾の方針にマッチしなかったと考えてもいいと思います。

抽象的な単元だからです。

頑張っていままでの復習をするというよりも、ちょっと塾をかえた気分になって、学習スタイルを変えてみるのも1つの手としてありです。

 

対話式算数の割合の扱いを参考までに書きます。

  1. 線分図には分数は書かない
  2. 線分図は、「残りの」という問題と、「差が分かりにくい」問題のときしかかかない
  3. 比でも解ける問題は割合のときには学習しない
  4. 割合はあっさりだけど、比で解ける問題は除外していて扱う問題自体が少ないので、あっさり感はない
  5. 比で解く文章題の練習が豊富
  6. 線分図のかわりに式を並べることが多い(消去算に持っていけるときは特に有利)

 

一例ですが、弟は兄の5分の3より100円多く持っていて、2人合わせて2500円持っているときの兄を求める問題があったとします。

下のように整えて並べます(表にしないとレイアウトが崩れるので、表にしました)。

2500
③+100

ここから、⑧+100=2500円とし、①=300円と求めます。

兄は⑤=1500円です。

 

この問題なら線分図をかく塾が多いと思いますが、対話式算数ではかきません。

理由はあります。

「割合と比」の難しいところは、問題を見て、どういう解き方をすればいいか分かりにくいところです。

「式」「線分図」「比例式」「消去算」「表」「面積図」「あてはめ」の可能性があります。

かなり多いです。

どういうときに線分図をかくかをしっかり伝えたいということから、線分図をかく問題を上記の2に限定し、普通はかかないとしているからです。

 

いままで教えていた生徒さんを思い浮かべても、線分図をいつかいたら良いか迷うことはほとんどありませんでした。

限定しているとやりやすいのでしょう。

線分図をかいた方が分かりやすいときは確かにありますが、線分図をかかなくても解けることは解けます。

慣れの問題と言ってもいいと思います。

少しの分かりやすさよりも、限定の方を優先しているということです。

この方針で前職のときは私以外の担当でも上手く授業を進めていましたので、問題のある方針ではありません。

 

もちろん、このやり方が完璧と言うつもりはありません。

生徒さんによっては、対話式算数の方針よりも日能研やサピックスの方が身につきやすいというケースもあると思います。

どれが優れているかという話ではなく、いま困っていたら方向転換した方が良いということです。

 

対話式算数の上記6点の特長と、現在のお子様の状況を照らし合わせて、「割合と比」だけは対話式算数で学習したいという場合は、単品購入をぜひお願いいたします。

大手塾ではいずれも、割合を5年1学期に学習し、比を夏や2学期に学習しますので、どういう解き方をするかというのがお通いの塾と異なっていても、2学期には違和感がなくなります。

父親が教えたりすると、xが出てきたりすることもありますので、担当講師も、自分が教えていない解き方で解いていてもあまり驚きません。

 

割合と比は、道具のようなもので、その道具を使って、速さや平面図形や立体図形や食塩水などの問題を解くことになります。

早めに道具の使い方をマスターし、今後出てくるいろいろな単元をしっかり吸収していって欲しいと思います。