最後の模試が失敗したら

どぎついタイトルですが、模試を受けたら、

2割の人が喜んで、5割の人がやや物足りなくて、3割の人が失敗と嘆くというような割合になると思います。

つまり、8割の人が気分が重くなるのではないでしょうか?

一昔前は模試は11月まで受けて、それで志望校を決めたら、志望校合格を目指す勉強に特化し、模試はもう不要という流れでしたが、

いつの間にか12月まで模試を受けることが定番となっているようです。

 

受ける学校と出題のタイプが違うのならば、あまり模試の成績は気にする必要はないとも言えますが、

できる子はどんな形式のテストでもできて、できない子はどんな形式のテストでもできないとも言えます。

つまり、「模試が悪くても本番のテストに適応していれば良い」と捉えて良い受験生は少数で、

模試の成績と受験の結果をリンクさせて考える必要があります。

 

模試は、現段階の実力測定と、テストを受ける体力強化と、今後の学習姿勢を高める役割があります。

現段階の実力測定はシビアに見ることにしましょう。

よく、ボーダー付近でギリギリ合格ラインにいる子が不合格になり、合格ラインにギリギリ届いていない子が合格になるとまことしやかに言われます。

これは、おそらくでたらめです。

そういうことを言う人の記憶の中に、鮮烈な出来事があったのでしょう。

でも、合格ボーダーを超えていると思っても油断してはいけないのは言うまでもありません。

 

模試で判定が良かったら、好調を認めた上で、本番とは形式が違うからといって流した方が良いと思います。

逆に判定が悪かったら、首の皮一枚つながっているといって奮起に期待するべきだと思います。

受験校は、1回の模試ではなく、様々なテータで決めているはずですので、最後の模試だけでどうのこうのという話にはなりません。

 

体力強化は今後も継続する必要があります。

4教科通して一気にテストをする回数をある程度こなした方が良いと思います。

 

今後の学習姿勢を高めうるというのは、どの模試でも最も大切なことです。

成績が上がり調子ならば、そのまま右肩上がりになるように継続して頑張りましょう。

 

一進一退の場合で、合格ラインに何回か届いているのなら、

一喜一憂せずに課題を見つけてそれを克服して完了させましょう。

「志望校の出題形式とは異なるから」と軽視せずに、

どの分野が弱いのか、しっかりやる必要があるのかを見つけ取り組みましょう。

今まで以上に正答率をチェックして、弱点補強に努めましょう。

 

一進一退の場合でも合格ラインにあまり届いていないのなら、ラストでジャンプアップが必要です。

具体的には、難しい問題に挑戦することです。

入試レベルの問題だと難しくて手が出ない場合がありますので、

5年生や、6年生夏くらいまでのテキストに載っている問題の難しい問題に再挑戦してみるのが良いと思います。

以前は難しくて飛ばしたり、理解不能で終了していたものを改めて取り組むことで、スキルアップになります。

 

成績が下がり調子ならば、より深刻に受け止めるべきです。

塾講師はこういうときは「大丈夫、これからが大切」と言って励ましますが、大丈夫なわけがありません。

さすがに、入試期間に突入して埒があかなくなれば励ます以外の行為はありえませんが、

まだ入試まで1月以上ありますので、一から始めるくらいの姿勢が大切です。

 

シビアなことを書きますが、現在の学習スタイルのままで行くと上昇の可能性は低いです。

使っている教材、学習の仕方、理解の仕方、すべてを見つめ直す必要があります。

簡単に書くと、もっと易しいものを扱うべきということです。

 

解説を聴いて吸収できない悪い癖が付いてしまっている可能性が高いので、

説明を聴く時間を増やしても上昇にはなりません。

「自分で解く→○付けで正解」

これをくり返す勉強にするしかありません。

極論でもありませんが、冬期講習に行かずにひたすら自分で解く勉強スタイルも有りではないでしょうか?

 

この時期にレベルを下げて取り組むと、入試まで時間がないと思われる方もいると思いますが、

全単元でそういうことをしなくても、一つの分野でそのような学習ができれば、相乗効果で他の分野も上がってきます。

理由は、問題を読んだとき、素直に解けるような捉え方ができるようになるからです。

 

混乱している生徒さんだと、ありえない捉え方をしてしまいます。

「ここの長さが同じだと思った!」と平然と答えます。

条件をすべて使っていないとムズムズして仕方ないはずですが、そういうこともなく、「使いませんでした!」と平然と答えます。

 

そういう混乱した頭を整えることが大切で、そのためにはいくつかの分野を基礎から学習して解決すると、全体的に波及していきます。

入試が近づくと焦り、難しいことができなければと考えがちですが、

V字回復を目指すならば、急がば回れで、易しい問題から取り組むことがお勧めです。

正答率が7割以上になる問題演習が良いと思います。

 

入試演習でも良いですが、単元別に学習した方が回復が早そうです。

まだまだ時間はありますので、一刻も早く体勢を整えて、良いお年をお迎えください。

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