偏差値50以下

意味がありそうな奥が深そうな、実は意味がなさそうな軽そうなタイトルですが、

主張ははっきりしています。

偏差値50はだれでも取れるというものです。

 

偏差値50以下には原因があります。

その原因を消していけば偏差値50以下から脱出できます。

これが偏差値60以上とかになると話は別ですが、偏差値50ならば壁は厚くありません。

 

とは言え、正規分布なら偏差値50以上は2人に1人です。

ロシアンルーレットなら1/2の確率となると、怖くして仕方がありません。

しかし受験勉強の上半分に入ることは1/2の確率というような話ではありません。

 

ここまで偏差値という言葉を何回も使っていますが、偏差値というのは母集団で全くちがうものです。

格付けで偏差値を使うのはとても違和感があり、好きではありませんが、

イメージしやすいので、敢えて使っています。

四谷・日能研で偏差値50,サピックスで偏差値45と換算してください。

 

まず、上半分に入ることが難しいというイメージの方がいると思いますが、

受験生全員が正しく一生懸命勉強をやっているとしたら、確かに半分以上に行くのは難しいかもしれません。

きちんと授業を受けて、きちんと理解して、きちんと復習してという生徒さんばかりならば、

その中でグングン上昇するのは並大抵のことではないと思いますが、実際はそんな競争ではありません。

受験生の大半が隙がない生徒さんというわけではありません。

 

  1. 授業を聴いていない
  2. 身につけようという意識が薄い
  3. 復習をしない
  4. 勉強法を間違えている

 

このうちのどれか1つでもあてはまっていたら、下半分に入ってしまう可能性があります。

複数があてはまるのならば、高い確率で下半分にいることでしょう。

逆に言えば、上の4つがどれも該当しないのであれば、下半分にいることはありえません。

 

いまから、少し耳の痛い話になりますが、

4年生は上位クラスも下位クラスも生き生きしています。

全員とは言えませんが。

ところが5年生中盤くらいになると、下位クラスは目の輝きが失せていく生徒さんが増え、

6年生になると、もっとそういう傾向になります。

 

講師のパフォーマンスによって、その悪い雰囲気が軽減される場合もありますが、

上位クラスは講師のパフォーマンスに関係なく、良い雰囲気になりやすいです。

 

雰囲気はとても重要です。

職場でもパワハラなどで雰囲気が悪くなると、伸び伸びできず力が発揮できないのと同じです。

「できた!」「ヤッター」という言葉が生徒さんから出ない雰囲気は良い環境ではありません。

 

良い講師が担当してくれることを期待したり願ったりしても良いですが、

安全確実なのは、偏差値50以上を取って、上半分に入ることです。

環境を待つのではなく、自分から引き寄せるという姿勢です。

 

では、上の4つを1つ1つ見ていきます。

まず1の授業を聴いていないです。

これは復習をして、出来が良くなければ、もっと授業を聴こうということに繋げていくことができます。

目的ではなく手段なので、それほど問題視することはないような気がします。

 

2は4と被ります。

後回しです。

 

3は勉強のやり方の問題です。

飽きっぽい子も作戦次第ではなんとか乗り切れます。

 

4は、今回のブログのメインテーマです。

先ほども書きましたが、2にも通じます。

 

断定しますが、それなりに勉強時間を確保できていて、授業を聞く姿勢のある子なら

勉強のやり方を改善すれば偏差値50に届きます。

 

勉強のやり方でもっとも気をつけることは、「宿題をやらない」ことです。

 

こう書くと、驚くか、疑われるか、呆れられるかということになりそうですが、

勉強をやらないと言っているわけではありません。

宿題以外のスペシャルな課題をやりましょうというわけでもありません。

 

勉強内容は宿題で良いです。

余程不適切な課題を出す講師でなければ、やれば力の付く問題を宿題にしてくれていることでしょう。

 

それを宿題と思って取り組むのがいけないということです。

期日までにやらなければいけないものと捉えるのが良くないのです。

力の付くツールと捉えて、身につくまで大切にマイペースで取り組む必要があるのです。

 

「身につくまで」というのは予測がつく通り、反復ということになりますが、

しっかり反復すると扱える問題は減ります。

これを問題視してしまう方もいることでしょう。

 

塾講師時代、「分からない問題はどんどん遠慮せずに飛ばして良いよ!」と言い続けてきましたが、

そうは言っても、やるべき問題の半分以下だった生徒さんは見たことがありません。

私の認識では、ほとんどの生徒さんは、反復に力を入れていても、全体の50%は取り組みます。

50%より上の領域に力を入れると、反復が減り、勉強の質が落ち、勉強のやり方が悪くなるというわけです。

 

個々の状況によって、何%までやるかは異なりますが、

「全部」、「期日通り」にやろうとする意識は、理想どころか成績不振の原因になります。

期日関係無しに、自分のものにしようという意識が大切です。

 

最近、スカイプ指導でも、それを意識的に取り入れ、

「できました」と生徒さんが言った問題も、

「じゃ、何も見ないでいまから解いてごらん」

といって、解き方を確認したり、考え方を口頭で言ってもらったりしています。

力をつけている生徒さんは、それがスムーズにできます。

 

問題を解くことで、いつでもサッと解いたり、説明できるくらい定着しているのでしょう。

この状態になれば、あとは解けば解いただけ血となり肉となります。

勉強のやり方が良いという状態です。

 

逆に言えば、この状態でなければ、解いても力になりません。

勉強法を間違えているといえます。

 

スカイプ指導などで直接見れば、

どのくらい反復が必要とか、どのレベルまでできるとかということが分かり、効率の良い学習になりますが、

そうでなくても単純なアドバイスはできます。

 

偏差値50に届いていない場合は、とにかくテキストの基本例題の反復です。

簡単すぎだと感じたら、例題のレベルを上げていきましょう。

点の移動とか図形の移動の面倒な問題ならば」、反復していてもサラッと解くのは大変ですが、

偏差値50に届いていない生徒さんが扱うべき問題は、どの単元でもサラッと解けるはずです。

「ブツブツ説明しながら、ハイ解けた!」となるくらい身につくことが必要です

 

「宿題」というフレーズをやめて、「得意になるための練習」とするだけでも意識が変わるかもしれません。

終わらせることではなく、できるようになる勉強に切り替えましょう。

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