約2年前に書いたブログですが、
今回、対話式算数の第35話過不足算をかなり修正しましたので、それを踏まえてブログも修正し再アップいたします。
まず初めに過不足算の紹介です。
差集め算と呼ばれることもあり、参考書では過不足算・差集め算と併記されることもあります。
つるかめ算と同じ「和と差に関する問題」のグループに所属していて、そのグループの中では難度の高い単元です。
和と差に関する問題は、特殊算とも呼ばれることもありますが、割合や比を使わずに解ける問題のことです。
和と差に関する問題と割合や比が融合される問題もありますので、割合や比を絶対に使わないわけではありません。
一般の方々は、和と差に関する問題といわれてもピンときにくいのではないかと思います。
では本題に入ります。
過不足算は面積図や線分図で教える塾講師がいます。
サピックスでは面積図だったので、私も若いころは面積図で教えていました。
あまりしっくりきませんでしたが、
長いすにすわっていくタイプの問題には面積図は有効です。
複雑になると対応しにくいので、諸刃の剣ですが。
過不足算とは別ですが、過不足算の面積図をかいて解く応用問題があります。
面積図を使って解く、解かないはどちらでも良いですが、面積図は理解できた方が良いです。
その後、表の解き方に代え、過不足算はこれにしようと固まりつつあるとき、
前職で、上司に
「オレが中学受験の勉強をしてたころ面積図では理解できなかった。塾講師になってから線分図を見て、分かりやすくて感動した。だから線分図!!」
という超ゴリ押しがあったので、線分図で教えることにしました。
タイサンの解説も昨年まで線分図でした。
線分図は面積図とちがい、かかなくてもそれで済む解法です。
線分図じゃないと解きにくい問題は存在しません。
1番下のクラスを担当したときに、厚みのある線分図(名称はステーキ)を描いて教えたら
「先生の方法が1番分かりやすい!」
と懐いていない生徒さんが言ってくれたので、まずまず良い方法なのでしょう。
私としては、式で解く前の下ごしらえというつもりでした。
YouTubeで関西系の塾講師の過不足算を見ると、表が主流のようです。
私も遂に、線分図の呪縛が解けました。
また表でやろう…
そんな折、タイサンのお客様に、
「いままでの単元はスムーズに理解できたけど、過不足算がイマイチ理解できない」と指摘されました。
これで表で行くこと決定です。
対話式算数の過不足算を、線分図から表へ大幅に書き換えました。
字数が20%くらい減りました。
分かりにくい言い回しの部分をほとんど削除できました。
教える前段階の説明もカットできました。
線分図はやはりハードだったのでしょう。
表は、無駄な部分もありますが、イメージしやすさではNO.1です。
過不足算は差集め算とも呼ばれますが、
上記のように、面積図や線分図で解けば、差を集める意識はないです。
表で解くと差集め算らしく、差を集めている感覚になります。
超基本的な一行問題なら、あまりと不足をたして差で割るだけなので、
何を書いても普通に解けます。
少しレベルが上がると長いすの問題になります。
「1つの長いすに4人ずつすわって、いすが3つあまる」というものを「12人不足」と考えます。
面積図では横を3短くすれば解けます。
簡単です。
しかし、もう少し複雑になり、
例えば、いすが2つあまり、最後のいすは2人しかすわっていないなどの条件がつくと一気に難しくなります。
線分図なら12人不足とします。
12人不足と変えるところに1つの関門がありますが、そのくらいは乗り越えて欲しいです。
しかし線分図は、「いすがあまる=人が足りない」というように
主語が変わると不足、あまりが変わることを理解し、線分図に書き表していくのは難しいです。
分かりにくくなればなるほど理解できなくなります。
表なら、すわっていないいすが3つあるので、0、0、0と書きます。
しかし、3段階で考えることになるので容易ではありません。
しかしイメージしながら解けるので、算数力を鍛えられると思っています。
どうせ、5年生や6年生になれば、過不足算は①を使って方程式のように解いてしまいたいです。
それならば、イメージしやすく地道な作業で解ける表が1番のような気がして、対話式算数を書き直すことにしました。
かなり改訂に時間がかかりました。
過不足算を式で解くとしたら、きちんとたてに2つの式を並べ、差を考えます。
数学では、たてに並べずに等式ですが、小学生ならたてに並べた方が分かりやすいと考えています。
前職の上司は式を並べて差を考える方法は難しいと否定してきましたが、
そんなことはなくほとんどの生徒さんは普通に解けるようになっていました。
過不足算は、いまどうやって教えるか、長期的にはどうやって教えるか、
講師によってちがいの出る単元です。
解き方にこだわりのある教材の解説書を手に入れたいということでしたら、対話式算数をお勧めいたします。