学習効果だけを考えれば、塾無しの自宅学習は大いに有効な作戦ですが、
中学受験は一般的ではないため(東京の一部の地域を除いては)
未知なる戦いに挑む恐怖もあり、やはり塾の方が安心というお気持ちは十分に理解できます。
漠然と大手塾は情報があるといわれますが、具体的に考えて、大手塾に通わないと得られないものは何でしょう?
思った以上に少ないことが予想されます。
塾に相談
その中の1つが困ったときの相談です。
塾に通うと学習内容に留まらず、多岐にわたるご相談ができます。
塾講師は士業ではないので相談は無料です。
でも塾講師も士業も、人件費は同じようにかかるはずなので、方や30~60分で5000円、方や無料というのも不思議な話です。
私は自分のことをプロとは言いません。
教材作成者やスカイプ算数指導者です。
面倒なときは、自宅警備員と言っています(笑)
プロと思ってくださる方がいれば否定はしませんが、自らプロの仕事!などとは思ってもいません。
しかし、塾講師はよくプロに相談しなさいといいます。
まあ、そのようなこだわりは置いておいて、
プロの塾講師に相談したら、きちんと解決するでしょうか?
塾講師は何も知らない
よく、女性には質問に答えることよりも相槌を打って聴いてあげることが重要と言われますが、
それならば塾講師でもできるでしょう。
しかし、きちんと答えようとしたら、ご家庭での状況を正確に把握する必要があります。
家で保護者様がどれくらい勉強を見ているか、手をかけているかをです。
かくいう私も、スカイプ指導をするようになって、ご家庭でのフォローが想像以上のものだと認識しました。
塾講師を続けていたら、そのようなことは分からないままでしょう。
お弁当を作って、学校説明会に行って、勉強をみて、ファイル整理して、……etc
このくらいに軽く見ている塾講師は多いのではないでしょうか。
そうしましたら、相談の回答もピントがズレてしまいそうです。
弁護士などは当然と言えば当然ですが、相談者の話をよく聴きます。
場合によっては、書面で提出してもらったりもすると思います。
塾講師は、自分の言いたいことだけ言って終わりという人が多いようです。
私も現役のころは、電話相談や面談などでは、まずは保護者様に話してもらって、
それを素に、一気に自分の意見を言うスタイルでしたが、「もっと相手の様子を聴きたい」という意識が抜けていたと思います。
十分に相手のことが分からないでの回答は、受取手が、アレンジしなくてはなりません。
ピンポイントの回答になっていないのでしたら、
わざわざ相談しなくても、その程度のことならネットにも溢れていそうです。
掲示板やSNSで相談
では、塾講師ではなく、中学受験終了の保護者に相談するのはどうでしょう?
インターエデュのような匿名掲示板でも、知り合い(SNS上でも)でもいいです。
回答者は、ご家庭の苦労というものを十分に分かっていることでしょう。
何が辛くて、何に焦ってということが手に取るように分かっていることでしょう。
ところが回答内容は、信頼できるものとは言いきれません。
たまたまうちの子はそれで上手くいったとか、
弱点補強が実現しなかったけど、そのやり方をアドバイスしてしまったりとか、
オーバーワークになっていたのに、それがマストだと信じていたりとか、
とても回答できる知識がない場合が多いです。
昔のことを美化してしまう人間の特性もありますし。
塾講師は、だいたいこれくらいのレベルの子にはこうしたらいいというものをつかんでいますが、
中学受験終了の保護者はすべて我が子を基準にしていると思います。
成績、科目バランス、典型題・思考系の強さ、勤勉さ、閃き
こういったものが近いのならば参考になりますが、その確率はとても低いでしょう。
ご子息をことごとく東大に入れているという保護者がいると、
何か秘策があるのではという気がして、本など出ていたらつい買ってしまいそうですが、
そのご子息にしか通用しないアドバイスかもしれません。
インターエデュの掲示板で答えている人は、相手の状況も分からないのによく答えられるなと感心してしまいます。
たまにスレ主がぶち切れている書き込みも見ますが、掲示板の相談とはそういうものでしょう。
掲示板に比べれば、TwitterやFacebookの相談の方が何倍もマシだとは思います。
塾講師のプロフィール
- 塾講師は、家庭の辛さを知らない
- 受験終了保護者は我が子のことだけしか分からない
どうすればいいでしょう。
その2つを合わせ持つ、我が子を難関校に合格させた塾講師はとても良いのではないでしょうか?
「先生はご結婚なさっていますか?」
「お子様はいらっしゃいますか?」
「中学受験はさせましたか?」
「どちらの学校ですか?」
このような質問ができれば良いですが、個人情報、塾の社則で教えてもらえないと思います。
講師の学歴を知りたい方が多いと思いますが、それ以上に講師のご子息に興味を持たれた方が良いと思います。
余談ですが、学歴の高い講師は、1度教えたことを公式化する傾向があると思っています。
何回も出てくるからこその公式だと思いますが、
こんなことまで覚えさせるの?と思ってしまったことが多々あります。
その講師自身は覚えるのが得意だったのかもしれません。
東大生家庭教師は時給が高いのを見ると、
学習効果は比例どころか逆になるかもしれないのに…と思ってしまいます。
では、誰に相談するか?
このように考えていくと、なかなか良い相談役はいません。
塾講師と家庭教師を兼務していれば良いと思われると思いますが、
その場合、塾講師にどっぷり漬かっているわけではないので、いろいろな経験はしていないかもしれません。
塾講師でもバランス感覚に溢れ、ご家庭のご苦労を十分に理解していれば、相談役としてピッタリですが、
そういう塾講師は少ないことでしょう。
「家では管理だけで教えないでください」
このフレーズを口にする時点で、良いアドバイスは期待できません。
前述のように、教えてもらえなかったとしても、我が子を難関校に合格させた講師が担当者ならラッキーです。
相談役がいなければ仕方がありません。
フィルターを通してアドバイスを聞くだけです。
受験終了者の保護者のアドバイスならば、
それを聞いて、うちの子だったらどうだろう?と変換します。
変換ばかりなら、相談すること自体が意味があるのか疑わしくなります。
塾講師のアドバイスならば、家庭学習のことは全く分かっていないこと前提に聞くと良いと思います。
生徒が理解できているのは、自分の教え方が上手いからと、本気で思っている講師が多数いますので、
そういったことも考慮して受け止めると良いでしょう。
受験コンサルタントのような人はどうでしょう?
どれほどのアドバイスができるか分かりませんので、無料ならば良いですが、
それを生業としているので、そんなことはありえません。
紹介とかなら良いですが、そもそも本気でコンサルタント業をやっている人っているのでしょうか。
受験に限らず、相談とは本当に難しいと思います。